▲伏兵の小山恭弘(横浜鶴見支部・右)が二度目の全日本大会出場で初優勝。決勝戦でベテラン・古谷知也を追い込む。
11月8日(日)東京・後楽園ホールにて、日本テコンドー協会(JTA)主催『第20回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦』が開催された。
上段・中段への蹴り(ローキックは禁止)と中段への突き(ただしアゴと額に限定した、蹴り技を生かすための突きや牽制のための突きは禁止されない)を用いての一本勝ちや技あり、または時間内にダウンがなければ判定によって勝敗が決せられる今大会。
→前回大会覇者の鈴木雅博(右)は一回戦で敗退
これまでに7度の無差別級トーナメントが行われており、『K-1 WORLD MAX』などで活躍する尾崎圭司(2002&2003年王者)、キック8戦8勝無敗のままJ-NETWORKの新人王に輝いた坂本洸巳といったプロ選手を輩出している大会として有名である。
今回、男子無差別級には17名、女子無差別級には4名がエントリー。計19試合が行われた。
→決勝戦、得意技のカカト落としで攻める小山
いきなり一回戦で波乱が起こる。前回大会覇者の鈴木雅博(神奈川大湘南校体育会)が敗れたのだ。鈴木は大学卒業後、K-1ライト級出場を目指すために今大会がアマチュア最後となるはずだったが、初戦で当たった182cm、110kgの巨漢・超哲来の重い蹴りと突きの前に押されてしまう(鈴木は167cm、66kg)。二連覇の期待がかかった鈴木はここで姿を消すこととなった。
熱戦が続く中、決勝戦に勝ち上がったのは全日本大会入賞常連のベテラン・古谷知也(高知支部)と伏兵の小山恭弘(横浜鶴見支部)。
→23歳の小山が手数で押し切る
順当に勝ち進んだ古谷に対し、二回戦でJTA期待のテクニシャン・八幡直明(神奈川大横浜校体育会)を延長の末に破った小山。古谷が上段後ろ回し蹴りを多用すると、小山は接近戦を仕掛けパンチ連打から後ろ回し蹴り、かかと落としを連発する。荒削りではあるが、スタミナで上回る23歳の小山が終始手数を出し続け判定勝ち。2度目の全日本大会出場で初優勝を果たした。
女子無差別級では、昨年度チャンピオンの高橋三恵(東京港支部)と、東京大会女性部2位・江川沙織(横浜鶴見支部)が決勝戦で激突。
→女子初となるKO勝利を決めた高橋三恵(右)
高橋は、一回戦で女子初となるKO勝利を収めており、決勝でもその強さを発揮。江川の応戦に本戦では決着が付かなかったが、延長戦で勝利し二連覇を達成した。
大会総括を行った河明生JTA会長・宗師範は「優勝候補の鈴木雅博が1回戦で負け、伏兵・小山恭弘が勢いに乗って優勝した大会でしたが、どの試合も圧勝がなく僅差の闘いだったと思います。尾崎圭司、齋藤健以来二連覇の選手がいないので、本当の実力者は二〜三連覇するものですから、小山には驕らず高ぶらず頑張っていただきたい。女子に関しては高橋三恵が安定した実力を発揮しました。女子初のKO勝ちを飾りましたし、華麗な蹴りでの優勝でしたね。
新人の台頭が目立った大会でした。特に新人賞に輝いた川崎一輝は準決勝で小山を相手に惜しかったですね。90kgの身体から繰り出す後ろ横蹴りはプロでも通用すると思います。今後の精進を期待したい」とコメントしている。
なお、開会式ではグラビアアイドルでJTAの道場に通う愛川ゆず季が、かかと落としと横蹴りの連続段差攻撃の板割りを披露、見事に成功した。
※愛川ゆず季試割り式の詳細はこちら→
日本テコンドー協会(JTA)
「第20回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦」
2009年11月8日(日)東京・後楽園ホール
開場16:20 開始16:30
RESULT
▼組手無差別級トーナメント
優 勝 小山恭弘(横浜鶴見支部)
準優勝 古谷知也(高知支部)
3 位 川崎一輝(神奈川大横浜校体育会)
4 位 井上鉄朗(千葉船橋支部)
▼女性組手無差別級トーナメント
優 勝 高橋三恵(東京港支部)
準優勝 江川沙織(横浜鶴見支部)
▼蹴武の型トーナメント
優 勝 野村修一(岡山備前支部)
準優勝 高崎健太(東京江東支部)
3 位 植田博和(東京江東支部)
4 伊 廣川禎教(長崎佐世保支部)
▼新人賞
川崎一輝(神奈川大横浜校体育会)
▼GBR賞
小山恭弘(横浜鶴見支部)
▼最優秀選手賞
小山恭弘(横浜鶴見支部)
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