9月17日(金)都内の会見場にて9・19シュートボクシング協会『シュートボクシング・ワールドトーナメントS-cup2004』の記者会見が行われ、出場する全選手が出席した。
ズラリと並んだ世界のトップファイターたちを従え、シーザー武志会長は「今回ぐらい楽しみな大会はない」と感無量の様子。選手たちも“立ち技最強”の座と優勝賞金500万円を目指して、気合十分であった。
[トーナメント]
「散打の技を利用して勝つ」(代)
「投げも立ち関節も全く問題ない」(パルバー)
中国武術・散打の代VS初代UFCライト級王者パルバーの異次元対決。参加選手中、ただ一人事前にビデオが手に入らなかったという代は、まさに未知の選手。2年前のS-cupでは同じく散打のジョン・イーゴが決勝に進出しており、投げも得意な散打は決して侮れる相手ではない。
初来日の代は太い腕をシャツからのぞかせながら、「とても嬉しい。素晴らしい大会になるでしょう。私は中国武術協会の代表として、散打のレベルを最大限に生かして頑張ります。そして、各国の皆さんとの武術交流のために一生懸命頑張ります」と真面目なコメント。対戦相手のパルバーの事を聞かれても、「選手として一生懸命にやるだけです」と多くを語らなかったが、最後には「私は勝ちます。勝つだけです」と力強く宣言した。SBルールについては、「散打には関節技はありません。散打の技を利用して勝つしかない」と、あくまでも散打で勝負する構えだ。
一方、パルバーは終始ハイテンションで、口数も一番多かった。「この素晴らしい大会に出れるのは嬉しいよ。皆さんに感謝したい。参加選手のビデオは何回も見たが、どの選手も素晴らしい」と言った上で、「今回はいいチャレンジになる。とてもエキサイティングな気分だ。だが、僕は勝つつもりでここへ来た」とやはり優勝を宣言する。
「この大会に出る選手は誰もが強い。誰と対戦しても厳しい試合となるだろう。しかし、立ち関節も投げも打撃も心配はない。相手選手を痛い目に合わせるだけだ。代はタフでハードな選手だと思うが、僕が間違いなく勝つと思う」と、上機嫌に語った。その様子を代とクラウスがなぜか睨みつける。
「相手が関節技や投げで来ても、全く問題はない。昔、僕も投げを使った事がある。ルールには何の問題もない。投げも関節もしっかり練習してきたし、パンチやキックでも自分の力を出し切りたい」とパルバー。よりバーリトゥードに近い立ち技総合格闘技SBに、かなりの自信を持っているようだった。
「ムエタイを代表して来た」(チャンプアック)
「全ての答えは日曜日に分かる」(クラウス)
K-1ワールドMAX、さらにはK-1アジアGPをも制して“立ち技格闘技最強”の座を奪い返したムエタイ。今大会でも、ムエタイのチャンプアックを優勝候補に挙げる関係者は多い。「私はムエタイを代表して来た。必ず勝って、タイへ帰る」とチャンプアック。口数は少ないが、自信はあり気だ。ルールについても、「よく理解している。投げや立ち関節なんて、全く怖くない。自分も出来るからね」と言う。
確かにチャンプアックは首相撲からの投げで、日本でもその強さを発揮したオーローノーを投げまくった経験がある。加えて、ムエタイらしからぬハードパンチの持ち主であり、蹴りも強烈だ。対戦相手のクラウスの事を聞かれると、それを無視するかのように「とにかく、必ず勝ってタイへ帰る」とだけ繰り返した。
サングラスをかけ、日本語で「皆さん、こんにちは。調子はサイコーです。頑張ります。どうもありがとう」と挨拶したのはクラウス。しかし、そのお茶目さとは裏腹に、昨日同様やや不機嫌な様子だった。
「チャンプアックはビデオで見たが、非常に強い選手だね。まあ、日曜日にどっちが強いかはハッキリするよ。ムエタイとは何回か闘った事があるし、自信はある。答えは日曜日に分かるだろう」と“試合を見てくれ”との態度。参戦発表の記者会見では「投げに対応できるように練習してくる」と言っていたが、この日も「試合中にチャンスを待って、チャンスがあったら自分の出来る事をやる」と言うだけにとどまった。
また、10・13MAXとの連戦になる事については、「間隔は短いが両方ベストを尽くす。連戦は大丈夫」と語っている。
「無心で闘っていきたい。12年間の全てを賭ける」(緒形)
「SBのルールは自分に合っている」(カテウ)
日本人唯一人の代表として、初代王者・吉鷹弘以来のS-cup制覇に燃える緒形の1回戦の相手は、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラのチームメイトでシュート・ボクセにも在籍していたカテウだ。
緒形は「今回S-cup初出場ですが、このメンバーの中に日本代表として出られる事を感謝しています。12年間SBをやってきたのでこのチャンスに、いろんな経験や思いを全てぶつけて、無心で闘っていきたいと思います」と力強く宣言した。対戦相手については、「過去にもブラジル人選手と何回か闘った事がありますが(マセロ・アグア、ダニエル・シウバに勝利)、カテウは何でも出来る選手だと思う。1回戦からどっちかが壊れるかも分からない、ハードな試合になるでしょう」と警戒心を強めたが、「僕はこの競技を12年間やってる。その点でアドバンテージがある」とした。
対するカテウは、「日本で初めて闘えるのは光栄。ベストを尽くして頑張りたい。緒形は素晴らしいファイターだし、いい試合にする」と語り、「SBのルールはとても自分に合っている」と自信を覗かせた。
「俺のテクニックはサワーよりも上」(オーレ)
「2002年と同じようにベルトは持って帰る」(サワー)
前回2002年の覇者サワーの1回戦は、同じヨーロッパを主戦場とするオーレ。記者会見でも激しい火花を散らして、舌戦が展開された。
これが初来日となるオーレは「8人の選手の中の一人として、闘える事を喜んでいる。それぞれがナンバーワンだと自負している人ばかりの中で闘える事は、凄く嬉しい。自分にとって大きなチャンスだと思う」と、S-cupを機会にのし上がろうとする野心が見え隠れするコメント。「アンディの試合はビデオで何回も見た。素晴らしい技のあるファイターだと思う。しかし、私の方が技は上だと思っている。それは日曜日に証明できると思う」と、“テクニックでは自分の方が上”と言い、全王者を喰ってみせる野心に燃える。
SBルールについても、「このルールは好きだね。ムエタイルールに似ている。投げ、関節技を使うかどうかはまだ分からないがね」と自信あり気なオーレ。一説によれば、総合の経験もあるといい、思わぬダークホースとなるかもしれない。
一方、ディフェンデイング王者のサワーは、終始落ち着いた様子で会見に臨んだ。
「皆さんにありがとうと言いたい。素晴らしいイベントが実現した事を。2002年の時と同じように、勝って、チャンピオンベルトをオランダに持っていきたいと思う」と二連覇を宣言したサワーは、オーレの挑発には乗らず、「オーレの試合は見た。彼はムエタイのファイターだね。ベストを尽くして、いい試合をする」と言うだけに留めた。
「SHOOT BOXING
WORLD TOURNAMENT S-cup2004」
シュートボクシング協会
2004年9月19日(日)神奈川・横浜文化体育館
開場15:00 開始16:00
※開場・開始時間が変更になりました。注意してください
<対戦カード>
[オープニングマッチ]
▼第1試合 3分5R
石川剛司(シーザージム)
VS
AGE(SOZ)
▼第2試合 3分5R
歌川暁文(U.W.Fスネークピットジャパン)
VS
ワンロップ・ウィラサクレック(ウィラサクレックジム)
[S-cup2004ワールドトーナメント]
▼第3試合 S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
アンディ・サワー(オランダ/リンホージム/S-cup2002王者)
VS
オーレ・ローセン(デンマーク/KRS GYM Team OLE/IMTC世界Sウェルター級王者)
▼第4試合 S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
ジェンス・パルバー(アメリカ/チーム・エクストリーム/初代UFCライト級王者)
VS
代常亮(中国/中国武術協会/2004年中国散打65kg級王者)
▼第5試合 S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
アルバート・クラウス(オランダ/ブーリーズジム/K-1 WORLD MAX2002王者)
VS
チャンプアック・チョーセパサート(タイ/ISSジム/WMTASウェルター級王者)
▼第6試合 S-cup2004 1回戦 3分3R 延長1R
緒形健一(日本/シーザージム/SB日本Sウェルター級王者)
VS
カテウ・キビス(ブラジル/チーム・ノゲイラCWB SPORTS/ストームムエタイミドル級王者)
▼第7試合 S-cup リザーブマッチ 3分3R 延長1R
宍戸大樹(日本/シーザージム)
VS
ブルース・マクフィー(ファイブ・リングス・ドージョー)
▼第8試合 S-cup2004 準決勝 (A) 3分3R 延長1R
サワーVSローセンの勝者
VS
パルバーVS代の勝者
▼第9試合 S-cup2004 準決勝 (B) 3分3R 延長1R
クラウスVSチャンプアックの勝者
VS
緒形VSキビスの勝者
[スペシャルワンマッチ]
▼第10試合 エキスパートクラスルール3分5R(ヒジあり)
SB豪州ヘビー級王者
ネイサン・コーベット(オーストラリア/ファイブ・リングス・ドージョー)
VS
ニルソン・デ・カストロ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
▼セミファイナル エキスパートクラスルール3分5R(ヒジあり)
SB世界ウェルター級王者
土井広之(日本/シーザージム)
VS
WPKL世界ウェルター級王者
フィクリ・ティアルチ(ムシドジム)
[S-cup2004ワールドトーナメント]
▼第12試合 S-cup2004 決勝 3分3R 延長2R
準決勝(A)の勝者
VS
準決勝(B)の勝者
<チケット料金>
SRS席 20,000円 RS席 15,000円 SS席 10,000円 S席 7,000円 A席 5,000円 B席 4,000円
<チケット発売場所>
チケットぴあ
/ ローソンチケット
/ e+(イープラス)
/ シュートボクシング公式サイト
<お問い合わせ>
シュートボクシング協会 03-3843-1212
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