MA日本キックボクシング連盟
「士道館新春正月興行 BREAK-1」
2010年1月31日(日)東京・後楽園ホール
開場16:30 開始16:45
▼メインイベント(第16試合) 65kg契約 交流戦 3分5R
○菅原勇介(TARGET/J−NETWORKスーパーライト級王者)
判定3-0 ※50-48、49-47、50-47
●山本佑機(橋本/MA日本ライト級1位/WBCムエタイ日本スーパーライト級王者)
12月のVSムエタイ戦でヒジによるカットで敗れた山本だが、本人の強い希望によって連続参戦となった。今回はJ-NETWORKの同級チャンピオンでRISEでも活躍する菅原を迎え撃つ。実は菅原も元々はMA出身であり、久しぶりに故郷のリングへ帰って来た。
1R、ローの蹴り合いから始まり、菅原が左ミドルキックをドンピシャのタイミングでヒットさせる。山本も負けじと左ミドルを返し、右ローから左フック、左フックから右ローと揺さぶりをかけていく。
2R、山本がフックとローのコンビネーションで上下に揺さぶり、菅原も強いパンチからローとつなぐ。ローの交換が何度も見られたが、山本は左右のフックで菅原の打ち終わりを狙い、左ミドルには右ストレートを合わせる。
タフな菅原はすぐにローを蹴り、左フックと右ストレート。派手な蹴り合いがあり、スピードで山本、パワーで菅原というところ。
ラウンド終盤に試合は大きく動いた。ローの相打ちから、菅原がすぐに右ストレート! これで山本がダウン! 立ち上がった山本の左目下はみるみる内に腫れ上がっていく。それでも山本はパンチで襲い掛かり、ローを蹴る。菅原のパンチにはヒザを合わせる。
3R、右ストレートで山本を吹っ飛ばした菅原が飛びヒザ蹴り! 菅原は左ミドルと右ローを効果的にヒットさせていく。山本は菅原の打ち終わりにフックをまとめ打ち、左ミドルを返してパンチでもボディを狙っていく。スタミナに難のある菅原の弱点を狙っての攻撃だ。
4Rも菅原の左ミドルと右ローが強く重く決まり、時折繰り出す左フックと右ストレートも強烈。しかし山本は一歩も下がらずパンチで前へ出て、左ミドルとパンチで菅原のボディを攻めて行く。左ミドルの蹴り合いも挑んでいくが、菅原の方が強烈だ。
5R、菅原の右ストレートが2度クリーンヒット! 山本を仰け反らす。山本もフックとローで応戦し、手数を出していくが、どうしても菅原のパワフルな攻撃の方が目立つ。菅原は左フックと右ストレートで前へ出る。山本もアッパーと右ストレートだ。最後には菅原が左ミドルと右ローを連打して攻撃をまとめ、ダウンのポイントを守りきって勝利。メインにふさわしい激闘となった。
▼セミファイナル(第15試合) MA日本フライ級タイトルマッチ 3分5R
○加藤竜二(橋本/同級1位・挑戦者)
判定2-1 ※49-48、48-47、49-48
●飛燕野島(契明/王者)
※加藤が第15代王座に就く。飛燕は防衛に失敗。
2008年に一階級上のバンタム級で新人王を獲得、それから1年でタイトルマッチまで辿り着いた加藤は、いまMAが売り出し中の期待のホープ。迎え撃つチャンピオンの飛燕はハードパンチャーで知られるが、WBCムエタイルール日本統一王座決定トーナメントでは1回戦負けなど調子を崩している。最後にベルトを巻くのは23戦目の28歳の王者か、それとも12戦目の20歳のサウスポーか?
1R、加藤がロー、ミドル、ハイキック、さらにはバックスピンキックを繰り出して蹴り中心で試合を組み立て、パンチに繋げて行く。飛燕は左右のローを蹴りつつ、ロープ際に下がらされながらも必殺のフック。蹴りを次々と繰り出す加藤に飛燕は自分のリズムをつかめない様子。
2Rもロー、ミドル、ハイキックと蹴り技をどんどん繰り出していく加藤。飛燕が下がるとバックスピンキック。蹴りからパンチへとつなぎ、勢いよく前へ出て行く。
しかし、左ローが急所に当たってしまい、試合は一時中断。再開後は野嶋が左フックを効かせてパンチ連打で優勢に立つが、加藤もすぐ回復してパンチを打ち返していく。が、またもローがローブローに。
再開後も激しい打ち合いが続き、野嶋がフックを当てれば加藤も負けじとすぎにパンチを返す。最後にはなんと、野嶋の飛び蹴りに加藤が水面蹴りを返すというアクロバチックな相打ちも見られた。
3R、野嶋はローから左右のフック、加藤は多彩な蹴りからのパンチと両者激しく打ち合い、蹴り合う。しかし、またも加藤のローが急所に当たってしまい、加藤は痛い減点1。
再開後もお互いにクリーンヒットを奪い合う乱打戦となり、加藤はバックスピンキック、野嶋はパンチで加藤の蹴りを迎え撃つ。勢いのある加藤はパンチと蹴りの波状攻撃で野嶋をロープ際まで追い詰め、バックスピンキック!
4R、ここまでの猛攻で加藤がややバテ気味。それでも前蹴りを顔面に突き刺し、左ミドルと蹴り技を多用する。野嶋がフックで詰めてくると組み付き、まるでスープレックスのように組んで投げ飛ばし、野嶋のスタミナを奪う。野嶋もパンチを打っていくが、加藤の蹴りからのパンチがやや優っているか。加藤はとにかく蹴り技がよく飛び出す。
5R、加藤が左ミドルを蹴り、野嶋が軸足を蹴る。蹴りの応酬から、加藤がヒザに来れば野嶋が右フック。加藤もすぐに右フックを返し、気の強さを見せる。
ここまでの激闘で両者ともフラフラになりながら、同体で倒れる場面が何度もあり、それでもお互いに攻撃を出していく。まさにMA魂が爆発したような乱戦は、判定2-1のスプリットで加藤が世代交代を果たした。
▼第14試合 WKN−60世界タイトルマッチ 60.3kg契約 3分5R
○ローリス・オードウィー(フランス/カリビアン士道館/WKN '05世界王者)
判定2-0 ※49-49、49-48、49-48
●KING(土浦/MA日本スーパーフェザー級3位)
※ローリスがタイトル防衛に成功。
士道館新春興行に4年連続出場となるローリスが世界タイトルの防衛戦を行う。WKN(ワールド・キックボクシング・ネットワーク)は1994年に設立され、世界122カ国に拠点を置き、2009年はヨーロッパ大陸において150プロモーション、250以上もの大会を開催したという。キックボクシングのみならずボクシング、MMA、ムエタイの試合も行い、あのドン・キングと2件の契約を結んでいる唯一のキックボクシング団体であり、DON KING SHOWでのキックボクシング選手権を開催した実績を持つ。
挑戦者のKINGは3年前にもこの大会でローリスと対戦し、ローリスがダウンを奪って判定勝ちしている。KINGはこれが初のタイトルマッチ。
1R、パンチからローキックでパワフルに攻めるローリスに、KINGもしっかりとパンチ&ローを返していき前蹴りで距離をとる。時折、ローリスがパンチで前に出るが、静かな立ち上がりとなった。
2R、KINGがロー、インローを当てて行くとローリスはそれにカウンターを合わせようという雰囲気がありあり。ローリスは何度かパンチからの蹴りで前へ出るが、KINGには当たらない。KINGが距離をとってローを蹴っていき、ローリスは強い前蹴りで吹っ飛ばす。
3R、KINGがローリスの前足へインとアウトからのローを集中させ、ローリスも強いローを蹴ってからフックにつなげる。ローリスは手数は少ないがパワーがある。
4R、距離をとっての長い見合いが続き、両者ともあまり手が出ない。ローリスの単発ながら強いローでKINGがバランスを崩す場面が見られる。KINGも遠距離からの右ストレート、続く左フックもヒットさせた。あまり手が出ない両者に場内から「世界タイトルマッチだぞ!」との野次も飛ぶ。
5R、何度か右ストレート、左フックで入っていくKINGだが、ヒットは奪えない。このラウンドは積極的に前へ出るKINGに、ローリスはフットワークを使ってかわしつつ、パンチをまとめる。目立った場面もなく試合は終了、判定はドローとなり、ローリスが防衛に成功した。
▼第13試合 交流戦 70kg契約
○武田一也(JMC横浜/MA日本ミドル級1位)
判定3-0 ※49-48、50-48、49-48
●太陽照明(インスパイヤードモーション・/NJKFスーパーウェルター級2位)
昨年3月に初対戦し、ドローに終わっている両者の決着戦。MAとNJKFの対抗戦だ。
1R、ローの蹴り合いから太陽がパンチをカウンターで当てていけば、武田は組んでのヒザ蹴りで主導権を握って行く。ラウンド終了間際にはパンチをまとめる上手さも。
2R、武田は離れた距離から飛び込むような右ストレートから、組んでのヒザ蹴り。ロープに押し付けてヒジ! パンチの打ち合いでも武田が優勢に立つ。太陽はパンチで行くと首相撲に捕まってしまい、ペースを握れない。
3R、太陽がアッパーを入れれば、負けじと武田もすぐにパンチでラッシュをかける。太陽がヒジを連打してパンチにつなぎ、武田が前に出てくると左ミドルを合わせる。
4R、組まれた太陽は離れ際にヒジを繰り出し、これで武田の動きが一瞬鈍る。すかさず太陽がヒジ、パンチでラッシュを仕掛けるが、武田もパンチと左ミドルで盛り返していく一進一退の攻防。
5R、武田が勝負をかけて右ストレートと左フック、太陽もヒジと逆に組んでのヒザ蹴り。太陽が左ミドルを蹴れば、すぐに武田も左ミドルを蹴り返す。ポイントは絶対に奪わせないという武田の意地が見える。
最後まで激しく打ち合い、蹴り合う見応えのある好勝負となり、パンチのヒット数で上回ったかに見えた武田の判定勝利で決着。武田は観客席に向かって、ミノワマンのSRF8回を決めた。
▼第12試合 国際戦 ヘビー級
△大石 享(日進会館/元MA日本ヘビー級王者)
ドロー 判定1-0 ※29-29、29-30、29-29
△“STORM”(イラン/ストーム/2007WPKA75kg級王者)
第2代MAヘビー級王者であり、K-1にも出場していた大石が関係者のオファーを聞き入れ古巣に戻ってきた。対するは昨年10月の『K-1 WORLD MAX』でアルトゥール・キシェンコと対戦したトゥファン“STORM”サラフズン。
1R、ジャブを突いてくるSTORMに大石はローとミドルを合わせていく。2Rには勢いよくパンチで攻めてくるSTORMが顔面とボディを打ち分け、大石はやはりローとミドルで応戦。ややSTORMのジャブをもらいすぎか。
3R、組んでのヒザ蹴りに活路を見出した大石に、STORMはややバテ気味。単発のパンチを振り回すのみとなる。あまり手を出してこないSTORMに、大石がパンチとロー&ミドルで襲い掛かったが、判定はドローとなった。
▼第11試合 ランキング戦 フェザー級
○千葉剣士郎(新東金/同級4位)
KO 1R2分7秒 ※左フック
●拳竜(士魂村上塾/同級9位)
▼第10試合 ランキング戦 スーパーライト級
△瀧澤直樹(士道館総本部/元ライト級2位)
ドロー 判定0-0 ※三者とも29-29
△冨田健祐(真樹ジムAICHI/同級9位)
▼第9試合 国際戦 スーパーフェザー級
○虎舞拳隆(新東金/同級7位)
KO 2R2分2秒 ※左フック
●アンドレイ・ダンク(士道館ルーマニア)
▼第8試合 国際戦 77kg契約 2分3R ヒジなし
○ミレル・ドラガン(士道館ルーマニア)
判定3-0 ※30-28、30-29、30-28
●高橋竜平(士道館総本部)
▼第7試合 国際戦 75kg契約 2分3R ヒジなし
○アウレル・ミネル・ピレア(士道館ルーマニア)
判定3-0 ※三者とも30-29
●大藪英司(士道館)
▼第6試合 国際戦 65kg契約 2分3R ヒジなし
△森實恭平(士魂村上塾)
ドロー 判定0-0 ※29-29、29-29、30-30
△ポウン・カトリーヌ(士道館ルーマニア)
▼第5試合 55kg契約 2分3R ヒジなし
△AKITAKA(HIMI−GYM/MA日本バンタム級10位)
ドロー 判定1-0 ※30-29、29-29、30-30
△大輔(STUDIO−K/MA日本フライ級10位)
▼第4試合 ジム対抗戦 ウェルター級 2分3R ヒジなし
○モハン・ドラゴン(士魂村上塾)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-29
●野口陽平(飯島)
▼第3試合 ジム対抗戦 バンタム級 2分3R ヒジなし
△大澤亨之(KINGBEE)
ドロー 判定0-0 ※29-29、30-30、29-29
△渡部 博(士道館ひばりが丘)
▼第2試合 ジム対抗戦 バンタム級 2分3R ヒジなし
○宮元啓介(橋本道場)
判定2-1 ※30-29、29-30、30-29
●大野貴志(新座)
▼第1試合 ジム対抗戦 ヘビー級 2分3R ヒジなし
○林 武重(士道館総本部)
KO 2R1分18秒
●名取政則(ダイケン)
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