12月11日(月)東京・チャンバーズTOKYOにて記者会見が行われ、数見肇、岩崎達也、阿部裕幸が出席し、RKJの総合格闘技部門ライコンドーの設立を発表した。
ライコンドーとは「空手道数見道場」と「日本拳学会」が統合してできた「日本武道空手拳学連盟RKJ」がプロデュースする総合格闘技で、RKJで代表師範を務める数見と最高師範を務める岩崎の「打撃で勝つ」総合理論から生まれたもの。
ライコンドーという名称は、上昇を意味する英単語の“ライズ”、魂の“コン”、そして道の“ドー”を組み合わせて付けられた。数見と岩崎はライコンドー設立の経緯についてこう説明する。
「現在、空手と言えばフルコンタクトのイメージがありますが、元々空手には総合武術としての面がありました。
私はフルコンタクト空手をやっていく上で『空手は何なのか?』という疑問を持っていました。今回、ライコンドーを設立し、空手の技術を検証するために、総合格闘技に挑戦することが最適だと考えました」(数見)
「93年にUFCが出てきて、これは無視できないなと思いましたし、いずれはやらなければならないと感じました。
私が空手を始めたのは空手の大会で勝ちたいからではなくて、あらゆる格闘技に勝ちたいという気持ちからです。UFCには空手バカ一代の原風景がありました。
私は7年前に空手を引退して、阿部さんに総合格闘技を学び、総合格闘技という出稽古の卒業試験としてヴァンダレイ・シウバと闘いました。現在、空手のエッセンスを取り入れた総合格闘技を指導しています。フルコンタクト空手だけをやっていればそれだけですが、総合格闘技という環境に順応することが出来れば空手の技術は使えます。これは打撃系格闘技ではなくて、打撃だけの格闘技。総合格闘技で勝てる空手の選手を作ります」(岩崎)
そしてRJW在籍時に岩崎に総合格闘技を指導した阿部が、ライコンドーにアドバイザーに就任。阿部は「当時から岩崎さんと総合格闘技について話をしていました。技術的な部分でライコンドーを強くするアドバイスをしていきたい」と語っている。
チャンバーズ内で行われた技術講座では“相手を威嚇する圧倒的な打撃力を身につけている”という前提のもと、タックルやパウンドの対処法、総合格闘技における独自の打撃を披露。
「見た目だけでは他の総合格闘技の練習や動きとは違いがないように見えるかもしれません。しかし選手個人が出来ること、出来ないことを抽出し、そこに空手のエッセンスを入れるわけです。
具体的には、間の取り方、相手の動きを観る、打撃における筋肉ではない“中”の回転力になります。この2年間、私たちがやってきた技術を総合格闘技に生かすためには苦労しましたが、ほぼそれは固まりました」(岩崎)
すでにチャンバーズTOKYO内でクラスはスタートしており、アマチュア修斗にも選手が出場しているライコンドーだが、当面の目標はアマチュアで勝つ選手を作ること。具体的な活動方針として岩崎は「選手を預ける側としては、しっかりとした理念を持っているところでなければ選手を(試合に)出せない。そこでまずはアマチュア修斗一つに絞って、選手を出していこうと思っています。
大会というハードを作って、そこに選手を呼ぶことはライコンドーの選手を甘やかすことにもなる。他流試合で勝たなければ意味がない。まずはアマチュアで勝つこと、アマチュアで全日本クラスを輩出していけば、自ずとプロの舞台でも活躍する選手になると思います」と説明した。
なお総合格闘技参戦も期待される数見だが「私が試合をするつもりはありません。今までは俺が俺がというところもありましたが、これからは自分を捨てて、若者に夢を与えたいと思います」と、自身の総合参戦は否定している。
RKJではライコンドー以外にも、武道空手部門として空手道数見道場、健康部門として武術ヨガクンダリーニョMAを展開。競技としての格闘技だけでなく、武術や道としての格闘技を追求していくことも活動の目的に掲げている。またRKJには“TAO
of FIGHTING NETWORK”という名のもとに、流派や団体に関係なく、またこれまで磨いてきた選手育成や道場指導におけるノウハウを幅広く伝えることも視野に入れている。
|