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【PRIDE】9・10 悲願達成のミルコ「昨日は地獄のような挑戦だった」

2006/09/11



 9月11日(月)都内ホテルにて、昨日埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催されたDSE主催『PRIDE無差別級GP2006 決勝戦』の一夜明け会見が行われた。会見はファンクラブメンバーが一部参加する形となり、DSE榊原代表、高田統括本部長、そして無差別級GP王者のミルコ・クロコップ(クロアチア)、GP準優勝のジョシュ・バーネット(アメリカ)が出席した。

 会見は高田統括本部長の挨拶からスタート。高田統括本部長は一言一言を噛み締めながら、昨日の激闘を振り返った。

「あのレベルの中で一夜にして2試合を戦い抜いた、PRIDE無差別級GP初代王者のミルコ・クロコップ選手、そして今大会で間違いなくMVPだったジョシュ・バーネット選手。ファンと我々を代表してお疲れ様でした、ありがとうございました。われわれに生きるエネルギーと最高の感動を与えてくれて、ありがとうございます。

 ミルコ選手は自らの誕生日を人生最大の贈り物で締めくくった強運。運は自分から掴み取らなければいけないんですが、ドラマティックな締めくくりと、彼の新たなロードが始まることにおめでとうございますと言いたい。そして今日は気持ちよく記者会見に出席していただいてありがとうございます。

 昨日のイベントを振り返ると、無差別級GP準決勝の2試合と決勝につきると思います。世界最高レベルのファイターが世界最上級の試合を提供してくれました。4万人以上の人が集まってくれて、PRIDEというイベント自体が荒波におかれている状況で、世界中の格闘技MMAファンの注目を集める中、どれだけ万全な舞台を用意しても、闘うファイターが最高レベルのものを残してくれなければ、イベントは成功しません。

 その意味では昨日の無差別級GP3試合につきます。PRIDEの聖地、世界最高峰のリングが、彼らの全人生をかけた闘いによって、さいたまスーパーアリーナに姿を現したと実感しました。

 それと同時に最高の試合があった中で、最低とまでは言わなくとも非常に落差のある試合を見なければならないハメになりました。大会を作っている我々からすれば、試合は生ものと言いながらも、ここまでの選手が勝つために大きなリスクを犯して向かっていくというところから、大きなエネルギーが生まれ、勝ちにつながり、負けても絶賛される。そういう想いがまだまだ全選手に浸透しきれていないということも実感しました。

 あえて名前を出しますけど、西島、中尾、中村。いい物を持っているわけですから、無差別級GPで闘った選手たちに負けない生き様・魂を見せて欲しかったなと思います。昨夜はすべてが成功ではなく、そういった課題を残しながらも、10月のラスベガス、11月の横浜アリーナ、そして男祭りへ。ここにいる最高レベルのアスリートに負けないように、我々は軌道修正し、イベンターとしてやるべきことをやっていかなければならないと思います」

 高田統括本部長の挨拶を受け、「ファンのみなさんがいる会見の場にミルコ選手が来てくれるのは非常に稀なことです。僕らも今回だけはミルコ選手の気持ちを自分の言葉で聞きたいと思いましたし、ジョシュ選手にしても、あれだけの試合をした中で、体に鞭を打って会見に来てくれたことを心から感謝したいと思います」と、ミルコとジョシュに敬意を表した榊原代表。

「個人的に大会を通じて一番感動したのは、ミルコ選手にベルトを巻いた時に、彼の目から溢れる涙を見て、彼の感動が僕にも伝わりました。目標を諦めずに何度転んでも起き上がるミルコ選手に僕自身が勇気を与えられた試合だったと思います」とミルコのGP優勝を祝福した。

 そしてここでGP準優勝のジョシュが挨拶。「ファイターであれば誰でも負けることは嫌。しかしファイターは誰でも挫折を経験するもの。ゴールは目の前にあるのに、届かない、掴めないことがある」と悔しさを見せたジョシュ。

 しかし「ノゲイラ、シウバを倒して決勝戦に勝ち進んだということは、一日で二度チャンピオンシップを闘ったことと同じ。昨日、ミルコ選手は最高のコンディションで、昨日のミルコ選手を負かすことは不可能だったと思う。そんなミルコ選手と闘えたことは非常に光栄だった」と、晴れやかな心境であることを明かし、「記者会見の前に親しい友人が『昨日の試合には感動した』と涙を流したのを見て、少し心が打たれたけれど、アメリカに帰ってまたトレーニングを続けて、必要なものを修正し、より強いファイターになり、いつかまたチャンスが与えられらばタイトルを取りたいと思う」と、次なるステップへ向けての意気込みを語った。

 そして悲願の無差別級GP優勝を果たしたミルコは、「アスリートとしてやっと自分の夢が一つ叶った。届きそうで届かなかった夢、ずっとトレーニングを続けながら追いかけてきた目標、何度も挫折を経験したけれど、今日この場でチャンピオンとして挨拶できることをうれしく思う」と、ここまでの道のりが決して平坦ではなかったと語り、「地獄のようなトレーニングを積んできて、一晩でこのクラスの選手を一人退けて、ジョシュと闘うというのはまさに地獄のような挑戦だった。だからこそこの勝利には味があると思う。今までサポートしてくれた日本とクロアチアのファンのみなさん、ありがとうございます」と、ファンへメッセージを送った。以下、質疑応答。

――昨日、リング上で涙を流した時に頭をよぎったことは何ですか?

ミルコ「ただ涙が溢れ出てきたというだけで、特別に何かが頭をよぎったことではない。それにしても皆さん、なぜそんなに涙のことばかり聞くのでしょう(苦笑)」

――試合が終わった後はどう過ごされていたんですか? 家族とはどんな話をしたんですか?

ミルコ「チームメイトと食事に行って、少しお酒を飲み、激闘の後だったので、自分だけ部屋に戻った。しかし全く眠ることができず、考えてみればこの二日間はほとんど寝ていないように思う。

 母や妻に電話したんだけれど、彼女たちもテレビで試合を見ていて、電話していた時は泣いていたよ。家族のことなので、話の内容は明かせないが、クロアチアでも大変な騒ぎになっていることは聞いた」

――チャンピオンとしてクロアチアでPRIDEの大会を開催したいという気持ちはありますか?

ミルコ「もちろんその気持ちはある。それだけじゃなくMMAというスポーツをクロアチアに普及したい。現在、クロアチアの地上波テレビがPRIDEを放送しているけれど、健全な心と体を持つ若者に育ってもらうためにも、このスポーツを発展させる原動力になりたい」

――ヴァンダレイ・シウバの状況について教えてください。

榊原代表「シウバはもうブラジルへ向かっていて、まだ空港にいる時に電話で話をしたんですが、体の検査を終えた中では、そんなに大きなケガはなく、3週間ほどで治るという診断が出ています。本人も心は全く折れていないので、一日も早くカムバックできるように頑張ると明るく話していました。負けはしましたが、自分にとっても最高のパフォーマンスだったし、イベントが盛り上がっていたことを喜んでいました」

――5年前のヴァンダレイ戦ではブーイングの中で闘いましたが、昨日は大歓声に迎えられました。その環境の変化についてはどう思っていますか?

ミルコ「私は今本当のPRIDEファイター、その一言だと思う」

――無差別級GP制覇という目標を達成し、次は何を目標に闘っていきますか?

ミルコ「先のことよりも、今はとにかく休みたい」

――ミルコ選手から「ジョシュ選手と練習したい」という要望がありましたが、ジョシュ選手はミルコ選手に何を教えたいですか? 逆にミルコ選手は何を学びたいですか?

ジョシュ「それに答えるのは難しいね。ミルコが何を学びたいかによるし、お互いが分かっていないこと、知りたいことはたくさんあるだろうから。バックボーンは違うけれど、究極的には総合格闘家として活動しているので、色んな可能性があると思う。あとクロアチアはビーチが綺麗だから、是非行ってみたいね(笑)」

ミルコ「もし二人が練習することになれば、総合格闘家として様々な面で大きなメリットを生むことになると思う。すでに3度ジョシュとは試合をしているので、もう試合はしなくていいと思う。とりあえずクロアチアに来てもらえれば、ドアはいつでも開けているよ」

――グラップラーであるジョシュ選手にとって、ストライカーのミルコ選手と闘うことは難しいことなんでしょうか?

ジョシュ「試合においてグラップラーVSストライカーと分類できるほど簡単じゃない。これまでグラップラーと闘って簡単に勝ったこともあるし、ストライカーと闘って簡単に勝ったこともある。だから試合を決めるものは対戦相手であって、ノゲイラ、シウバ、ミルコと闘うことは簡単ではないんだよ」

ミルコ「ジョシュからは総合格闘技の打撃においても非凡なモノを感じた。私は周りに自分からグラウンドに行くことはないと思われていたけど、昨日の試合で私は自らグラウンドでも闘うところを見せたと思う。

今の総合格闘技、特に最強を決めるPRIDEのリングでストライカーやグラップラーというカテゴリーに選手を押し込むことは無理。本当のオールラウンダーにならなければ、このリングでは勝ち残れないことを自分はこの数年間で学んだ」

――ジョシュ選手はもうミルコ選手と闘うつもりはないですか?

ジョシュ「結局、誰を倒すかではなくて、自分のゴールを達成できるかに尽きると思う。自分のゴールは最高のファイターになるということで、これまで自分からミルコと闘いたいと言ったことはない。

 ミルコに対しては感情的なもつれはないし、尊敬もしている。お互いファイターとして試合をしなければならない時もあるけれど、自分から望んでリベンジしたいという気持ちはない。将来的にリマッチの要求があれば、それをコントロールすることはできない」

●ファンからの質問
――準決勝という結果に終わりましたが、58万円のケンシロウ等身大フィギアを買う意志はありますか?

ジョシュ「優勝のご褒美として買おうと思っていたけれど、準優勝だったから次回までとっておくよ」

ミルコ「私は武論尊先生と知り合いだから、そのフィギアが安く手に入るように交渉してみる(笑)」

ジョシュ「アリガトウゴザイマス(笑)」

――息子さんとはどんな話をしますか? 普段はどのように息子さんと過ごしているんですか?

ミルコ「息子はまだ2歳半だけど、私が何をしているかは理解していると思う。私にとって最も大切な時間は息子と過ごす時間で、一緒に犬の散歩に出かけて森を歩いたりする。息子と過ごす中で、私から何かを学んで欲しいと思う」

DSE
「PRIDE.32 "THE REAL DEAL"」(日本での名称)
「PRIDE "THE REAL DEAL"」(アメリカでの名称)

2006年10月21日(土)アメリカ・ラスベガス トーマス&マックセンター
開場16:00 開始18:00(予定)
※すべて現地時間

<決定対戦カード>

エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル)
VS
マーク・コールマン(アメリカ/ハンマーハウス)

マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)
VS
ケビン・ランデルマン(アメリカ/ハンマーハウス)

<出場予定選手>
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
ジョシュ・バーネット(アメリカ/フリー)
藤田和之(日本/フリー)
フィル・バローニ(アメリカ/ハンマーハウス)
中村和裕(日本/吉田道場)
パウエル・ナツラ(ポーランド/高田道場)

PRIDEラスベガス大会、観戦ツアー!

<日程>

10月19日(木)〜10月23日(月)

<旅行代金>
一般 158,000円
ファンクラブ会員 150,000円
※チケット代金は含まれず

<チケット料金>
$700、$500、$300、$100、$50
※1$=115円と換算し、旅行代金と共に入金

<最小催行人員>
30名
※添乗員は全行程に動向
※大会終了後のフェアウェルパーティに参加可

<お問い合わせ・お申し込み先>
近畿日本ツーリスト(株)東京事務センター
TEL:03-6730-3222 FAX:03-6730-3230 メール:tourdesk45@or.knt.co.jp
〒110-8757 東京都台東区台東4-27-5 秀和御徒町ビル3F
「炎のPRIDEスペシャルツアー」係
営業時間:月〜金 9:30〜17:30(土日祝日休み)
総合旅行業務取扱管理者:松田真
※ツアー詳細はこちらから≫http://www.prideofficial.com/free/special/tour/

【関連リンク】
≫PRIDE公式サイト
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