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【JTAテコンドー】第22回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会、優勝は趙哲来、女子の上岡紀美子と共に初優勝

2011/11/27



▲決勝戦、西岡健(右)を左中段回し蹴りで追い込む趙哲来

  11月27日(日)東京・後楽園ホールにて、日本テコンドー協会(JTA)主催『第22回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦』が開催された。

 既存のライトコンタクトルールではなく、KO勝ちを認めるフルコンタクトルールを採用しており、今回は10回目の大会となる。同大会は『K-1 WORLD MAX』などで活躍する尾崎圭司(2002&2003年王者)、キック8戦8勝無敗のままJ-NETWORKの新人王に輝いた坂本洸巳(さかもと・ひろみ)を輩出したことで知られている。

 フルコンタクトテコンドーとはリングを使用し、本戦2分(延長1分2回まで、決勝戦のみ3回まで)で行う無差別級トーナメントだ。上段・中段への蹴り(ローキックは禁止)と中段への突き、そして上段突き(蹴りを生かす程度の額とアゴへの攻撃)を用いての一本(KO)勝ちや技あり、または時間内にダウンがなければ判定によって勝敗が決せられる。

 今回、男子無差別級には20名、女子無差別級には8名がエントリー。計31試合が行われた。

→西岡健のキレのある後ろ回し蹴りも華麗に決まる

 これまでの優勝者のエントリーがなく、誰が優勝しても初優勝という今大会で注目を集めたのは、ベテランの西岡健(にしおか・たけし/東京渋谷原宿テコンドークラブ)だった。二回戦から出場した西岡は真辺敏和(神戸六甲テコンドークラブ)から後ろ横蹴りで一本勝ち。続く三回戦では盛島優也(東京品川浜川テコンドークラブ)に判定勝利を収めると、準決勝でも、学生大会軽量級優勝者・石橋駿一(岡山大学体育会)のボディをえぐる後ろ横蹴りで一本勝ちし、決勝進出を決めた。

→準決勝、古谷知也を左中段蹴りの連打で追い込んだ趙哲来

  反対ブロックからは、身長182cm、体重102kgの巨漢を誇る趙哲来(ちょう・てつらい/横浜鶴見テコンドークラブ)が重みのある左中段回し蹴りを軸とした攻めで勝ち進み、準決勝では昨年の準優勝者・古谷知也(高知テコンドークラブ)を撃破し、決勝に駒を進めた。

 迎えた決勝戦。173cm、77kgの西岡は、25kgも重い趙のプレッシャーに下がるも、突きから後ろ横蹴りにつなげていく。

→決勝戦、西岡健(右)の後ろ横蹴りに対し、趙哲来は左中段回し蹴り!

「お腹への攻撃(後ろ横蹴り)だけは食らわないように気をつけていた」という趙は距離を潰して左中段、左上段回し蹴りを入れていく。接近戦での打ち合いになると、西岡の顔面突きがクリーンヒットする場面もあったが、趙も負けじと顔面突きを返す。本戦では決着がつかず、延長戦に突入。

  西岡は後ろ横蹴りを連発しKO狙いも、趙は変わらず左中段回し蹴り。そして重い中段突きを入れて西岡を下がらせる。主導権を握った趙が10−9、10−9、10−9の判定3−0で勝利! 

  初優勝を決めた趙は「社会人になって練習があまり出来ていなかったのですが、厳しい師範たちの指導があったおかげで優勝出来ました。これからは後輩の育成、そして二連覇を目標に頑張っていきたいと思います」と今後の目標を語った。

 女子無差別級では、昨年大会で前人未踏の3連覇を果たした高橋三恵(東京港支部) が引退したために、昨年準優勝の松兼ひとみ(東京港テコンドークラブ)が優勝候補筆頭だったが、まさかの二回戦敗退。

→上岡紀美子(左)が高伶香を破り初優勝

 松兼を破った高伶香(横浜市立大学体育会)と上岡紀美子(岡山大学体育会)が決勝で対戦し、上岡が2−1の僅差の判定で初優勝を決めた。また、蹴武型トーナメントでは野村修一(岡山備前テコンドークラブ)が優勝し、3連覇を達成(GBR賞も獲得)した。

 なお、開会式ではグラレスラー(グラビアアイドル+プロレスラーを意味する)でJTAの道場に通う愛川ゆず季が、かかと落としの板割りを披露、見事に成功した。

※愛川ゆず季試割り式の詳細はこちら→

●河明生JTA会長・宗師範の大会総括
「今回はベテランが頑張った大会でした。特に西岡が一本勝ちを2つ収め、技のキレも良かった。若い選手と比べて体力が落ちていることは間違いないので、それをキャリアと練習量で克服した成果だと思います。優勝した趙に関しては、体重の102kgがモノをいっていました。決勝の本戦では、趙の回し蹴りが届かないように十分距離をとっていた西岡が良かったと思います。延長戦では西岡は距離を潰されたのが敗因でした。逆に趙が回し蹴りの間合いにしたことが勝因になったと思います。今後は、蹴美を目指して頑張っていただきたいですね」


日本テコンドー協会(JTA)
「第22回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦」

2011年11月27日(日)東京・後楽園ホール
開始17:15

RESULT

▼組手無差別級トーナメント
優 勝 趙 哲来(横浜鶴見テコンドークラブ)
準優勝 西岡 健(東京渋谷原宿テコンドークラブ)
3 位 古谷知也(高知テコンドークラブ)
4 位 石橋駿一(岡山大学体育会)

▼女子組手無差別級トーナメント
優 勝 上岡紀美子(岡山大学体育会)
準優勝 高 伶香(横浜市立大学体育会)

▼蹴武型トーナメント
優 勝 野村修一(岡山備前テコンドークラブ)※3連覇
準優勝 植田博和(東京江東テコンドークラブ)
3 位 高崎健太(東京江東テコンドークラブ)
4 伊 高橋佑輔(高知テコンドークラブ)

▼蹴武型 少年少女部
優 勝 盛島芽生(東京品川浜川テコンドークラブ)
準優勝 薮内駿一(東京品川浜川テコンドークラブ)

▼蹴武の型 団体戦
優勝 高知県テコンドー連盟(高橋佑輔、藤本海史、河内潤一郎)
準優勝 横浜市立大学体育会テコンドー部B(服部直紀、高伶香、角田和美)

▼新人賞
石橋駿一(岡山大学体育会)

▼GBR賞
野村修一(岡山備前テコンドークラブ)

▼最優秀選手賞
野村修一(岡山備前テコンドークラブ)

▼東京都知事賞
趙 哲来(横浜鶴見テコンドークラブ)

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