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 スポーツストレッチング専門店『SSS(スリーエス)』の代表兼トレーナーとして、テレビ・雑誌・DVD・書籍にと引っ張りだこの人気者となっている兼子ただし。彼は新日本キックボクシング協会で日本ライト級3位にまで上り詰め、今も現役のキックボクサーであるという二つの顔を持つ。現在8店舗を経営、年間来店者数約4万人を超えるなどビジネスマンとして大成功を収めている兼子だが、そのベースにはキックボクシングで得た経験が活きていた。社会でチャンピオンになった兼子が全ての格闘家たちに送るメッセージ。

兼子ただし(かねこ・ただし)
1971年10月22日、東京都出身。身長170cm。
1998年7月26日、新日本キックボクシング協会でデビュー
スポーツストレッチトレーナー
慨SSグループジャパン代表取締役
業界では希少なスポーツストレッチ専門トレーナーで、ストレッチ専門店『スリーエス』を8店舗経営する事業家でもある。その他ランニングやスポーツサイクルなども取り組んでいる。機能的なカラダは=美しいボディラインとう概念を持ち、著書『やわらかBODY=メリハリBODY』をモダン出版から全国出版。趣味であったキックボクシングでプロライセンスを取得し、独自で学んだスポーツストレッチをベースに、プロ・アマチュアスポーツ選手、プロダンサー、芸能人、モデル、一般の方(スポーツをまったくしない人)まで様々なレベルのクライアントを指導。脚が細くなる、楽に走れる“スマイルランニング”をテーマに、ランニングセミナーも行っている。その他、各団体、小学校などでの講習会も行っている。ストレッチトレーナー養成人数は約300人、ストレッチ専門店スリーエスの年間来店数約4万人を超える。
戦績:11勝(2KO)9敗8分
伊原道場所属

■走り方を変えればランニングは楽しくなる

ーー兼子さんは現役キックボクサーであると共に、スポーツストレッチング専門店「スリーエス」の代表としてビジネスの世界で成功していますね。最近はランニングも取り入れているとか。

「心拍系を使ったランニングです。疲れを溜めるような走り方ではなく、身体の毛細血管やニューロン(神経細胞)を増やしたりする身体を磨くようなランニングがあるんです。心拍系のトレーニングはトライアスロンなどでは常識なんですが、格闘技系のトレーニングではほとんど見られません。

 僕としては格闘技をやるためというのももちろんありますが、マラソンにタイムを短縮したり順位に拘って取り組むと、身体が疲れる、消耗する度合いが高いんですね。マラソンで1位をとろうとか記録を作ろうとしてもこれはキリがないんじゃないかと考え、マラソンを身体を磨く運動として捉えて挑み始めたというか。

 毛細血管やニューロン(神経細胞)を増やすための固定する心拍は決まっているんです。それを決めて走ったら、全身の血流が普通のランニングよりもいい感じで円滑に回るようになります。そうすると、いわゆるランナーズハイとは別物で、全身の循環機能が円滑に回る気持ちよさを体感できるんです。苦しさではなく気持ちよさがあれば続けられるじゃないですか。

 結果的にそのランニングをやって格闘技の練習に戻った時に、いつもより疲労度が全く違ったんです。まるっきり身体が軽いとか、いつもだったらスタミナが切れる場面で切れなくなったとか」

ーーそのランニングの正式名称は?

「“兼子式後ろ足ランニング”というものです。お客さんには疲れないランニング、足が細くなるランニングと説明していますね。大体みんな、走る時は一歩一歩、身体を縮めながら走っているんです。筋肉を縮めるということは、イコール消耗するということなんです。その消耗を乗り越えることがマラソンの頑張りどころだとみんな思うじゃないですか。

 でも実はそうではなくて、走り方を変えると一歩一歩が伸びるーー前足を出すのではなく後ろ足で押すということなんですがーー今まで縮んで走っていたものが逆に伸びながら走るようになるんですね。そうすると身体が消耗するのとは対極的で、進化するんです。柔らかくなったり、必要以上に太かった筋肉が細くなったり。

 心拍系を管理して走る方法は元々トライアスロンにあり、それにプラス姿勢を良くして後ろ足で蹴るという方法は僕独自のものです。僕は今年38歳になりますが、元々ライト級だったのがフェザー級に階級を下げました。それは無駄な筋肉をそぎ落とした結果、そうなったんです。30過ぎで階級を落とした人って、僕はあまり見たことがないです(笑)。

 普通は年齢と共に体重が落ちにくくなって上げるじゃないですか。15年やって階級を下げたのはこの競技では意外なことなので、これは一般の健常者の皆さんに伝え方をもっとソフトに変えれば画期的なフィットネス方法だと思い、書籍にしたりして世の中に広めていこうと思っています」

■強くなるために研究していった結果、仕事になった

ーースポーツストレッチングは大変な人気だそうですね。

「まあまあ(笑)。お店の方は割と予約待ちでいっぱいになっています。熱心な方がリピーターになっていただいているので。ウチのようなスタイルでやっているのは他にないというのが一番の特徴だと思います」

ーー体験者のべ人数はどれくらいですか?

「正確には分かりませんが、4万人くらいです」

→人気の兼子式スポーツストレッチ

ーー4万人!?

「スリーエスは今年で8年目ですからね。僕が28歳の時に経営を始めました。キックボクシングを始めたのは23歳の時です。キックボクシングの方がだいぶ先で、キックボクシングをやりながら身体の解剖学とか運動生理学を学びだしました。ですから人を攻撃することと、自分のコンディションをどうやって整えるかを同時に学んだんです。もしかしたらこれは仕事にもなるんじゃないかと思い、マッサージや整体も学びだしたのが23歳の時でした。そこからスタートしています」

ーー元々は自分が強くなるために研究していった、ということですか?

「そういうことです。強くなるために研究していった結果、仕事になったという感じですね」

ーーキックボクシングで学んだことが大きかったんですか?

「キックボクシングの現場が臨床の場のようなものですね(笑)。キックボクシングをやっていく内に仮説が生まれ、その仮説を図書館なり本を購入したりして調べ、理論武装してまたキックボクシングで臨床実験したら“間違っていなかった”と。その繰り返しです。そうすると人間の身体はこうした方が体調がよくなるとか、無駄な筋肉を使わないとかが分かってきます。その繰り返しで今の形になってきました」

ーー元々、キックボクシングを始めたきっかけは?

「ダイエットです。そんなに太っていたわけではないですけれど、痩せようと思ったのがきっかけですね。普通のスポーツジムに行くよりも、ものを覚えられながら痩せられるから一石二鳥だなと思って」

ーーダイエットにキックボクシングを選んだ理由は何だったんですか?

「男の性ですね(笑)。ただ単に、強くなりたいなと。K-1とかも見ていましたし」

ーーその前にスポーツの経験は?

「小・中学校の時にバスケットボールをやっていたくらいです。高校はバスケットで行ったので普通の人より成績はよかったですね。でも社会人になってからはまるでスポーツとは縁がありませんでした」

 

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