
そして大会当日、会場に向かう前にスポーツベットに挑戦! 佐伯代表と相談しながら誰に賭けるかを決める。しかし僕たちは曲がりなりにも大会関係者である。
佐伯代表に「関係者だから賭けは無理なんじゃないですか?」と問いただしてみると、「業務上、ギリギリセーフらしいよ」という。僕は怪しんで佐伯代表の顔を見つめていると「ホントに大丈夫なんだって」と、佐伯代表はおもむろに胸元に手を入れた。
てっきり関係者でも賭けが許される特別なパスか何かだと思いきや、インシュリン用の注射だ!
しかもそれを腹の中にぶち込む佐伯代表。傍から見ているといきなり自決した、サムライのようにも見える。まあ「どっちにしても大丈夫じゃねえじゃね〜か!」と突っ込みを入れつつ、300ドル分をベットすることにした。
試合開始1時間前には会場に到着すると、表口には既に200人くらいの熱狂的なアメリカのファンが、群れになって叫び声を上げて盛り上がっていた。しかしその半分くらいは、日本で言うところのメイド喫茶と秋葉原的な方々である。
どうやらアキバ系は日本もアメリカも同じのようだ。そして開門と同時にアキバ系アメリカ人たちはダッシュして、グッズ売り場へ殺到! その後に日本人がイメージするスマートなアメリカ人が颯爽と入っていった。
客席は大会が始るギリギリまでは埋まらなかったが、最終的にはお客さんで満杯となった。売店のグッズも、ほぼ完売状態だったらしい。会場のノリはペイパービューでは伝わっていないほどに盛り上がっていた。演出の爆発の威力も日本の数倍はあったが、それ以上にお客さんが熱狂していた。そして面白かったのが、レフェリー紹介で島田レフェリーが名前を呼ばれた時。
僕は日本と同様に、バローニの公開練習ばりの大ブーイングが起こるかと思いきや、何と島田レフェリーに対して送られたのは大歓声だ! 僕は思わず、アメリカ人のお客全員に「そこは、ブーイングだろ!」とツッコんでしまったのだが、そのツッコミをも掻き消すようにお客さんは熱狂したまま、大会は始まったのだった。
しかし『PRIDE武士道マガジン』用のカメラを持っている僕は、大会のオープニングに魅了され余韻に浸ってる間もなく、勝利したカズ選手を追いかけて、バックステージの勝者インタビュースペースへと向かう。スペースに到着し、しばらくモニター観戦していると、そこにカズ選手が現れた。ホッとした表情で試合を振り返るカズ選手。
カズ選手曰く「勝ってホッとはしてるけど、もっと盛り上がる試合をしたかった。KOにもこだわりたい」とのこと。
更なる高みを目指す心境を明かしてくれた。ちなみにカズ選手は帰り際に、「今日と明日はカジノです」とラスベガスへの意気込みまで語って、インタビューは終了した。
僕はカズ選手が立ち去るのを確認すると、急いで客席に戻る! すると客席に戻る途中に大歓声が巻き起こった。どうやらバタービーンが勝利だった瞬間らしい。一目見たバタービーンの白いお腹が喜びで揺れてる様子が非常に印象的だったなぁ。
そして何と言っても圧巻だったのがヒョードルの強さと、敗北を喫した後の潔いコールマン劇場だ。ファンはヒョードルの強さを讚え、そしてコールマンを涙で讚える。しばらくの間、歓声と拍手は、止む事がなかった。
そして大会終了後、前の席にいたゆでたまご先生と合流し、榊原代表の元にご挨拶に行くと、まだ、熱気の残る花道にて記念撮影をして頂けた。しかもちょうどそこにレニー・ハートさんも来られたので、ご一緒にパチリ! 気がつけば花道での記念撮影会となっていた。
会場を後にした僕たちは、選手を交えての共同記者会見に出席。それが終わると、ツアー客と選手並びに関係者だけのパーティーが催された。
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