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【DREAM】KIDが敗れる大波乱!カンセコは秒殺負け、川尻が魔裟斗戦をアピール

2009/05/26


FEG
「DREAM.9フェザー級GP 2nd ROUND」
2009年5月26日(火)神奈川・横浜アリーナ
開場17:00 開始18:00


▼メインイベント 第2代DREAMミドル級王座決定戦 1R10分、2R5分
−ホナウド・ジャカレイ(ブラジル/アスレ・マナウス- エクストリーム・クートゥア)
ノーコンテスト 1R2分33秒
−ジェイソン“メイヘム”ミラー(アメリカ/チーム・メイヘム・ミラー)

 ゲガール・ムサシの王座返上に伴い、組まれた第2代王座決定戦。メイヘムはセーラー服の女性ダンサーを大勢引き連れてのド派手な入場。対するジャカレイはお馴染みとなった両手を上下させるワニのパフォーマンスでリングに上がる。

 1R、ジャブを突いて距離を測る両者。ジャカレイはインローを返す。右ストレートから飛び込んで左フックを返すメイヘム。ジャカレイは片足タックルでテイクダウンを狙うがメイヘムは倒れない。

 再び組み付いてテイクダウンを狙うジャカレイに対して、メイヘムは首相撲からのヒザ蹴り。ジャカレイは距離を取る。

 メイヘムのジャブにジャブを返すジャカレイ。メイヘムは右アッパーのフェイントで前に出る。メイヘムはジャカレイの前蹴りをすくって、ジャカレイをテイクダウン! しかしここでメイヘムは倒れたジャカレイの頭部を蹴ってしまい、メイヘムには反則のイエローカードが提示される。さらにこの攻撃でジャカレイを頭部をザックリとカット! 

 かなり大量の出血が見られ、長時間のドクターチェック後、試合は再開となる。

 再開後、ジャカレイはすぐにタックルでメイヘムをテイクダウン。イノキ・アリ状態からパスガードを狙うが、メイヘムも脇を差して立ち上がる。その動きに合わせてバックを狙うジャカレイだったが、メイヘムはそれを許さない。

 するとジャカレイが頭部からおびただしい出血。すぐにドクターチェックが入る。ジャカレイに止血が施される間、レフェリー陣がリングに集まり協議。

 島田裕二ルールディレクターはメイヘムの蹴りが反則であるとした上で、その反則がアクシデントと判断。アクシデントによるジャカレイの負傷→ドクターストップということで、ノーコンテスト裁定を発表した。

 全試合終了後、笹原圭一DREAMイベントプロデューサーは、この一戦について「早ければ次の7月大会で再戦を組んでタイトルマッチを行いたい」とコメントした。


▼セミファイナル DREAMフェザー級GP二回戦 1R10分、2R5分
ジョー・ウォーレン(アメリカ/チーム・クエスト/2006年レスリング世界選手権グレコローマン60kg級優勝)
判定2−1
山本“KID”徳郁(KRAZY BEE)

 約1年6カ月ぶりの復活となったKID。花道を歩くその表情は非常に気合いが入っており、ゆっくりと祈りを捧げてからリングに上がる。対するウォーレンは開幕戦と同じように花道ではカメラを睨みつけるなど、試合前から戦闘モード。ウォーレンは握手を求めるKIDの手を振りほどいた。

 1R、サウスポーのKIDは左ミドル、ウォーレンもインローを蹴る。ウォーレンを前蹴りで突き放すKID。ウォーレンは強引に距離を詰めてKIDをテイクダウンしようとするが、KIDは首相撲からのヒザ蹴り。

 ウォーレンもそこにクリンチアッパーを連打し、KIDからテイクダウンを奪う。ウォーレンはインサイドガードでKIDを押さえ込み鉄槌。パウンドを阻止しようとするKIDをバスターで叩きつける。

 KIDはウォーレンの身体を蹴り離して立ち上がろうとするが、ウォーレンのトップキープは強い。必死にクローズガードを取るKIDにウォーレンはバスターを2発! しかしここでウォーレンの頭がKIDの顔に当たってしまい、KIDが眉間をカットしてしまう。ブレイク後、KIDが左ミドルと前蹴り。

 ウォーレンは強引に距離を詰めて行くが、KIDはそこに右フックを合わせる。ワンツーで前に出るウォーレンはKIDをロープまで詰めてテイクダウンを狙うが、KIDは首相撲からのヒザ蹴り。

 KIDは距離が離れると左ミドルを放つ。さらにKIDは強烈なインロー! これでウォーレンの突進を止める! 徐々にテイクダウンが出来なくなるウォーレン。右ストレートで前に出ると、KIDはそこに右フックを返す。

 ウォーレンは強引なタックルでKIDに組み付くと首相撲からのヒザ蹴りを連打、離れ際に左フックを放つ! さらにウォーレンは首相撲からクリンチアッパーとフック。

 KIDはそれを突き放して左ミドルを蹴る。この左ミドルでウォーレンを近づけさせないKIDだったが、ウォーレンが左ミドルをキャッチしてKIDをテイクダウンする。ウォーレンはインサイドガードになるとKIDの顔を押して、口を塞いで嫌がらせ。コツコツとパンチを落とす。

 2R、KIDはジャブからインロー。ウォーレンは右ストレートからタックルでKIDをロープまで押し込む。KIDはロープを背にしながら、首相撲に持ち込んでヒザ蹴り! 距離が開くとKIDが左ミドル! 

 そしてウォーレンの突進に合わせてヒザ蹴りと右フック! これがウォーレンに当たるが、ウォーレンは構わずタックルで前に出る。何とかそれを切ろうとするKIDだったが、ウォーレンのしつこい両足タックルでテイクダウンを奪われてしまう。KIDはガードポジションから腕十字! しかしウォーレンは腕を抜いてパンチを落とす。

 ブレイク後、インローを蹴るKID。ウォーレンが組み付いてくると、首相撲から右フックを放つ。ジリジリと圧力をかけて前に出てテイクダウンを狙い続けるウォーレン。KIDは下がりながらインローと左ミドル。

 ウォーレンはそれを受けながらもKIDをロープまで押し込む。残り1分、ウォーレンはKIDを引っこ抜くようにして渾身のテイクダウン! ウォーレンはKIDの顔を潰してパウンド! KIDも必死にガードポジションから腕十字を狙う。

 判定はスプリットでウォーレン! 一進一退の攻防が続いた接戦はウォーレンがモノにし、KIDがGP2回戦で姿を消す大波乱が起こった。




▼第8試合 DREAMフェザー級GP二回戦 1R10分、2R5分
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)
判定3−0
今成正和(Team ROKEN/DEEPバンタム級王者)

 打倒KIDの最右翼の今成が最大の壁に挑む! 対戦相手のビビアーノは柔術元世界王者にして、総合格闘技でも高い対応力を見せている優勝候補の一角。今成も日本を代表するグラップラーではあるが、純粋な寝技だけならビビアーノが上。今成はこの強豪をどう攻略するか?

 1R、サウスポーに構える今成は左ミドルで距離を取る。ビビアーノはそれを取ってテイクダウンし、一気に今成の顔面にパンチを落とす。しかし今成もすぐにビビアーノの身体を蹴り離す。

 スタンドでは左ミドルを蹴る今成。ビビアーノに蹴り足を捕まれるとガードに引き込むが、ビビアーノはそれに付き合わない。

 スタンドではビビアーノがインロー、今成が左ミドルを返す。ビビアーノはそれを取ってテイクダウン、イノキ・アリ状態から今成の足を掴んでローを蹴る。ブレイク後、今成の左ミドルにビビアーノが右ストレート! 今成はその場にしゃがんで、ビビアーノを寝技に誘うがビビアーノはそれに乗らない。

 試合がスタンドに戻ると互いに間合いを測る神経戦が続き、レフェリーから口頭注意が与えられる。ビビアーノが左フックから右ミドル。今成が右フックで前に出ると、ビビアーノがタックルでテイクダウンを奪う。しかしここでもビビアーノはすぐに立ち上がり、今成は寝技に引き込めない。そして今成にはイエローカードが提示される。

 ブレイク後、今成がビビアーノを下がらせて右の飛びヒザ蹴り! ここから足関節を狙うが、ビビアーノはそれをしっかりと潰す。

 そしてサイドポジションで今成を押さえ込みながら、顔とボディにヒザ蹴りを打つ。1Rはビビアーノが今成を押さえ込んだ状態で終了となった。

 2R、ここも1Rと同じように間合いを測る展開が続く。すると今成はいきなりその場に体育座り! 引き込んで寝技に持ち込もうとするが、ビビアーノはそれに付き合わない。左アウトローで攻めるビビアーノ。今成はガードを下げてサイドキック、左ストレートを打つ。ビビアーノは今成が前に出てくるところにタックル、テイクダウンを奪うと今成の関節技が届かない場所からパンチを落とす。

 しかし今成がビビアーノの足を取って、この試合で初めての足関節! 回転して逃げるビビアーノの顔面を蹴るが、ビビアーノは立ち上がる。するとここでビビアーノにイエローカードが提示され、場内からはブーイングが起こる。

 タックルでテイクダウンを奪うビビアーノに今成は蹴り上げ。左ストレートで前に出る今成。ビビアーノがテイクダウンを奪ったところで試合終了となった。

 判定は3−0でビビアーノ。今成の寝技に付き合わなかったビビアーノが今成を下した。


▼第7試合 DREAMフェザー級GP二回戦 1R10分、2R5分
高谷裕之(高谷軍団)
TKO 1R 9分40秒
前田吉朗(パンクラス稲垣組/元フェザー級キング・オブ・パンクラシスト)

 試合前から舌戦を繰り広げ、危険な雰囲気を醸しだしていた高谷と前田。互いに打撃を得意とし、相手を叩き潰さんばかりのファイトスタイルの持ち主であり、激闘は必至だ! 試合前、レフェリーにリング中央に呼ばれた両者はジッとにらみ合い、軽く拳を合わせた。

 1R、サウスポーの前田は右のアウトロー、左ストレートを打つ。高谷はそこに右ローを返す。前田は高谷の右ミドルに右フックを合わせて、そのままテイクダウン。イノキ・アリ状態からパンチを落としつつ、ハーフガードで上になる。

 高谷は脇を差して立ち上がるが、そこに前田はヒザ蹴りを突き上げる。

 試合がスタンドに戻ると、前田は左ハイキック。高谷がインローを蹴ると、そこに前田が左ストレートを合わせる。前田の右フックに高谷が右ストレートから左フック! 

 高谷の右ストレートが前田の顔面を捉える。前田は左ハイキックを蹴って、すぐにタックル。高谷をコーナーまで押し込む。

 前田は高谷の足を自分の足ですくって、それを抱えるようにしてテイクダウンを奪う。前田は中腰からパンチを落としつつハーフガードへ。高谷も足を効かせてガードポジションに戻すが、前田はパウンドで飛び込んで、高谷をしっかりと押さえ込む。高谷はコーナーを背にして立ち上がろうとするが、前田は体育座りのようになった高谷にヒザ蹴りを突き刺す!

 スタンドの展開になると高谷が強烈な左フック! 前田も左ストレートを返すが、高谷が左フックを連打。前田は高谷の頭を抱えて首相撲からのヒザ蹴り! 

 高谷をロープまで押し込むとサバ折りでテイクダウン、前田が一気にマウントポジションを奪う。ここで高谷が左目尻をカットし、ドクターチェックが入る。

 再開後、前田はしっかりとバランスをキープしながら高谷の傷口を狙ってパンチを落とす。高谷は足を入れてガードポジションに戻すが、前田は足をすぐに抜いてハーフガードで上になる。パスガードを狙いつつ、イノキ・アリ状態から前田が強烈なパウンド! 高谷も必死にガードポジションから立ち上がろうとするが、前田のポジションキープは強い。

 残り1分、試合がブレイクになると、高谷は右ストレートで前進! 前田も左ストレートで前に出る。しかしそこに高谷の右フックがクリーンヒット! これで後方に吹っ飛ぶ前田! 高谷が追撃のパンチを落としたところでレフェリーが試合をストップ。高谷が逆転KO勝利を収めた。

 試合後、高谷は「みなさん今日はありがとうございました。フェザー級GP唯一の日本人対決は楽しんでもらえましたでしょうか? 前田選手とは色々とあったんですけど、すごい強くて、危なかったです。また9月も見に来て下さい」とマイクアピール。そして高谷と前田は、試合が終わった後はノーサイドとばかりにガッチリと握手をかわした。



▼第6試合 DREAMフェザー級GP二回戦 1R10分、2R5分
所 英男(チームZST)
一本 2R 1分38秒 ※チョークスリーパー
エイブル・カラム(アメリカ/Cullum Ground Fighting)

 DJ.taikiの負傷欠場により2回戦進出を決めた所は、試合前の煽りVTRではラストチャンスと紹介される。所は頭を丸坊主にして決意のリングイン。対するカラムはトレードマークのテンガロンハットをかぶり、時折、笑顔を浮かべながらリングに上がる。リング下では所の親友でもあるバナナマンの日村勇紀が試合を見つめる。

 1R、インローを蹴るカラム。所は右ミドルで距離を取るが、カラムはそこに右ストレートで飛び込む。しかし所も左フック、右ロー。右ストレートのカウンターをカラムの顔面に叩き込む。

 一度はテイクダウンを許す所だが、すぐに立ち上がると右ストレートを打つ。ワンツーで前に出るカラム。しかし所がカウンターの左のテンカオ! これでカラムが思わずタックルに入る。所はそれを切りつつ三角絞め! これがガッチリと入るが、カラムは頭を上げてそれをディフェンス。所も必死の形相で三角絞めをかけつづける!

 かなり長時間この体勢が続いたが、カラムは所の身体を横に降るようにして上のポジションを取る。そして亀になる所にカラムがヒザ蹴り! 

 ガードを固める所だったが、すぐにカラムの脇を潜るようにして上のポジションを取り返す。カラムはすぐに身体を反転させてタックル。所は腹固めのようにして亀の上体をキープするが、カラムも必死に身体を正対してグラウンドで上を取る。

 インサイドからボディと顔面にパンチを打つカラム。所はカラムの身体を蹴り離して立ち上がる。試合がスタンドに戻ると所が左ミドル。カラムも右ストレートから前に出る。カラムのローに右ストレートを合わせる所。カラムは左ボディから左フック! 

 カラムがタックルで所をロープまで押し込んでテイクダウンを奪う。所はガードポジションからオモプラッタでスイープ。所がインサイドガードからパンチを落とすと、カラムが足関節。

 所はカラムの身体を押しつぶして顔面踏み付けとパウンド! カラムはしつこく足関節を狙うが、所は上のポジションをキープする。カラムは下からすぐに片足タックル。所の身体を持ち上げようとするが、所もテイクダウンを許さない。しかしカラムは所の身体を高々と持ち上げてテイクダウンを奪うことに成功する。

 所は亀になりながら身体を起こし、上のポジションを取ると一気にパウンド! さらに所はイノキ・アリ状態からカラムの顔面にニードロップ! バランスを崩してガードポジションで下になるが、すぐにカラムの顔面を下から蹴り上げる。カラムは所のニードロップで左目尻をカット、インターバル中に止血を施す。

 2R、所が右ストレート、左ミドル! カラムはその左ミドルを取ってテイクダウンを狙うが、所はそこにアームロックのカウンターを合わせつつ、グラウンドで上を取る。

 何とかタックルに切り返すカラムだったが、身体を伸ばしてしまい動きに力がない。逆に所はそのタックルを切りながら、カラムの後ろに回りこみ、チョークスリーパー! これがガッチリと極まってカラムがタップ! 所が復活の狼煙を上げる一本勝ちを収めた!

「まずトーナメント負けているんですけど、DJさん、本当にすいません。今日も心が折れそうになったんですけど……ファンの声援のおかげと、練習に付き合ってくれるみんなのおかげです。ありがとうございます。これでベスト4に残ったんですけど、次も捨て身で精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします!」と声を震わせながら喜びを語った。



▼第5試合 ライト級ワンマッチ 1R10分、2R5分
川尻達也(T-BLOOD/DREAMライト級GPベスト4)
判定3−0 
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/HERO’Sミドル級トーナメント2006&2007優勝)

 約1年ぶりの復帰線となったカルバンはアメリカントップチームのフラッグを手に持って、入場曲に合わせてノリノリでダンスを披露。ファンを煽りに煽ってリングに上がった。川尻は大歓声に迎え入れられての入場。被っていたフードを外して会場をグルリと見渡すと、その歓声がより一層大きくなった。

 1R、ジャブを突くカルバンに川尻は右ロー。カルバンは川尻のインローを受けて右ストレートから飛び込む。さらに川尻の右の蹴りにカルバンが強烈な右ストレート! 

 川尻はタックルで組み付いてテイクダウンを狙うが、そこにカルバンがギロチンチョーク! 身体を起こしてそれに耐える川尻だが、カルバンはヒザ蹴りを打ちながら、再び川尻の首を絞め上げる。

 しかし川尻は何とか頭を抜いて、そこから脱出。川尻がハーフガードで上になる。カルバンは足を使ってガードポジションに戻すと、川尻はインサイドガードからコツコツとパンチを落とす。カルバンは川尻の身体を蹴り離して立ち上がろうとするが、川尻は上のポジションをキープ。

 カルバンの上体をガッチリと固めてパスガードに成功する。しかしカルバンもすぐに足を入れてガードポジションへ。川尻の頭を抱えてパウンドを阻止するカルバン。川尻の足に片足タックルのようにしがみつき、立ち上がることに成功するが、川尻もしつこくカルバンの身体にしがみついて、カルバンをマットに寝かせる。カルバンのラバーガードを外して川尻は鉄槌。しかしカルバンはガードポジションでブレイクを待つ。

 ブレイク後、左フックから飛び込む川尻にカルバンも左フック。川尻も右フック、ジャブから右ミドル。カルバンの右ローに川尻が右のパンチを返す。そして今度はカルバンがジャブから両足タックル。このまま四つ組みの攻防となり、川尻がカルバンをロープに押し込む。ボディにヒザ蹴りを打ちながらテイクダウンを狙う川尻。しかしカルバンは倒れない。

 ブレイク後、カルバンが顔とボディにジャブを打ち分ける。川尻はワンツーで前に出て、右ストレートから左フック! 川尻はジャブを伸ばすカルバンに右アッパーを合わせる。川尻はこの右アッパーでカルバンを下がらせる。

 そして川尻が両足タックルでカルバンをテイクダウン。最後は川尻がインサイドガードからパンチを落としたところでラウンド終了となった。

 2R、じりじりと前に出るカルバン。カルバンが右ストレートを打つと、川尻はそれを空振りさせてすぐに右ストレートを返す。そして川尻はすかさず両足タックル! カルバンもフロントチョークを狙うが極まりは浅い。川尻は頭を抜くとハーフガードで上になり、コツコツとパンチを落とす。カルバンは足を抜こうとした川尻の動きに合わせて立ち上がる。

 ここからコーナー際で四つ組みの攻防となり、レフェリーはブレイクを命じる。

 インローを蹴る川尻にカルバンは右ストレート。しかし川尻も右ストレートから前に出てカルバンを下がらせる。そしてカルバンがコーナーを背負ったところで川尻がテイクダウン。川尻はカルバンの両足をまたいでマウントポジションを奪う! 残り1分、カルバンも必死に足を入れてポジションを返そうとするが、川尻のポジションは返らない。サイドポジションでガッチリとカルバンを押さえ込み続ける川尻。

 最後はこの体勢で試合終了のゴングを聞いた。判定は打撃、レスリング、寝技の全局面でカルバンを圧倒した川尻! 接戦が予想された一戦だが、川尻の圧勝に終わった。

 試合後、川尻は「カルバン選手は本当に強くて、泥臭くても勝ちたいと思って必死にやりました。何か中途半端な試合になって…すいません。でもみんなの応援があって勝ちました。DREAM最高! これでDynamite!!でライト級タイトルマッチをやらせてもらえるかなと思います」と、大晦日のタイトルマッチを宣言。

 さらに「その前に、今日はK-1からお客さんが来てるみたいなんで。こういう時代だからこそ2人で格闘技を盛り上げませんか? 魔裟斗選手。僕にもガッツン、ガッツン、面白い打ち合いが出来るんでよろしくお願いします」と魔裟斗の対戦を大勢のファンにアピールした。

 果たして魔裟斗VS川尻の一戦は実現するか?




▼第4試合 スーパーハルクトーナメント1回戦
ゲガール・ムサシ(オランダ/team Mousasi/Red Devil International/初代ミドル級王者)
一本 1R 1分19秒 ※アームバー
マーク・ハント(ニュージーランド/オシアナスーパーファイタージム)

 DREAM初代ウェルター級王者のムサシが階級をアップして、スーパーハルクトーナメントに電撃参戦。かつてK-1GPを制したハントに挑む。昨年の大晦日には武蔵をK-1ルールで破っており、打撃だけでもK-1ファイターに通用するところを見せたムサシ。スーパーヘビー級のハントにその打撃は通用するのか?

 1R、互いに間合いを計る展開が続く中、ハントのジャブにムサシが右ストレート! そのまま前に出てハントからテイクダウンを奪う。サイドポジションを取ったムサシはパンチを落としつつ、ストレートアームバー! 

 これがガッチリと極まり、ハントがタップ! 何とムサシがハントを右ストレートでふっ飛ばし、最後はアームバーでタップを奪うという完勝劇となった

 試合後、ムサシは「こんばんは。今日は会場に足を運んでいただき、そして応援ありがとう! 残念ながらミドル級のタイトルは防衛できなくなってしまいました。今はもう体重が94kgあって、83kgまで落とすことが不可能になったからです。でもこれからライトヘビー、ヘビーと僕の挑戦は続きます。そこでいい試合をしていくので、楽しみにしてください!」と今後の飛躍を誓った。


▼第3試合 スーパーハルクトーナメント1回戦
ソクジュ(カメルーン/チーム・クエスト)
KO 1R 2分29秒
ヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤ(南アフリカ/スティーブズ・ジム)

 PRIDEでのヒカルド・アローナ戦以来、約2年ぶりにソクジュが日本登場! UFCでは結果を残すことが出来なかったが、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ、アローナをKOした打撃は天下一品。大巨人ノルキヤを倒し、健在ぶりを日本のファンにアピールすることができるか?

 1R、サウスポーのノルキヤは左ロー。ソクジュはそこに合わせて組み付いてテイクダウンを狙う。完全に両差しを取ったソクジュは足をかけてテイクダウンを狙うが、ノルキヤは必死にそれをディフェンスする。

 ブレイク後、ソクジュは前蹴りと右フック。強烈なインローでノルキヤのバランスを崩す。そしてソクジュはノルキヤの身体をロープに詰めてテイクダウン。

 グラウンドで上を取ったソクジュはノルキヤの顔面にパウンドを連打! ノルキヤの動きが止まったところでレフェリーが試合をストップ。ソクジュが豪快なTKO勝利を呼び込んだ。

 しかしレフェリーが間に入っているにも関わらず、パンチを続けたソクジュにノルキヤ陣営が激怒! セコンドがリング内になだれ込み、一時、リング上は騒然となった。

 なおレフェリーの制止を無視したとして、試合後、ソクジュにはイエローカードが提示された。



▼第2試合 スーパーハルクトーナメント1回戦
チェ・ホンマン(韓国/フリー)
KO 1R 1分17秒
ホセ・カンセコ(キューバ)

 元メジャーリーガーの格闘技挑戦として大きな話題を集めたカンセコ。入場ゲートには美人マネージャーを引き連れ、バットを持ってリングに向かう。続いて対戦相手のホンマンが入場。カンセコも188cmという大柄なのだが、218cmのホンマンと対峙すると頭1つ分は小さい。

 1R、いきなりカンセコが右フック! 思い切りのいい攻撃に場内がどよめく。ホンマンは落ち着いて距離を取ると、前蹴りや左フック。カンセコは再び右フックで前に出るが、そこにホンマンはヒザ蹴り、さらに強烈な左のジャブ! 

 これでカンセコが思わず背を向けてしまう。カンセコは足を使いながら、距離を取って右ロー。しかしカンセコはこれで自らバランスを崩してしまい、ホンマンはすぐにグラウンドで上を取ってパウンドを連打! 

 ガードを固めて防戦一方となったカンセコを見て、レフェリーが試合をストップ。元メジャーリーガーの格闘技挑戦はTKO負けという結果に終わった。


▼第1試合 スーパーハルクトーナメント1回戦
ミノワマン(フリー)
一本 1R 1分15秒 ※アキレス腱固め
ボブ・サップ(アメリカ/チーム・ビースト)

 世界超人選手権と銘打たれたスーパーハルクトーナメントはサップVSミノワマンの一戦からスタートだ! 両者の名前がコールされると大きく沸き上がる場内。サップがお馴染みのパフォーマンスで入場ステージに現れると観客席からはどよめきが起こった。続いてミノワマンが花道をゆっくりと歩いてリングに上がると、第1試合から盛り上がりは最高潮に達した。

 1R、いきなり右ストレートから突進するミノワマン。そのまま片足タックルでテイクダウンを試みるが、サップはそれを押しつぶす。

 ハーフガードで下になるミノワマンに対して、サップはアームロックを狙いながらマウントポジションへ。しかしミノワマンは背中を見せながら、すぐに身体を反転させてインサイドガードで上になる。ここからミノワマンはパンチを落としつつ、アキレス腱固め! これがガッチリと極まってサップがタップ! ミノワマンが野獣退治に成功した!

 試合後、ミノワマンはリング上から四方に向かって拳を突き上げた。


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