▲フィニッシュとなった梅野(右)の豪快なヒジ打ち!このテンプルへの一発でウティデートを完全KOした
M-1MC
「M-1 FAIRTEX ムエタイチャレンジ『RAORAK MUAY vol.3』」
2011年9月11日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:00
▼ダブルメインイベント2(第13試合) 『Top of Feather Vol.2』フェザー級 WPMF日本ルール 3分5R
○梅野源治(PHOENIX/M-1同級、WPMF日本スーパーバンタム級、WBC日本スーパーバンタム級王者)
KO 4R2分23秒 ※右ヒジ打ち
●ウティデート・ルークプラパート(タイ/ルンピニースタジアム認定同級3位、2008年ムエタイMVP)
7・18『REBELS』で、ムエタイ2大殿堂のひとつラジャダムナンスタジアムの現役ランカーにKO勝利した梅野が、「次は(もうひとつの殿堂)ルンピニースタジアムのランカーに挑戦したい」とM-1MCに直訴。
そこでルンピニースタジアムのフェザー級ランカー6名が候補にあがった中、最も上位である3位のウティデートを指名した。
対するウティデートはムエタイファンなら誰もが知る強豪中の強豪。2008年度には“ムエタイの神”センチャイを退き、MVPにも輝いている選手である。今回が3度目の来日。
1R、前蹴りとローの蹴り合いから、梅野はジャブを出しながら強い左ローを蹴っていく。ウティデートの前蹴りには右フック、ボディストレートを合わせる。梅野のパンチをもらうとすぐに前蹴りと右ローを返すウティデート。
ウティデートは前蹴りで梅野をなかなか近寄らせないが、梅野は組んでのヒザ蹴りに行く。それを突き放したウティデートが右ミドル、さらに梅野の蹴りをキャッチしての右ミドル。場内のタイ人応援団から大歓声が沸き起こる。
2R、梅野が右ストレートから左ロー、ウティデートは前蹴りから右ストレート。梅野はすぐに強烈な左ローを返す。左ローを狙い撃ちする梅野だが、ウティデートはその蹴り足をキャッチしてのパンチで前へ出る。梅野も右ヒジの直撃弾で反撃! そして左ロー。
ウティデートもローからパンチ、梅野はヒジ。ウティデートが右ミドルとパンチで前へ出て、白熱した展開となる。今度は場内から「源治」コールが沸き起こった。
3R、ウティデートは前蹴りを多用して梅野を近付けさせず、ローを蹴っていく。しかし、梅野は構わず左ローを蹴り、ウティデートはそれをキャッチしてヒジ! 前蹴りとジャブで圧力を強めていくウティデート。梅野のヒジにウティデートが右ストレート。
パンチで前に出るウティデートに梅野はヒジ、ウティデートもヒジを返す。前蹴りとジャブで突き放し、蹴り足をキャッチしてのパンチと高度なテクニックを見せるウティデート。梅野が組むとヒザ蹴りから離れ際に右フック! ウティデートの右フックと梅野のヒジの応酬! 梅野の蹴り足をキャッチして右ストレートを叩き込むウティデート! 梅野が尻餅をつくが、これはスリップと判断された。
スリリングなシーソーゲームに場内が大いに盛り上がる中、運命の第4Rのゴングが鳴った。左ローを連発してワンツーからヒジを見舞う梅野。さらにカウンターのテンカオ(つかまないで前に突き刺すヒザ蹴り)。
ウティデートは右フックから組んでのヒザ、梅野は左ロー。前蹴りを連発して梅野を突き放し、ワンツーで攻め入るウティデート。そして組んでの激しいヒザの応酬!
梅野がウティデートの前蹴りをかわしての右ヒジ! ウティデートはそれでも前蹴りを連発してパンチで前へ出る。そこへ梅野が右フック!
左ローから右アッパー、そして左フックを引っ掛けて右ヒジ! この一発でウティデートは後方へ吹っ飛ぶように倒れて大の字に! カウント10が入り、梅野が壮絶なKO勝ち!
場内の歓声が大爆発する中、マイクを持った梅野が「これで目標だったルンピニーのランカーに入れることが確定だと思う。みんなに聞きたいんだけれど、12月に俺と日本人との試合を見たいですか? 俺がタイの強いランカーとやるのを見たい人、拍手して下さい」と問いかけると、割れんばかりの拍手が沸き起こる。
「俺はまだこれから、もっと上を目指してやっていく。これで終わらない」と、梅野はさらに上を目指していくことを宣言。2008年のムエタイMVP選手で誰もが知るタイのトップスター、そして現役フェザー級ランカーからのKO勝利は歴史的な快挙だ。
この勝利により、日本人初となるルンピニースタジアムのフェザー級ランキング入りはほぼ確実(軽量級の層が厚いタイのランキングで、日本人がライト級よりも下の階級にランクインされたことはない)。
500年の歴史を持つムエタイにおいて、前人未到となるタイ人以外のフェザー級チャンピオン誕生も夢ではなくなった。今後の梅野源治に大いに注目が集まる。
▲森井(左)の右ローに元プロボクシング世界王者はあえなくKO負け
▼ダブルメインイベント1(第12試合) 『Top of Feather Vol.2』フェザー級 WPMF日本ルール 3分5R
○森井洋介(藤原/WPMF日本同級王者)
KO 1R2分9秒 ※右ローキック
●ラタナチャイ・ソーウォラピン(タイ/元プロボクシングWBO世界スーパーバンタム級王者)
“ミサイル・パンチャー”の異名を持ち、スピードのある強打を武器とする森井はこれが2度目のタイ人との対決(1勝1分)。前回のスワノーイ戦ではパンチにこだわりすぎてドローとなってしまったが、今回はどうか? 森井は「パンチに付き合わないで、蹴りも使う。パンチも打てたら打ちます」と、蹴りで勝機を見出すと語った。
ラタナチャイは元プロボクシングIBF世界チャンピオンのラタナポンの弟であり、自身も元プロボクシングWBO世界スーパーバンタム級チャンピオン。日本ではソースネクストのパソコンソフト「特打、驚速」のCM出演で一躍有名になったタイ人でもある。
1R、森井が右ローで先制し、独特のフットワークから左フック。サウスポーのラタナチャイはロープを背負い、左ミドルを放っていくが、森井の左右フックを浴びる。
森井が左右のローから左右のフック、右ハイキックをヒットさせ、すぐに右ローを放つとラタナチャイは力なくダウン! そのまま立ち上がれず、森井のKO勝ちとなった。拍子抜けした森井は両手を広げて肩をすくめる。
森井は「前回しょぼい試合をしてしまったので、今日は倒すつもりで来たんですが、もうちょいやる相手かなと思ったんですけれど……まあ、KO出来て良かったです。12月(の梅野戦)までまだ時間があるのでもう1〜2試合やって臨みたいと思います」と挨拶した。
★第11試合(長嶋大樹vsシティーチャイ)から第1試合はこちら
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