M-1MC
「M-1 FAIRTEX ムエタイチャレンジ『RAORAK MUAY vol,1』」
2011年4月10日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:00
▼トリプルメインイベント第3試合(第12試合) WPMF日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R
○森井洋介(藤原/暫定王者)
TKO 5R2分2秒 ※ヒジによるカット→ドクターストップ
●長嶋大樹(ONE’GOAL/同級1位)
※森井が初代王座に就く&初防衛に成功。
両者は昨年12月1日に開催された『藤原祭り』で同タイトルの王座決定戦を行う予定だったが、長嶋が怪我で欠場。森井は同級3位の玲央と暫定王座決定戦を争い、“ミサイル・パンチャー”ぶりを発揮して初回KO勝ちで王座に就いた。
森井には長嶋との初防衛戦が義務付けられ、今回勝った者が正規王者となる(森井が勝った場合は同時に初防衛に成功となる)。森井のセコンドには同郷の先輩でもある小林聡が就いた。
1R、森井が右ローで先制し、さっそくパンチで攻めていく。ロー&ミドルから右フックにつなげる森井に長嶋は右ローの集中打で応戦。まったくローをカットせず、パンチを叩きつけていく森井に長嶋は首相撲からのヒザ。
森井はボディから左右フック、長嶋はローの集中打。長嶋が入ってくるところに森井の縦ヒジがカウンターで決まり、長嶋がダウン!
一気にラッシュをかける森井に長嶋はヒジを連打! 長嶋はしつこく組みにいってヒジ、森井は左右フック。1R終了のゴングが鳴る寸前に眉間のあたりから流血した長嶋にドクターチェックが入る。1Rからの大乱戦に場内は沸く。オープンスコアはジャッジ2名が10−8、もう1名は10−7と森井が大差のリード。
2R、左右の強打を叩きつける森井に長嶋はヒジを連発! 長嶋のローをもらっても、お構い無しにフックとアッパーを繰り出し、森井もヒジを放つ。森井の左ボディ、右ヒジ。長嶋は眉間のあたりから大流血する。ここで長嶋が思い切ってパンチで打ち合いに行くと、右フックで森井がグラつく。森井も負けじとボディを叩く。
大乱戦に沸く場内の歓声で、ラウンド終了のゴングが聞こえないほどだ。ジャッジ2名が10−10、1名が10−9で森井を支持した。
3R、右ローを蹴り続ける長嶋に森井も右ローを返す。森井が左ボディを連発すれば長嶋が左フックを返してローを連打、森井もローを返してヒジ。森井の左フックをもらっても前に出てパンチから右ローを蹴る長嶋! 森井の右ヒジがヒットしたところで長嶋に2度目のドクターチェックが入る。
再開後、ジャブを多用する森井に長嶋は右ローの集中砲火。森井は足を上げながらヒジを叩きつける。かなり足のダメージを感じさせる森井に、長嶋のアッパーが炸裂する! このラウンドのオープンスコアはジャッジ三者とも10−10のイーブン。
4R、森井は長嶋のローをバックステップでかわしての右ハイキック。しかし、長嶋は右ローを蹴り続け、右アッパーを突き上げる。森井も強烈な右ローと左右フック! かなり疲れが見える両者だが、長嶋はローを蹴り続けてフックも放つ。
森井はローをもらう場面が多いが、強い一発を返していく。森井の左目下が切り裂かれ、顔も腫れ上がる(あとにバッティングのためと判明)。このラウンドは1人が10-10、他の2名が森井と長嶋にそれぞれ10-9をつける三者三様のジャッジとなった。
5R、藤原敏男会長の檄を受けてコーナーを飛び出した森井は、いきなり顔面前蹴りを突き刺し、左右のフックを叩きつけての右ロー。長嶋も負けじとパンチを返して右ロー。森井のジャブに長嶋が仰け反るが、すぐに右ローを返す。ヒジとパンチで前に出る長嶋! パンチを繰り出す森井に組み付いてヒザ。
残り時間1分でまたも森井の縦ヒジをもらった長嶋に3度目のドクターチェック。場内からは長嶋コールが沸き起こるが、ドクターは首を横に振る。その場に崩れ落ちる長嶋! 森井が大激闘を制し、正規チャンピオンの座に就いた。
森井はマイクを持つと「戦った長嶋選手に大きな拍手を! やっとこれで胸を張ってフェザー級チャンピオンと言えるようになったので、これからはもっと世界で強い選手と戦っていきたい」と言うと、「でもその前に、フェザー級で俺が日本で一番だと思っているけれど、他にも一番だと言っている日本人がいるのでそいつと戦ってから世界に行こうと思っている。梅野選手、今日はいないですか? 俺も絶対に負けないので、やるとしたら面白い試合になるけれど最終的に俺が勝つのでぜひ組んで下さい」と、REBELSのエースでM-1フェザー級チャンピオンの梅野源治に挑戦状を叩きつけた。
さらに森井は「あとは大地震と原発問題で日本に元気がないので、これから元気が出るような勇気のある試合をやっていきます」とメッセージも送った。
当初は12月にタイトルマッチを行う予定だったが長嶋の負傷で暫定王座決定戦となり、今回の試合も当初は3月13日に行われる予定だったが東日本大震災の影響で延期となったため「タイトルマッチに縁がないのかと思った」という森井。梅野戦については「彼は日本人に相手はいないって言ってるけれど、俺がいる。ダブルタイトルマッチでもワンマッチでもいい。組まれたらいつでもやります。俺とやるまで誰にも負けて欲しくないですね」と、改めて宣戦布告した。
▼トリプルメインイベント第2試合(第11試合) WPMF日本スーパーバンタム級王座決定戦 3分5R
○清水雄介(尚武会/同級1位、元J-NETWORKバンタム級王者)
判定3−0 ※50−46、50−46、50−45
●梅原タカユキ(TARGET/同級2位)
※清水が第2代王座に就く。
昨年12月19日の『REBELS.5』からスタートしたWPMF日本スーパーバンタム級王座決定トーナメントが、いよいよ決勝戦を迎える。
決勝戦を争うのはキム・ギフンと裕・センチャイジムを破った梅原、そして準決勝からのシード出場で炎出丸を破った清水。梅野源治と初代同級王座決定戦を争った裕を下した梅原に勢いがあるが、清水は14勝1敗2分という驚異的な勝率を誇る19歳。ベルトはどちらの手に渡るか?
1R、両者共に軽快なステップを踏みながらローを蹴る。手足の長さで優る清水は前蹴りと右ロー、梅原も右ローを蹴るが清水の前蹴りに突き放される。終盤には清水のロングリーチを活かした右ストレートがヒット。さらに前蹴りとボディへのパンチも突き刺す。オープンスコアはジャッジ三者とも10−9で清水。
2R、圧力を強める清水はアッパー、ジャブ、右ストレートとリーチを活かしたパンチを繰り出し、前蹴りもタイミングよく放つ。梅原のローに合わせた左フック、右フックからの左ボディフック、そして右ローと清水の攻撃が目立つ。梅原の右ローに右ストレートを合わせ、転倒させる場面も。梅原は打ち合いに持っていくが、逆に清水の左フックをもらう。前蹴りで梅原が吹っ飛ぶ! このラウンドもジャッジ三者は10−9で清水を支持。
3R、梅原が右ローを連打していくと、清水は右ストレートを突き刺し、首相撲からのヒザ蹴り。清水の右ローで梅原の身体が大きく揺らぐ。左ジャブから右ロー、ワンツーから右ローと強烈な右ローを叩きつけ、パンチの打ち合いでもロングリーチを活かしたストレート系パンチで圧倒する清水。梅原も右の蹴りとパンチで応戦するが、清水の一発の強さがその印象を掻き消す。ジャッジ2名が10−10、1名が10−9で清水につけた。
4R、細かい連打からハイキック、ボディへのパンチと強い一発を放つ清水。組んでのヒザ蹴りに梅原は左右フックで対抗する。清水の左右ストレートに後退させられ、蹴り足をつかまれて転倒する梅原。
右ローはもらうが、その倍ほどの攻撃を返す清水。鋭いワンツーの連打とよく伸びる蹴りで梅原は近づくことが出来ない。ジャッジは三者共に10−9で清水。
5R、逆転を狙って前に出る梅原は右ローと左右のフック。清水はそれをかわして右ストレートとヒジ。長い手足で梅原を近づけさせず、逆に攻撃を当てていく。左右フックで突っ込む梅原だが、すぐに清水が強打を返して相殺する。
最後は清水がジャブと左ミドル、前蹴りで梅原を突き放し、優勢を保って試合を終えた。左ジャブをもらい続けた梅原の右顔面は大きく腫れ上がり、完全に目を塞いでいた。
判定は大差で清水が勝利。J-NETWORKバンタム級王座に続く、二階級制覇に成功した。
▼トリプルメインイベント第1試合(第10試合) WPMF日本バンタム級王座決定戦 3分5R
○一戸総太(ウィラサクレック・フェアテックス/同級3位)
KO 1R2分44秒 ※左フック
●野呂裕貴(エス/元NKBバンタム級王者)
※一戸が初代王座に就く。
WPMF日本バンタム級王座決定戦は、元NKBバンタム級王者の野呂と同級3位の一戸によって争われる。野呂は無敗のままNKB王者にまで駆け上がり、昨年7月にはKO勝ちで初防衛に成功。2009年12月にはタイ遠征でKO勝利を飾っている選手だ。一戸は攻撃力があり、昨年1月にはウエンツ☆修一を破っているファイタータイプ。好試合が期待される。
1R、サウスポーの野呂は典型的なムエタイスタイル。両者ともどっしりと構えて相手の出方を見るが、一戸の方が仕掛ける場面が多い。前足にローを集中させ、右ハイキックを放った一戸は飛び込み様の左フック! 鋭角的に決まったこの一撃で野呂はバッタリと倒れ、起き上がることが出来ず一戸がチャンピオンベルトを巻いた。
青森県出身の一戸はマイクを持つと、「ありがとうございます。青森から来てくれた人たちにいいところを見せられたので……地震の影響で来られなくなった友だちもいましたが、地元の人たちに獲ったことを報告できるのが嬉しい。これで地元に勇気を与えられたらなと思います」と、故郷愛溢れるコメントを残した。
★第9試合〜第5試合(日本vsタイ5対5対抗戦)、第4試合〜第1試合の結果はこちら
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