藤原敏男スポーツジム
「がんばろうニッポン!『2011藤原祭〜冬の陣〜』」
2011年12月22日(木)東京・後楽園ホール
開場16:30 開始17:15
▼メインイベント第3試合(第10試合) 『Top of Feather Final』 58.5kg契約 WPMF日本ルール 3分5R
○梅野源治(PHOENIX/ルンピニースタジアム認定フェザー級9位、前WPMF日本スーパーバンタム級王者、M-1フェザー級王者)
判定3-0 ※三者とも50-45
●森井洋介(藤原ジム/WPMF日本フェザー級王者)
梅野と森井がついに決戦の時を迎えた。今年6月から『Top of Feather』と題し、森井と梅野が今まで戦った相手を入れ替えたり、新たな相手を迎え交互に試合を行ったりし、今日へ辿り着いた。
その間、梅野はムエタイ現役ランカーを2人KO、森井も負けじとムエタイ現役ランカーをKOし、ともに成長と実績を重ねての日本人頂上対決だ。
1R、森井がゴングと同時に飛び込んでの右ロー、梅野もすぐに左ミドルを返す。森井はステップを踏みながら左へ回り込んでの右ロー、梅野はジャブと左ミドルと右前蹴りで距離を取る。
森井のジャブが真っ直ぐに伸びるが、梅野はそこへ左ローと左ミドルを合わせていく。梅野は森井の前進に合わせて左ミドル、左ローを蹴り、森井に前へ来させない。フェイントからの左フック、右ストレート、左ロー、左ミドルと連続攻撃も。
森井も負けじと右ローを蹴るが、梅野はすぐに左ローを返す。森井が左フック、右ストレートを打っていくと、梅野はすぐに体勢を整えて左ロー。
2R、体を左右に振る森井に梅野が左ミドル、右ローには右ヒジ。梅野の左ローがローブローとなるが、森井は構わず前へ向かっていく。そこへ梅野が強烈な左ロー、右ヒジ、右ストレート。梅野が前へ出るところへ森井が左フックを合わせると、梅野はパンチとヒジで前へ出て組んでのヒザ蹴り。
森井の左フックがヒットすると、梅野は前へ出てヒジ。ロープを背負った森井へパンチ連打からの右ストレート直撃でダウンを奪う!
インターバル中、解説席にいた小林聡がリングに駆け上がり、森井に檄を飛ばす。3R、開始と同時に激しいパンチの打ち合いが展開される! 梅野の右ストレートと森井の左フックが交錯。
梅野はここで両手をクルクルと回転させる余裕を見せ、左ミドルをヒットさせて右ストレート。さらに左ミドル、左ハイキック、左ミドル。左ミドルが面白いように決まる。森井は相打ちで左フックを当てるが、梅野はすぐに前へ出て左ミドル。
梅野は右ストレートから組み付くと、ヒザ蹴りから森井をコカす。さらに森井が右ローを蹴ると“もっと蹴って来い”と挑発し、両手を挙げてさらに挑発。
森井が前に出て来るところを左ミドルで止め、またも両手を挙げてアピール。梅野は両手を広げて、笑顔でラウンド終了のゴングを迎えた。
4R、右へ回り込みながら右ローを蹴る森井に梅野が一気にヒジパンチでラッシュを仕掛ける! 左ミドルの連打、ヒジ、組んでから離れ際の右ストレート、右ストレートから左ロー。森井の左フックをかわしての左ミドル。森井が入ってくるたびに左ミドルと左ローで突き放す梅野。強烈な左ミドルが何度も炸裂!
梅野は余裕の笑顔で左ミドルを蹴り続けていく。森井の左フックでバランスを崩した梅野に森井が突っ込んでいくが、やはり梅野は左ミドルで突き放す。
5R、セコンドに就いた小林が「出し切れ!」と檄を飛ばし、コーナーを飛び出した森井だが、梅野は森井のパンチに合わせて左ミドルを蹴り続ける。森井の左フックに左ミドルを合わせ、首相撲に捕まえてのヒザ、ヒジ、離れ際に右ストレート。さらに右フック、ヒザ、ヒジ、またヒジ、右ストレートと一方的に攻め、最後に森井が意地の反撃を見せるが、梅野は笑顔でかわして試合終了。
ジャッジ三者が50-45をつける完勝で、梅野が日本人フェザー級頂上対決を制した。梅野はマイクを持つと「森井君はパンチもローも速くて想像以上に強かったと思う。日本のフェザー級は森井君に任せて、俺はこれからタイでランカークラスとやってチャンピオンを目指してやっていきます。俺と森井君の応援をよろしく」とアピールした。
試合後、梅野は2週間前に風邪をひき、1週間練習することが出来ず、最後の1週間で仕上げてきたと告白。「そのせいかは分からないけれど、今日は身体が重かった。ヒジかローでKOしたかったけれど身体が重かったので左ミドルに切り替えました。あと今回はパンチを練習したのでパンチで倒したかったですね」と試合を振り返る。
今後については「もう日本人とはいいかな。タイの上のレベルのヤツとやりたい。ポンサネーとの試合のオファーも来ているし、ランカーを下から倒していってジョムトーン、パコーン、センチャイ(※いずれも現在のムエタイのトップ選手)とやりたい。来年はルンピニースタジアムからもオファーが来ているし、挑戦の年にしたいです」と、打倒ムエタイに野望を燃やしていた。
▼メインイベント第2試合(第9試合) WPMF日本ウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○T-98(クロスポイント/同級1位/挑戦者)
判定2-0 ※49-48、49-49、50-48
●渡部太基(藤原ジム/王者)
※T-98が第2代王座に就く。渡部は初防衛に失敗。
両者の対戦成績はこれまで1勝1分で、挑戦者のT-98がチャンピオンの渡部に勝ち越している。渡部がリベンジして初防衛に成功するか、それともT-98が相性のいい渡部からベルトを奪うのか?
1R、いきなり右ミドルを蹴ったT-98に渡部もすぐ左ローを返す。サウスポーの渡部にT-98は右ミドルと左フック、渡部はステップを使ってサウスポーのセオリーとは反対の左へ回り込み、左のストレートを打っていく。左ミドル、左ストレート、左ローと放つ渡部にT-98は右ミドルを合わせる。オープンスコアはジャッジ三者とも10-10のイーブン。
2R、渡部は右へ回り込みながら左ミドルを多用し、T-98は追い詰めていって首相撲からのヒザ。しかし、ここで渡部のヒジが鈍い音を立てて炸裂! T-98は流血してドクターチェックが入る。
再開後、渡部はパンチ連打からの左ハイキック、T-98は組んでのヒザ蹴りとヒジ。T-98は左ハイキックで渡部を転倒させると、すぐに組んでのヒザとヒジ。オープンスコアはジャッジ1名が10-10、2名が10-9で渡部が取った。
3R、T-98は右ミドル、渡部は左ミドル。接近するとT-98がヒジを放つが、すぐに渡部も打ち返す。ヒジと左ミドル、ボディからのパンチを出す渡部だが、首相撲からのヒザ蹴りに捕まり、ヒジももらう。渡部のフックにT-98が右ヒジを打ち返す! T-98はしつこく組んでのヒザ蹴りで渡部のスタミナを奪う。
渡部の左ハイにT-98は左のヒジを直撃! オープンスコアは1名が10-10、2名が10-9でT-98が取り戻す。
4R、一気にパンチとローで襲い掛かる渡部だが、T-98は首相撲に捕まえてのヒザ蹴り連打。この首相撲地獄に渡部は完全に捕まり、ヒジをもらってしまう。接近戦でT-98が右ヒジ、さらにしつこく組んでいく。渡部もヒザを打ち返すが、そこへT-98のヒジ。お互いにパンチを当て合うが、T-98の首相撲に捕まる渡部。劣勢を挽回するために放ったハイキックは空振りに終わる。オープンスコアは1名が10-10、2名が10-9でT-98がポイントで逆転。
5R、渡部はパンチで勝負をかけるが、T-98もパンチから首相撲、そしてヒザ蹴り。さらにヒジも使うT-98。渡部はパンチで必死の反撃を試みる。パンチとヒジで激しく打ち合う両者、ミドルキックも打ち合う。だが、組むとT-98がヒジとヒザで有利に試合を進める。
残り1分、渡部がパンチから左ハイキック、左フックから右アッパー、T-98は組んでのヒザ、左フックと右ストレート。両者必死の打ち合いを展開し、T-98の右ハイキックが渡部をかすめる!
両者最後まで打ち合い、終了のゴング! 激闘を制したのは判定2-0でT-98! T-98が新チャンピオンの座に就いた。
ベルトを巻いたT-98は、「新チャンピオンのT-98です! 試合前は何を言うか考えていましたが、何を言うか全部飛んでしまいました。とりあえず日本チャンピオンなので、次はWPMFの世界チャンピオンを目指して頑張ります」と、次は世界タイトルを狙うと宣言した。
★メインイベント第1試合(SHIGERUvs藤牧孝仁)〜第1試合の試合結果はこちら
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