▲想像以上のムエタイ巧者ぶりを発揮したコンチャ（右）が中須賀（左）を下す

ニュージャパンキックボクシング連盟（NJKF）
「旗揚げ15周年記念興行 NEW JAPAN BLOOD 10」
2011年11月26日（土）東京・後楽園ホール
開場16：45　開始17：00

▼メインイベント（第9試合）　WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーフェザー級王座挑戦者決定戦　3分5R
○ジョセフ・コンチャ（オーストラリア/WKA豪州スーパーフェザー級王者）
判定2-1　※49-48、47-49、50-48
●中須賀芳徳（OGUNI-GYM/WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者）
※コンチャが王座挑戦権を獲得

　15周年記念興行のメインを飾るのは、WBCムエタイ日本チャンピオンの中須賀とWKAオーストラリアチャンピオンのコンチャによる日豪王者対決。

　WBCムエタイ本部の推薦により初来日したコンチャはハイキックを得意とする24歳のフィリピン系オーストラリア人で、28戦18勝（9KO）9敗1分という戦績の持ち主。ISKA豪州同級王座にも2度就いており「キラー」というニックネームを持つアグレッシブな選手だという。中須賀は15周年のメインを勝利で飾り、世界タイトルマッチ挑戦への足がかりとなるインターナショナル王座への挑戦権を獲得することが出来るか？

　1R、コンチャは右ミドルを主軸に攻め、中須賀の左ミドルはスウェーかスネで受けるブロックでしっかり防ぐ。中須賀が蹴ってくると軸足蹴りを合わせ、パンチにはすぐパンチを返す。後半は中須賀が逆にコンチャの攻撃にローを返す。

　2R、中須賀は左ミドルとジャブを多用。コンチャを軸足蹴りで2度転倒させる。コンチャも中須賀の攻撃に自分の攻撃をしっかり返し、蹴りとパンチを合わせる。コンチャのディフェンスの上手さと、攻撃をもらいっぱなしにならず攻撃を返すフィームー（ムエタイ用語でテクニシャンの意味）ぶりを発揮。

　3R、お互いに相手の蹴りに対して軸足を刈る。コンチャは右ローで攻め、中須賀はワンツー。このラウンドはコンチャがパンチで前に出る。中須賀はヒジで応戦。中須賀が右ストレートをヒットさせても、コンチャはしっかりと右ストレートをヒットし返す。

　4Rもコンチャが攻める。パンチで前へ出て右ミドルとロー。

　中須賀もローと左ミドルを蹴り返すが、コンチャはスウェーとスネブロックで防御し、パンチは前蹴りで防ぐ。両者ともクリーンヒットがなかなか奪えない展開で、中須賀はヒジを振るって行くがこれも当たらない。コンチャはローを蹴る。

　5R、中須賀のミドルにはロー、パンチにはパンチを合わせるコンチャ。組んでも中須賀に主導権は握らせない。ディフェンスの上手さが目立つコンチャだが、パンチとヒジも打って行き、判定2-1のスプリットデシジョンで中須賀を下した。

▲宮越（右）と山内（左）の打ち合いに場内は沸いた

▼セミファイナル（第8試合）　WBCムエタイ日本スーパーウェルター級タイトルマッチ　3分5R
○宮越宗一郎（拳粋会/元WBCムエタイ日本ウェルター級王者/挑戦者）
判定3-0　※49-48、50-47、50-47
●山内佑太郎（team pitbull/王者）
※宮越が第2代王座に就く。山内は初防衛に失敗。

　昨年9月、MA日本キックの武田一也を破ってチャンピオンになった山内が、前WBCムエタイ日本ウェルター級チャンピオンの宮越を挑戦者に迎え初防衛戦を行う。宮越は7月大会で大和侑也（大和ジム）にウェルター級王座を奪われたが、今回一つ上の階級で再起を懸ける。初防衛戦となる山内も負けられないところ。王座の行方はいかに!?

　1R、山内はいきなりジャンプしてのスーパーマンパンチを仕掛ける奇襲攻撃。これは空振りに終わったが、続いてワンツーを繰り出す。宮越は「下から崩して行く」との予告通りローで攻める。山内はローを返しながら、下がって宮越を誘いパンチを狙う。

　2R、宮越のフックを空振りさせた山内が右ストレートをヒットさせ、そこからパンチでラッシュをかける。宮越も打ち合いに応じ、至近距離でパンチの打ち合いとなるが、右ストレートを何発もヒットさせたのは山内だ。しかし、その打ち合いが終わると宮越は左フックを狙い、左ミドルを蹴って主導権を取り戻す。

　3R、宮越が前へ出て行ってパンチからローのコンビネーションでローをヒットさせて行く。ロープに詰まった山内に宮越がパンチをヒットさせ、山内もワンツーを返すが宮越のフックをもらってしまう。宮越は強い左ミドル、左ハイキックからのパンチと攻め続けた。

　4R、宮越が左右フックを打って来ると山内は打ち合いに応じる。ここで山内の右ストレートが連続で宮越を捉える！　一気に流れを取り戻したかに思えたが、宮越はロー、組むとヒジ、左ハイキックで反撃。山内も右ローから右ストレート。

　5R、このラウンドが勝負と見たか、両者とも打ち合いを挑み場内が盛り上がる。宮越がパンチからの左ローを効かせて、山内はバランスを崩す。このローで宮越が押し気味に進めたが、山内が右ストレートを再び浴びせ、打ち合いの中で宮越を仰け反らせる。白熱した試合展開となったが、宮越が最大3ポイントの差をつけて勝利。ベルトを奪取した。

▲山田（左）のパンチを前蹴りでストップするPIRIKA（右）

▼第7試合　NJKF BONITA BOXEO アトム級王座決定戦　3分3R
○PIRIKA（キングジム/同級2位）
延長R　判定2-1　※10-9、9-10、10-9
●山田純琴（y-park/同級3位）
※PIRIKAが第3代王座に就く。本戦は29-29、30-28、29-29

　BONITA BOXEO（ボニータ・ボクセオ＝NJKFの女子部門）アトム級は前王者・ちはる（ウィラサクレック・フェアテックス）が9月末をもって同級王座を返上したため、2位のPIRIKAと3位の山田で王座決定戦を行う。新女王となるのは、これが5度目のタイトル挑戦となる山田か、それともNJKFに参戦してわずか2戦目でタイトルマッチのチャンスをつかんだPIRIKAか？

　1R、山田は伸びるジャブを当て、PIRIKAはテンカオ（相手をつかまず前に突き刺すように蹴るヒザ）で迎え撃つ。山田のジャブには右ミドル、ボディブローも返して行き、逆にジャブも当てる。山田はワンツーを当てるが、接近するとPIRIKAが捕まえてのヒザ蹴り。

　2R、山田はジャブとワンツーで前へ出て攻めるが、PIRIKAはヒザ蹴りで迎え撃つ。PIRIKAもジャブを当てて右ミドル。PIRIKAがパンチで前に出るとパンチを合わせる山田。

　3R、PIRIKAはパンチを当てるとすぐに組んでのヒザ蹴り。後ろ蹴りやバックブローも放ち、山田がパンチで前に出てくると前蹴りで防ぐ。山田は左ジャブでボディを叩くが、最後にPIRIKAの右フックで転倒してしまう。

　判定はジャッジ1名がPIRIKAの勝利を支持したがドローとなり、延長戦へ突入。PIRIKAはパンチからのヒザ蹴り、山田がパンチで攻めてくると捕まえてのヒザ蹴り。山田は果敢にパンチで前へ出るが、PIRIKAも打ち合いに応じ、甲乙付けがたい内容だったが、判定はPIRIKAに！　PIRIKAが初のベルトを腰に巻いた。

▼第6試合　65kg契約　アグレッシブマッチ（ヒジなしルール）3分3R延長1R
○大和侑也（大和ジム/WBCムエタイ日本ウェルター級＆NJKF同級王者）
判定3-0　※29-27、29-27、30-27
●慶大（よしひろ/TSX/J-NETWORKスーパーライト級5位）

▼第5試合　15周年記念メモリアル・エキシビションマッチ　2分2R
−鈴木秀明（STRUGGLE/NJKFフェザー級初代王者）
勝敗なし
−桜井洋平（Bombo Freely/第3代NJKFバンタム級＆ライト級、初代NKBフェザー級王者、元WFCAムエタイ世界ライト級王者）

▼第4試合　スーパーライト級アグレッシブマッチ　3分3R延長1R
○凌太（OGUNI-GYM/NJKFライト級5位）
判定3-0　※三者とも29-28
●細野岳範（チームドラゴン/元J-NETWORKライト級王者）

▼第3試合　スーパーフェザー級アグレッシブマッチ　3分3R延長1R
○大和大地（大和ジム/同級4位）
判定3-0　※29-27、30-27、30-27
●鶴谷　剛（OGUNI-GYM/同級6位）
※鶴谷は契約体重オーバーで10オンス（大和は8オンス）のグローブハンデと減点1

▼第2試合　フライ級　3分3R
○井上敬之（キングジム）
KO　2R2分17秒　※ヒザ蹴り
●勇太（新興ムエタイジム）

▼第1試合　スーパーバンタム級　3分3R
○白井周作（Bombo Freely）
判定3-0　※三者とも30-27
●RED健太（VERTEX）