パンクラス
「PANCRASE 2012 PROGRESS TOUR」
2012年9月1日(土)東京・ディファ有明
観衆=1,831人(満員・主催者発表)
▽本戦第2部
▼メインイベント(第13試合) ウェルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3R
○佐藤豪則(Laughter7/王者)
判定3−0 ※三者とも30−29
●KEI山宮(GRABAKA/挑戦者・ウェルター級3位)
※佐藤が4度目の防衛に成功。
王者・佐藤はこれが4度目の防衛戦。2011年2月6日にタイトルを奪取して以来、行った試合の全てが防衛戦というまさに“戦うチャンピオン”だ。挑戦者の山宮とは、タイトル獲得前の2010年4月4日に対戦し、判定2-0で敗れている。そのため佐藤は戦前「僕が挑戦者だと思っている」と何度も発言した。対する山宮は、2年3カ月ぶりに巡ってきたタイトルマッチ。このチャンスを活かすことが出来るか?
1R、山宮はリングを大きく使って右へ左へと回り込む。佐藤が間合いを詰めてくるとジャブ、佐藤はローキック。佐藤は右ロー、右ミドルを蹴り、山宮は飛び込んでの左右フックを放ってくる。
残り1分で佐藤が組みにいき、山宮が逆にバックを奪う。オープンスコアはジャッジ三者とも10−9。
2R、山宮のジャブに佐藤が右ローを合わせると、ローブローとなってしまい試合は一時中断。再開後、山宮が入ってくるところに右フックを合わせる佐藤。
佐藤の右ローに左右のパンチを合わせに来る山宮、さらに佐藤のフックにもパンチを合わせようとする。佐藤はタックルにいくが、これはかわされた。残り時間2分、山宮のパンチに右フックを合わせ、右ローを蹴る佐藤。山宮がジャブを出してくるとタックルにいくが、山宮はコーナーを背にして倒れない。
佐藤はヒザ蹴りを突き刺す。佐藤が右フックと2発と右ミドルをヒットさせれば、山宮は左フックを打ち返す。オープンスコアはこのラウンドも三者ともに10−10のイーブン。
3R、タックルにいく佐藤だが山宮に防がれる。佐藤は右フックを中心に攻め、ついにタックルでテイクダウンを奪うことに成功した。バックに回った佐藤は背後からのパンチ連打。残り時間1分も佐藤がバックをキープしたまま背後からパンチを入れ、試合終了のゴングを聞いた。
佐藤は「今回も判定でスキッとした勝ち方が出来ませんでしたが、リベンジ出来たのでよかったです。僕は去年から4回防衛しました。これだけ無理をやってきたのでわがままを聞いてもらいたいと思います。酒井代表、上がってください」と、酒井代表をリングに呼び込む。
「(新生パンクラスは)世界標準とうたっていますが、僕は世界標準の試合がまだ出来ていません。ここでひとつわがままを聞いて欲しい。
だいぶ時間が開いてしまいましたが、僕の師匠の桜庭和志が去年のDREAMで敗れた、ヤン・カブラル(2011年9月24日、カブラルが肩固めで一本勝ち)とやりたいと僕はずっと言ってきました。何とかパンクラスに呼んで試合を組んでもらいたい。これが本当の世界標準だと思います」と、ヤン・カブラル戦を要求!
これに対して酒井代表は「約束します」とその場で即答。試合後のコメントでは、「まずフリー(他団体との契約がないか)かどうかをさっそく調査したい。僕もファンの前で約束したし、皆さんも見たいでしょう?」と、実現へ向けてすぐに動き出すと明言した。
▼セミファイナル(第12試合) バンタム級初代クィーン・オブ・パンクラシスト決定トーナメントAブロック アテナルール 5分3R
○中井りん(パンクラス ヴィーナス/VALKYRIE初代無差別級女王)
TKO 2R3分45秒 ※バックマウントパンチ→レフェリーストップ
●超弁慶(ガムナンラック/J-GIRLSフェザー級1位)
※中井が決勝戦へ進出。
デビュー以来12戦11勝1分と敵なし状態の中井が、新設される女子王座の決定トーナメントに挑む。対戦相手の超弁慶は総合格闘技で2007年のスマックガール新人王トーナメント優勝、キックボクシングでJ-GIRLSフェザー級暫定王者(現在同級1位)の実績を持つ打撃を得意とする選手。
両者は2010年9月26日にヴァルキリーで対戦し、中井が1R2分40秒、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちしている。
1R、中井はステップを踏みながら距離を取って様子を見る。それを追っていく形の超弁慶。お互いに離れた位置からジャブを出し、その展開が続く。
焦れた観客からは野次が飛ぶ。残り30秒で中井が左ボディ、超弁慶が連打とローを出したが、両者ほとんど手を出すことなく1Rを終えた。オープンスコアはジャッジ三者とも10−10。両選手にはネガティブファイトとして口頭注意が与えられる。
2Rになると中井がパンチとローで前に出始める。右フックをヒットさせ、右ストレートとローを打つとすぐに前蹴りで超弁慶を突き放す。中井の右のパンチをもらい続けた超弁慶は鼻血を出し、ドクターチェックが入る。
再開後、超弁慶のローに合わせてタックルに入った中井がテイクダウン。起き上がろうとした超弁慶のバックを奪い、そのままマウントへ。再び亀になった超弁慶に中井がバックからパンチを連打し、レフェリーがストップすると同時に超弁慶のセコンドからはタオルが投入された。超弁慶を返り討ちにし、中井は勝利のバック宙を披露した。
▼第11試合 ライト級 5分2R
○ISAO(坂口道場 一族/ライト級キング・オブ・パンクラス)
一本 1R3分5秒 ※アームロック
●田中達憲(和術慧舟會兵庫支部)
今年4月に大石幸史を破り、タイトルを獲得したISAO。王者になっての初戦の相手は、過去に第5代ウェルター級王者の石毛大蔵(SKアブソリュート)から勝利を挙げている田中となった。約5カ月ぶりの試合を迎えるISAOが田中を一蹴するのか、それとも田中が王者を倒しライト級戦線に食い込むのか?
1R、サウスポーのISAOはワンツーで前に出るとすぐにテイクダウン。田中は立ち上がってISAOをコーナーへ押し込み、両者はヒザを打ち合う。田中のヒザがローブローとなり、試合は一時中断。
再開後、ワンツーをヒットさせて前へ出るISAOだが田中に持ち上げられてテイクダウンを奪われる。しかし、ISAOが下からのアームロック! これが見事に極まり、ISAO貫禄の一本勝ちとなった。ISAOにはブレイブボーナスが贈られた。
マイクを持ったISAOは、「6月からパンクラスは新体制になって変わってきました。でも、自分のパンクラスに対する思いは変わりません。自分が少しでもパンクラスを盛り上げられるように、刺激を与えていきたいと思います。これからもパンクラスと格闘技をよろしくお願いします」と、パンクラスをアピールした。
★第10試合(清水俊一vs沼倉雄太)〜第1試合(木内崇雅vs早坂優瑠)の試合結果はこちら
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