8月12日(金)東京・浅草のシーザージムにて記者会見が行われ、土井広之が4年間保持していたSB世界ウェルター級王座を返上。9月25日(日)東京・後楽園ホールで開催されるシュートボクシング『SHOOTBOXING
20th ANNIVERSARY SERIES 4th』でイチから出直すため、前大会で後輩の宍戸大樹に敗れたK-1
WORLD MAX2002日本トーナメント第3位の大野崇と対戦する事を発表した。
会見の冒頭で、土井は世界王座を返上する事を発表した。「4年の間、保持していた世界ウェルター級王座を返上させていただく事になりました。返上して初心に戻り、イチから頑張っていきたいと思います。これからは、SBは元より他流派・他団体の日本人選手とどんどん試合をして、納得できる状態になったら、また自分の保持していたベルトを取り戻したいと思います」。
同席したシーザー武志会長は、「土井は2001年にダニー・スティールとやって世界タイトルを獲得したわけですが、それ以来、土井自身も私も納得行く試合をしていないので、私からも言ったところ、本人も“ベルトを巻く価値が今の自分にはない”との事で、返上してイチから出直せと言いました。9月25日の試合もメインではなく、本人は第1試合でもいいからやらせてくれと言ってます。まだ試合順は決めていませんが、彼の前向きな気持ちを受け止め、イチからもっと強い土井を作っていきたいと思います。もう少しシェイプアップした、土井を作ってあげたい」と補足説明した。
9・25で土井は、自ら「やらせて欲しい」とシーザー会長に直訴した大野と対戦する。「宍戸がああいう試合をして判定まで行ったので、自分はKOで勝つ」と意気込んだ。
また、土井は会見後にカーツトレーニングの成果で体つきがかなり変わってきた事を明かし、「総合の選手みたいな体になってきたので、PRIDE武士道にも殴りこもうかな。みんながMAXなので自分はPRIDEっていうのもいいかも。シュート・ボクセがあれだけ出来てますからね。寝技の練習をしないとだめですけど、投げて蹴ってもいいなら俺のローを顔面にぶち込む。まあ、話半分以下で聞いておいて下さい」と、冗談混じりながらも総合への挑戦もほのめかした。
●記者との質疑応答
ーーあえて後輩の宍戸選手が勝っている大野選手を指名した理由は?
土井「大野選手が宍戸との試合前に、自分と対戦してみたいというコメントをしていたのを聞いたからです。同じテクニシャンタイプ、サウスポーなので噛み合ったいい試合が出来ると思ったので、会長に指名しました」
ーーしかし、出直しの一戦としてはリスクが高いですよね?
土井「出直しというか、復帰の試合で一目見て弱いと分かるような相手とやってKOしても価値がない。大野選手は日本のトップランクに入る相手。それを倒してこそ新しい土井広之を見せられると思います」
シーザー「大野選手は宍戸とああいう試合をしているので、ファン、マスコミの皆さんにも分かりやすい試合になると思います。土井と宍戸の強さが比べられる試合になると思いますね。土井の価値観が分かりやすい。仲間同士でも競い合っていけば、もっと強くなるというのが協会の考え方です」
ーー土井選手が取り戻す前に、世界ウェルター級の王座決定戦が行われる可能性はあるんですか?
シーザー「世界の選手を増やして行くのが目標です。その中で宍戸が王座決定戦をやる可能性はあります」
ーー土井VS大野戦もSB対K-1という見方が出来ますが?
シーザー「K-1の事を考えていないと言えば嘘になりますが、あまり考えてはいません。K-1と絡んだからにはSBのグループの中でK-1のタイトルを獲りたかったというのはあります。通過点というか、避けては通れないものだと思っています。SBで育ったアンディ・サワーがチャンピオンになったのは嬉しいですが、日本の選手にもそこを目指して、追いつけ追い越せでやって欲しいですね」
ーー土井選手が世界タイトルを返上すると、対K-1の手駒が減るような感じはありませんか?
シーザー「いや、K-1はそんなに意識はしていません。でも、闘えと言われれば逃げる気はありません」
ーー日本人対決をやっていくという事ですが、特に意識している日本人選手はいますか?
土井「僕は他団体の選手に詳しいわけではないんですけど、気になるのは同じ階級の宍戸です。もし対戦する事になっても、逃げるつもりはありません。宍戸、菊地の大きな壁となって立ちはだかりたいと思っています」
ーー大野選手が勝った場合、来年のS-cupへの出場権を与えるという事もありますか?
シーザー「逆にS-cupにK-1の選手が参加しても面白いですね。アンディを狙ってくるかも知れないし。それでもいい」
ーールールや体重はどうなりますか?
シーザー「もちろんSBルールです。大野選手がSBだからタイツを履いて出てくれればいいんですけど。ヒジはK-1ではないので多分なしになると思います。体重は土井の方が軽い(69kg)んですが、71kgで受けると思います。当日は3〜4kg違うと思うんですが、それでも本人は大丈夫と言ってます」
土井「はい」
ーー返上のきっかけは6月のMAでゲンナロンに逆転負けをしたからですか、サワーがK-1
MAXで優勝したからですか?
土井「MAでの試合もありましたが、怪我から復帰してから、納得した試合が数試合しかなかったんです。実力を出し切れてないと。SBの世界チャンピオンに、日本人として唯一のチャンピオンにならしてもらったのに、世界チャンピオンの実力が出し切れてないという思いがありました。不甲斐ない試合をMAでしてしまったので、タイトルを返上して、男一匹実力ひとつでまたベルトを巻けるように、会長も自分もファンも納得できるような試合をして、ベルトを腰に巻きたいと思っています。アンディの優勝はベルト返上の理由とは違いますが、優勝したのは“よし、俺も頑張ろう”と、イチから出直して這い上がってチャンピオンになろうという気持ちを出してくれました」
ーー先ほど、新しい土井広之を出したいと言われましたが、どのように変わろうと思っているんですか?
土井「僕も強くなるための努力を、出稽古が嫌いとか言っていましたが、これからは外にも出て行って自分が強くなる練習を採り入れます。一番の弱さは精神面、集中力のなさだと思っているので、お寺に行って座禅を組んだり、滝を浴びたり…それが何になるのか分かりませんが、キツイ事をやって頑張りたいと思います」
シーザー「技術的には出来上がった選手ですから。若い時みたいに一つ一つの集中力がない。嫌な事、辛い事をしなくなった。人間は形が出来てくると驕ってしまう。出直すためにタイトル返上を本人から言ってきた事なので、先に素晴らしい事があると思っています。私は辛い事、嫌がる事をいっぱいやらせたい。ただ、練習が終わったら若手はジムの掃除をするんですが、彼も汗だくになったまま雑巾で鏡を拭いている姿を見て、こいつはやる気があるなと感じました」
ーー体調の方はどうですか?
土井「怪我をしてから膝が悪かったんですが、カーツトレーニングとかをして調子は戻っています。ただ会長の言われるとおり精神面の脆さ、弱さが出てきた。動きが若い頃に比べると動けなくなった分、精神力がカギだと思ってるんです。弱さが試合の中にも出ている。後藤(龍治)と闘った時みたいに、負けられない試合では実力が発揮できるのは、精神面の甘さ。後藤戦では出来たのに、他団体では出来ないのは心の弱さ、精神面の弱さだと思っています」
ーーそれに気付いたのはいつ頃なんですか?
土井「試合が終わって自分なりに反省してみて、ジレンマや悩みが前からありました。会長が言われているとおり、気を緩ませる精神や集中力のなさがあるからと気が付きました。反省してみて、分かりました」
ーー坊主になったのは初心に戻るという事ですか?
土井「反省坊主と言われています(笑)。心を入れ替える意味で坊主にしました。会長からは“お前はいつも格好から入る”と言われましたが、気持ちとしてやる気を出す意味で坊主にしました」
ーー坊主はいつから?
土井「MAでの試合前からやってたんですが、負けたのでもっと短くしました(笑)」
シーザー「坊主にしてあれだけだから、次は剃らないと(笑)。次は頭の皮を剥ぐくらいの気持ちでやらないとダメだね(笑)」
「SHOOTBOXING 20th
ANNIVERSARY SERIES 4th」
シュートボクシング協会
2005年9月25日(日)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00(予定)
<対戦決定カード>
前SB世界ウェルター級王者
土井広之(シーザー)
VS
ISKA世界ミドル級王者
大野 崇(正道会館)
出場予定選手/宍戸大樹(シーザー)
<チケット料金>
RS席10,000円 SS席7,000円 S席6,000円
A席5,000円 B席4,000円 ※当日は各500円増し
<チケット販売所>8月27日(土)より発売
イープラス=http://eee.eplus.co.jp/
CNプレイガイド=http://www.cnplayguide.com
シュートボクシング=03−3843−1212
チケットぴあ=0570−02−9999
ローソンチケット=0570−00−0403
後楽園ホール=03−5800−9999
フィットネスショップ=03−3265−4646
レッスル渋谷=03−3464−0078
板橋大山アメリカン=03−3962−6443
チャンピオン=03−3221−6237
書泉ブックマート=03−3294−0011
<お問い合わせ>
シュートボクシング=03−3843−1212
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