3月28日（土）神奈川・横浜アリーナにて『K-1 WORLD GP2009 IN YOKOHAMA』が開催され、日本の前田慶次郎（チームドラゴン）が第2代ヘビー級王者決定トーナメントで優勝し、日本人初となるK-1重量級の世界王者となった。

　試合後、インタビュースペースに着くなり「いやあ、勝っちゃいましたよ〜今日はイチローになるつもりでした。チームドラゴンのイチローとして一番おいしいところを持っていこうと思ってました」と笑顔で喜びを語った前田。

　試合前は弱気な発言が目立った前田は、ここでも「だって1回戦の相手がマヌーフ選手に変わって、決勝にはスポーン選手が来ると思ったらサキ選手だったんですよ。これはもうやばいっしょ！　昨日も実際にマヌーフ選手に会ったらめちゃめちゃやばかったですからね」と恐怖心を持って試合に臨んだ胸の内を吐露する。

　しかしこの日の前田は猛獣メルヴィン・マヌーフに恐れることなく立ち向かい鮮やかなカウンターで一撃KO。決勝戦でもグーカン・サキ（トルコ）を相手に前に出続けるアグレッシブな闘い方を見せてベルトを腰に巻いた。

　一時はカウンター狙いの消極的な闘い方を批判された前田だったが、「昨年のマイティ・モー戦では消極的な闘いをしちゃって、自分でも納得できなかったんです。だから今回は絶対に消極的な試合はやめようと思いました。今までは相手のパンチが怖くて打ち返せなかったんですけど、今日はしっかり相手のパンチを見て打ち返そうと思いました。

　何を変えた？　気持ちです。パンチを受けても必ず打ち返すっていう。今回は自分のそういう気持ちを見て欲しいと思ってました」とファイトスタイルを変える意識を持って闘ったことが優勝につながったと話す。

　これからはチャンピオンとして狙われる立場になり、初代王者バダ・ハリ（オランダ）との対戦の可能性もある前田だが「ちょっと無理でしょう！　それだけはやめていただきたい。僕は出来るだけ誰とも闘いたくないです（笑）。目標とするチャンピオン像？　自分はまだまだ課題だらけですよ〜ちょっと相手の攻撃を受けちゃうんで、もっとS（エス）っ気が欲しいですね。闘志というかSになりたいです」と天然ぶりを発揮。

「チャンピオンとして？　僕は何かを背負うという想いはないんで、いちニートとしてこれからも頑張ります。さっき谷川（貞治K-1イベントプロデューサー）さんに聞いたら、結構、お金が入ってくるみたいなんで、僕にジュースをおごって欲しい人は来てください！　あとそのお金で居酒屋のバイトを週3回から1回に減らそうと思います（笑）」と庶民派な一面をのぞかせた。

　そして今日は家に帰ってゆっくりしたいという前田は「僕、去年のモー選手の試合がカットされちゃったんで、今日は絶対にテレビに出たかったんですよ！　ジャンクスポーツに出て、有名になりたいです。ちゃんと関係者の方にも挨拶しときました」と王者らしからぬ（？）野望を笑いながら語った。

★3・28「K-1」の試合結果はこちら

FEG
「K-1甲子園2009」

「地区代表決定戦」
4月〜6月　全国6〜7地区で地区代表決定戦

「K-1甲子園2009 FINAL16」
8月10日（月）か11日（火）に国立代々木競技場第二体育館

「K-1甲子園2009 FINAL8」
10月

「K-1甲子園2009 FINAL」
12月31日（木）