ワールドビクトリーロード
「戦極〜第八陣〜」
2009年5月2日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館
開場14:00 開始16:00
※オープニングファイトは15:00〜
▼メインイベント(第9試合) 戦極フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND 5分3R
○日沖 発(ALIVE/修斗世界ライト級3位・TKO世界フェザー級王者)
一本 1R3分9秒 ※三角絞め
●ロニー・牛若(イギリス/チーム・トロージャン)
※日沖がフェザー級GP準決勝に進出。
戦極フェザー級のエースと目され、前評判通りの強さを見せ付けた日沖の2回戦の相手は、開幕戦で“スーパー高校生”山田哲也を下した牛若となった。
この試合に向けてメルヴィン・マヌーフの元で打撃特訓を積んできたという牛若は「日沖、男なら僕と打ち合おう」と日沖に打撃戦を要求。しかし日沖は「僕は自分のスタイルを貫くだけ」とサラリと受け流している。
1R、リーチで優る日沖に右ストレートで飛び込む牛若。日沖はそこにカウンターのタックルで組み付き、テイクダウンを狙うが牛若も簡単には倒れない。しかし日沖は牛若をロープに押し込み、そこから引き出すようにして外掛けでテイクダウンを奪う。
サイドポジションを奪われた牛若だったが、すぐに体を反転させてタックルへ。牛若はそこから脇を差して潜りスイープを狙うが、日沖もそこにカウンターのフロントチョークを仕掛ける。
この攻防が続く中、マウントポジションを奪う日沖。そして牛若の動きに合わせて三角絞め! これでしっかりと牛若の動きを固めると、日沖は下から容赦ないパウンドの連打!
何とか粘っていた牛若だったが、日沖の三角絞め&パウンドの連打で遂にタップ。日沖が圧倒的な強さを見せて、エースの役目を果たした。
▼セミファイナル(第8試合) 戦極フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND 5分3R
○小見川道大(吉田道場/日本国際柔道大会66kg級優勝)
TKO 1R4分52秒 ※レフェリーストップ
●ナム・ファン(ベトナム/Ma Duアカデミー/EFWCライト級王者)
※小見川がフェザー級GP準決勝に進出。
GP開幕戦ではアメリカの強豪L.C.デイビスを下して、成長の証を見せた小見川。対するファンは門脇英基をKOで下しての2回戦進出となる。
前日会見では「門脇スペシャル(腹固めとチョークスリーパーの複合技で門脇のオリジナル技)で勝ちたい。僕はずっと門脇に憧れていて、彼が若い選手たちにどれだけ影響を与えたかを見せたいんだ」と話したファン。
それに対して小見川は「他人の技は自分にはかからない」とキッパリ言い切った。ファンの門脇スペシャルが実際に飛び出すのかどうかも見所の一つとなる試合だ。
1R、ガードを上げて上体を振り、ファンのパンチをディフェンスする小見川。ファンをコーナーまで詰めると一気に組み付いてテイクダウンを奪う。しかしファンはすぐに下から足関節。これでポジションを入れ替えるが、小見川がそこにフロントチョーク! ファンの体を返しながら、ファンの頭にヒザ蹴りを入れる。
体を起こして立ち上がろうとするファンだが、小見川は強引にファンをぶん投げる。小見川に頭をがぶられ、何度も投げられるファンだが、極めの形までは作らせない。
そして小見川の足元のもぐりこむようにして足関節を狙い、小見川が距離を取ったところで立ち上がる。試合がスタンドに戻るとファンが右ストレートから左ボディ! 小見川はすぐに右ストレートを返す。やや頭が下がる小見川にヒザ蹴りを突き上げるファン。小見川はファンが距離を詰めたところに左フックを返す。
そして小見川は右フックで前に出てファンにロープを背負わせると、テイクダウンを奪う。ここでファンが立ち上がることに成功するが、小見川はファンをロープに詰めて右ストレートから連打!
小見川の右ストレート、左フックがファンの顔面を打ち抜く! 何とか組み付くファンだったが、小見川は強引に投げでテイクダウン! そして一気にファンの顔面に小見川がパウンドを集めると、レフェリーが試合をストップ! 1回戦に引き続き、小見川が海外でも評価される相手を下し、準決勝への切符を手に入れた。
▼第7試合 ライト級 5分3R
○横田一則(GRABAKA)
判定2−1 ※30−28、28−29、30−29
●レオ・サントス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
8月に予定されている北岡悟の王座防衛戦の挑戦者を決める意味合いもある一戦。
2002年に五味隆典を相手に総合格闘家としてデビューし、その後は確実にキャリアを積んできた元柔術世界王者のサントス。
対する横田は戦極ライト級GP2008で北岡に敗れており、サントス戦は北岡へのリベンジに向けた試合でもある。
1R、リーチ差のあるサントスに対して横田は右ローを2発。サントスもインローを返す。ジャブ、右ストレートを打つサントス。
横田が右ストレートを返すと、そこにサントスが絶妙のタイミングでカウンターのタックル! そのまま横田をマットに寝かせ、マウント→バック→マウント→バックと流れるような動きで横田をコントロールする。
しかし横田はサントスのサブミッションをディフェンスしつつ、体を反転させてインサイドガードのポジションを取る。ガードポジションから横田の上半身をホールドするサントス。
横田はコツコツとサントスの顔面にパンチを落とす。さらに横田はセコンドの指示通りにサントスのボディにもパンチ。
サントスが腕十字や三角絞めを仕掛けるが、横田も反応が早くすぐに上体を起こす。
残り30秒、一気に体を起こして横田が左右のパウンド! そして立ち上がって距離を取ると、イノキ・アリ状態から踏みつけと飛び込むようなパウンド! サントスも三角絞めを狙うが、横田はサントスの顔面に鉄槌を連打する。
2R、パンチのフェイントで前に出る横田。サントスは飛びヒザ蹴りも見せるが、横田はそれをしっかりとキャッチしてテイクダウンを奪う。ガードポジションからアームバーを狙うサントスだが、横田もすぐに腕を引っこ抜く。
横田の両脇を差してスイープを狙うサントスに対し、しっかりとグラウンドで上のポジションをキープする横田。サントスがハーフガードから潜りスイープを仕掛けるが、横田はこれもしっかりと潰す。
必死にガードポジションから腕十字や三角絞めといったサブミッションを仕掛けるサントスだが、横田はサントスの上半身をしっかりとホールドして、それを阻止する。しかしサントスが横田の脇を潜るようにして一気にバックへ!
横田もすぐに立ち上がろうとするが、サントスがグラウンドで上のポジションをキープし、マウントポジションで抑え込む。サントスはマウント、バックとポジションを変えて、横田の顔面にパンチを落とす。しかし横田もバックを取られた状態からサントスの頭を抱えてインサイドガードに戻す。
1Rに続き、2Rも一進一退の攻防が続く。
3R、横田の右ローに対して、サントスは左ミドルと右ハイキック。サントスがじりじりと前に出て右ミドルからパンチをまとめる。
横田はそこでサントスに組み付いてテイクダウンを狙うが、サントスは倒れない。そしてサントスが横田をコーナーに詰めて両足タックル! 横田の足を刈ってテイクダウンを試みるが、横田も手をマットについて立ち上がる。
ブレイク後、横田が右ストレート。前蹴りと右ローを蹴る。そのローに右ストレートを合わせるサントス。この右ストレートで横田を下がらせる。横田は右ローを蹴りながら、右ストレートで飛び込みテイクダウンを狙うが、グラウンドで上を取るのはサントス!
サントスはじっくりと横田の上半身を固めてマウントポジションを奪うが、横田も背中を見せてすぐにインサイドガードに戻す。足を四の字にクラッチし、横田の体をホールドするサントス。横田は必死に体を起こしてパウンド、そしてイノキ・アリ状態から踏みつけ! 結局、どちらも決定的な場面を作ることのないまま、試合は判定を向かえた。
判定は2−1のスプリットで横田! ジャッジ泣かせの接戦だったが、横田が何とか勝ちをもぎ取った。試合後、マイクを握って「しょっぱい試合をしてすいません。予想以上にサントス選手が強かったです」と試合を振り返った横田。
そしてリングサイドで試合を観戦していた北岡に視線を移すと「北岡選手がすぐ近くで試合を見てたんで、ちょっと目も合ったと思うんですけど…チャンスがあったらよろしく。もう1回(北岡と)やりたいです」と北岡に対戦を要求する。これを聞いた北岡はニヤリと笑うだけで、明確な返答は避けた。果たして北岡の防衛戦の相手は横田となるのか?
▼第6試合 ライトヘビー級 5分3R
○シャンジ・ヒベイロ(ブラジル/ユニバーシティ・オブ・ジュウジュツ/2008年柔術世界選手権ペサード級&アブソルート級優勝)
KO 3R51秒
●KEI山宮(GRABAKA/初代ライトヘビー級キング・オブ・パンクラシスト)
元柔術世界王者で昨年戦極のリングで総合格闘家としてデビューを果たしたシャンジ。総合第2戦目となった今回はベテランのKEI山宮と対戦することとなった。
この試合に向けてシャンジはあのヴァンダレイ・シウバともトレーニング、打撃テクニックに更なる磨きをかけてきた。
一方、対戦相手の山宮は対戦カード発表記者会見で「俺はお前のかませ犬じゃない!」と長州力ばりの発言をしている。
1R、サウスポーの山宮は距離を取って、シャンジに間合いを詰めさせない。シャンジは左手を伸ばして距離を測りながら右ストレートで飛び込み、山宮をタックルでコーナーまで押し込む。しかし山宮がシャンジの頭を潰してそれを阻止。結局、コーナー際での攻防はブレイクとなる。
再開後、足を使って距離を取る山宮に対して、シャンジは上体を低くしながら左右のフックで前に出る。そして山宮がロープを背負ったところでシャンジが両足タックル! これで山宮をテイクダウンする。
ハーフガードでシャンジの体をホールドする山宮だったが、シャンジは山宮の足を超えてパスガード。マウントポジションを奪うと、山宮の頭を押さえつけて強烈なパウンドを連発する。
これを嫌った山宮が背中を見せたところでバックを奪うシャンジ。ここからシャンジはチョークスリーパーを狙いつつ、山宮の左腕を取って腕十字! 山宮の腕が伸びたかのように見えたが、山宮はタップしない! そのままラウンド終了となり、山宮が何とかシャンジの猛攻を凌ぎきった。
2R、じりじりと前に出て左ストレートから右アッパーを打つ山宮。シャンジはそれを受けながらも片足タックルでテイクダウンを狙う。シャンジは山宮の体をロープに押し込み、マットに寝かせようとするが、山宮は立ち上がる。四つ組で山宮をコーナーに押し込むシャンジだったがテイクダウンすることが出来ずにブレイクとなる。
再開後、右ミドルを蹴るシャンジ。山宮がプレッシャーをかけて前に出るが、シャンジが右ストレートから前に出て組み付く。そこに首相撲からのヒザ蹴りを蹴る山宮。シャンジは片足タックルで山宮をコーナーまで押し込むが倒せない。
試合がスタンドに戻ると、プレッシャーをかけて前に出る山宮。シャンジは組み際のヒザ蹴りを狙う。やや手数が減ったシャンジに対して山宮は左ボディストレート。両腕でガードを固めるシャンジに山宮が左右の連打を集める!
シャンジも右フックを返すが大振りになって当たらない。さらに山宮はシャンジをロープまで下げさせると、そこに意表を突いた左の飛びヒザ蹴り! これはシャンジにテイクダウンされるものの、ラウンドの後半は山宮が打撃でペースを掴んだ。
3R、右フックから前に出るシャンジ! 一気に左右の連打で山宮に襲い掛かるが、山宮も果敢に打ち合って左ストレートを返す。しかし山宮が右のパンチで前に出たところに、シャンジの右フックがカウンターでクリーンヒット! この一発で後方に吹っ飛ぶ山宮! シャンジが追撃のパンチを落としたところでレフェリーが試合を止めた。
前回の杉浦戦に引き続き、スタンドの打撃で勝負を決めたシャンジ。元柔術世界王者としてのグラウンドテクニックもさることながら、非凡な打撃センスを見せつける結果となった。
▼第5試合 戦極フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND 5分3R
○金原正徳(パラエストラ八王子/チームZST)
判定3−0 ※30−29、30−29、29−28
●ジョン・チャンソン(韓国/CMA KOREA/KTT)
※金原がフェザー級GP準決勝に進出。
開幕戦ではキム・ジョンマンを下している金原と石渡伸太郎を下しているチャンソン。両者ともに2戦連続での日韓戦となった。金原はトレードマークとなった黄色の道衣に身を包んでリングに上がる。
1R、腰を落としてどっしりと構えるチャンソンは左ミドルとインローを蹴る。金原はそれを捌きながら右ロー。チャンソンは金原が距離を詰めてくるところに左フック。金原のミドルキックにパンチで飛び込むチャンソンだったが、金原がテイクダウンを奪い、グラウンドで上になる。
チャンソンはガードポジションから金原の左腕を外から抱えてオモプラッタ狙い。金原はチャンソンの足を一本またぐと、体を起こしてコツコツとパンチを落とす。金原はパスガードを狙うが、チャンソンはしっかりと金原の体をホールドしてブレイクを待つ。
再開後、すぐにチャンソンに組み付いてテイクダウンを狙う金原。チャンソンはそれを切りつつ、ヒザ蹴りを蹴るが、金原はチャンソンをロープまで押し込んでテイクダウンを奪う。ガードポジションから腕十字を仕掛けるチャンソンは、金原のバランスを崩して立ち上がる。
そこにタックルで飛び込む金原だったが、チャンソンの体がロープの外に出てブレイクとなる。スタンドで再開となるとチャンソンは金原のミドルに右ストレートから左フック。金原もチャンソンの左のヒザ蹴りに左フックを合わせる。
2R、タックルでテイクダウンを狙う金原。チャンソンはそれを切ると左右のフックの連打! 金原もこれに応じて打ち合い、両者のパンチが顔面を捕らえる! そして金原の左フックでチャンソンの腰が落ちる。ここで金原がタックルでチャンソンをテイクダウン。
ガードポジションからオモプラッタを狙うチャンソンは金原の顔面を蹴り上げる。金原はチャンソンの足を捌いてパスガードを狙うが、そこにチャンソンが三角絞め! 金原の体を後方に返すようにして、腕十字に切り替える!
一瞬、金原の腕が伸びるが、金原はすぐに体を反転させてここからエスケープ。グラウンドで上のポジションを取り返すが、チャンソンは下から鉄槌。さらに腕十字を仕掛ける。金原はパンチを落としながら足関節。すぐに体を起こしてタックルに入るが、チャンソンはテイクダウンを許さない。
そして残り10秒、ガードポジションになった金原はヒールホールド! チャンソンは体を反転させて立ち上がる。
3R、金原を後退させて右ミドルを蹴るチャンソン。金原はそれを空振りさせてグラウンドで上を取る。ハーフガードでガッチリとチャンソンの動きを固める金原。チャンソンも必死にガードポジションに戻し、そこから三角絞め。金原が頭を抜こうとすると、チャンソンはすぐに立ち上がる。
そこにタックルでテイクダウンを仕掛ける金原。粘るチャンソンを何とかマットに寝かせることに成功する。金原は足関節を狙うが、チャンソンは顔面蹴り上げ。
さらに金原のタックルを切ってヒザ蹴り! 試合がスタンドに戻るとチャンソンが左ミドル。金原はそこに左フックを合わせる。距離が開くと右のロングフックで飛び込むチャンソン。さらにチャンソンが右アッパーから左フック、そして左のヒザ蹴り!
金原はタックルでテイクダウンを狙うが倒すことが出来ずにガードポジションに引き込む。チャンソンはそこにパウンド、そしてイノキ・アリ状態から顔面を踏み付ける。判定は30−29、30−29、29−28で金原。チャンソンの鋭い打撃に苦しめられた金原だったが、テイクダウンと寝技のしつこさで何とか勝ちをもぎ取った。
▼第4試合 戦極フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND 5分3R
○マルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァウニオン/第2代フェザー級キング・オブ・パンクラシスト)
KO 1R19秒 ※左フック
●ニック・デニス(カナダ/Ronin MMA/KOTCカナダ・フェザー級王者)
※サンドロがフェザー級GP準決勝に進出。
無敗の優勝候補、キング・オブ・パンクラシストのサンドロがさらに優勝へ近付くのか、それとも同じく無敗のKOTC王者デニスが番狂わせを起こすのか? 無敗のチャンピオン対決、レコードに初黒星が付くのはどっちだ!?
1R、パンチのフェイントをかけて前に出るデニスだが、これに下がっていたサンドロが突然前に出て右アッパーからの左フック! デニスがダウン! すかさず右のパウンドで畳み込むサンドロ! デニスの頭が何度もマットにバウンドし、レフェリーが試合をストップ。大歓声を浴びたサンドロはパンクラスのベルトを高々と掲げて勝利をアピールした。
サンドロは「この勝利は自分にとって特別な意味があります。神様に感謝します。神様のおかげで勝つことが出来ました。ここまで来るまでにかなりの混乱があり、それを乗り越えていまこの場にいます。私は選手の一人ではなくチャンピオンになるために来たので、また応援をお願いします」とアピール。改めて優勝宣言した。
▼第3試合 ウェルター級 5分3R
○瀧本 誠(吉田道場/シドニー五輪柔道81kg級金メダリスト)
一本 1R3分31秒 ※ヒールホールド
●マイケル・コスタ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
シドニー五輪柔道金メダリストの瀧本が「もう限界かな」発言からの復帰戦。最近では裁判員制度のPRドラマに出演して役者デビューも果たしている。コスタはシュート・ボクセが誇る、回転の速い打撃が持ち味のストライカーだ。
1R、サウスポーの瀧本に右ローを連打するコスタ、右ハイキックから飛びヒザ蹴りを発射すると、瀧本が受け止めてグラウンドに持ち込む。
コスタはフロントチョークの体勢、瀧本はボディにヒジを見舞い、同時にパスを狙って行く。
サイドにパスした瀧本はしっかり抑え込みながら一気に腕十字へ行く! 立ち上がろうとするコスタ、瀧本は股をすくってコスタを転がすと、コスタは逆に足を取りにくる。コスタのアキレス腱固め、瀧本もヒールホールド!
コスタが叫び声を挙げてタップ、瀧本が2007年12月31日以来の勝利! 復活勝利を両手を広げて喜ぶ瀧本。
「今日はありがとうございました。私、瀧本誠にとって非常に重要な試合でした。負けたら引退しようと思っていました。正直、勝てると思わなかったです(苦笑)。これからトーナメントの試合があります。吉田道場から小見川選手も出ます。小見川選手の応援をお願いします。今日は盛り上がって行きましょう!」と、珍しく笑顔でマイクアピールした。
▼第2試合 ライトヘビー級 5分3R
○スタニスラブ・ネドコフ(ブルガリア/ブルガリアン・ブシドー・フェデレーション)
TKO 3R42秒 ※グラウンドパンチ
●トラビス・ビュー(アメリカ/エリート・パフォーマンス)
戦績54勝12敗、勝率は実に82%という“鉄人”ビュー。戦極初参戦では藤田和之に秒殺KO勝ちを飾っている。対するは戦極では初登場となるブルガリア人ファイター、あの大関・琴欧州の学生時代からの親友であるというブルガリア学生レスリング王者ネドコフ。リングサイドにはその琴欧州が陣取る。
1R、ビューはタックルで組み付くと投げを見舞うが、ネドコフはすぐに立ち上がってコーナーへ押し込んでいく。ここで放ったヒザ蹴りがローブローになってしまい試合は一時中断。
左フックから飛び込んで組み付くネドコフ、コーナーまで押し込んでいくとビューが巧みに身体を入れ替えて逆にコーナーへ押し込む。またしてもネドコフのヒザがローブローとなってこれはブレイク。
再び組み合ってビューがコーナーへ押し込み、ビューのヒザ蹴りにネドコフが右ヒザ蹴りを返すとこれが金的を直撃! 叫び声を上げて倒れるビュー。回復を待つ長い時間が過ぎ、ビューが立ち上がると場内から拍手が沸き起こる。ネドコフにはレッドカード(減点1)。
フックの合い打ちから組み付くと場内からは「また金的じゃないか?」というざわめきが起こる。ヒザ蹴りの応酬があった後にブレイク。ネドコフは左右のフックで突っ込み、組んでヒザ。ビューがコーナーへ押し込んでいく。ここで同時に両者がヒザを放ち、ネドコフのヒザがやはり金的を直撃! 3度目の試合中断となり、2度目のレッドカードが提示される。
試合再開すると、すぐに組み合う二人。場内イが大きくざわめく。これはブレイク。ネドコフが左右のフックで突っ込み、今度はテイクダウンに成功! ビューは片腕を脇に挟んでクロスガード、そのままゴングを聞いた。
2R、開始と同時にタックルに行くネドコフ、ビューが受け止めてコーナーへ押し込み、持ち上げてテイクダウンを奪う。コツコツと殴るビュー、抱きついてフックガードからスイープを狙うネドコフ。ブレイクとなる。両者にネガティブファイトの注意が与えられる。
すぐに組みに行ってヒザを蹴るネドコフ。コーナーへ押し込み、これもブレイク。ビューがクリンチからアッパーを見舞い、覆い被さるようにフロントチョーク! これは逃れたネドコフが逃げるが、ビューは上になってコツコツと鉄槌を落としていく。腕を脇に抱えるネドコフ。そのままラウンド終了。
3R、疲労を露にするネドコフだが、出会い頭に強烈な右フックがビッグヒット! ダウンしたビューにパウンドの連打を見舞い、レフェリーがストップ! ネドコフが見事な逆転勝利を飾り、立ち上がって喜ぶ琴欧州はリングインしてネドコフと抱き合い、勝利を祝った。
疲れきったネドコフはマイクを持つと座り込み、息も絶え絶えに「この美しい勝利を神様に感謝を捧げます。戦極のスタッフの皆様、ありがとうございます。戦極に呼んでくれて感謝しています。自分の活躍で満足してもらえたかと思います」とマイクアピールした。
▼第1試合 ライト級 5分3R
○毛利昭彦(毛利道場)
反則 1R4分20秒
●真騎士(ベネズエラ/戦極育成選手)
DEEPなどで活躍した戦国武将・毛利元就の末裔である毛利昭彦が戦極に初参戦。
対するはこれが本戦デビューとなる戦極育成選手の真騎士。レスリングでは全日本学生選手権と全日本大学選手権の二冠王になっており、その身体能力は目を見張るものがある。
1R、ゴングと同時に左フックからタックルで組み付き、ボディへヒザ蹴りを連打する真騎士。横に崩してテイクダウンを奪い、上になるが毛利が下からのオモプラッタ!
真騎士は素早く回転してバックを奪い、ボディへのヒジ。素早い回転体の動きに場内が沸く。
バックを奪われた毛利は胴に巻きついた真騎士の太腿へヒジ。真騎士が鼻血のドクターチェックのため一時中断となり、再開後、両者はパンチで打ち合う。真騎士の左フックで倒れる毛利、そこへ踏み付け!
スタンドに戻ると毛利がワンツーを放つが、真騎士はスウェーでかわす。組んできたところにはアッパー、離れると飛びヒザ蹴り!
毛利の左ストレートにはバックキックを返す。毛利の左フックをスウェーでかわした真騎士が、右の返しのフック! 毛利が完璧にダウンしたところで、真騎士が反則の四点ポジションへのサッカーボールキックを見舞ってしまい、試合は一時中断。
しばらく回復が待たれたが、ドクターから試合続行不可能の判断が下され、毛利が反則勝ちとなった。ゴングが鳴ると自分のKO勝ちと勘違いした真騎士はセカンドロープに飛び乗ってバック宙を披露。
毛利は倒れたままマイクを握り、「こんな結果になってしまってすいません。ウチの童女の仲間が山口県で結婚式をやっているので、そいつらに勝利をプレゼントしたかったです。また強くなって戻ってきます」と挨拶した。
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級 5分2R
○大澤茂樹(吉田道場/戦極育成選手)
判定3−0
●石橋幸太(横須賀総合格闘技道場DOBUITA)
▼オープニングファイト第1試合 フェザー級 5分2R
○斉藤祐俊(和術慧舟會GODS)
一本 1R2分52秒 ※腕ひしぎ十字固め
●阿倍剛卓(パラエストラ松戸/チームZST)
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