7月6日(金)東京・スクランブル渋谷にて、柴田勝頼(ARMS)が公開練習を行った。柴田は7月16日(月・祝)神奈川・横浜アリーナで開催されるTBS主催『OLYMPIA HERO’S
2007 開幕戦 ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦』にてハレック・グレイシー(ブラジル)と対戦する。
師匠である船木誠勝と共に打撃のミット打ちとグラップリングのスパーリングを行った柴田。通常のミット打ちではなく、船木がタックルに入るフェイントを入れたり、距離を詰めたところにパンチを打つ返させるなど、かなり実戦に近いもの。
グラップリングのスパーリングでも軽くパウンドや蹴り上げを織り交ぜた実戦形で、スパーリング中に船木が「ヒザ蹴りを入れろ」「頭の位置を意識しろ」など、かなり細かい指示を出す。また船木は、両手を前に出して顔を遠ざけるグレイシー独特の構えから胴タックルに入るなど、仮想ハレックの動きも織り交ぜて、ハレック対策の一端を垣間見せた。
そして練習内容以上にマスコミ陣を驚かせたのが練習時間の長さ。練習時間は公開練習としては異例とも言うべき30分以上に及び、またその間のインターバルはゼロ。汗で濡れた練習着を着替える以外は、常にリングの中で体を動かし続けていた。
公開練習後、囲み取材に応じた柴田と船木。最初の質問はやはり練習時間と内容についてのもの、船木はその質問について「昨日はかなりハードにやったので今日は緩めです。約1時間半くらいはぶっ続けで練習しますね。休憩を入れないのは、集中力を切れさせたくないからです。練習内容については打撃だけの時もあれば、組技だけの時もある。あとは今日のように組技の中でも少し打撃を入れながらシチュエーションを考えてやるスパーリングですね。何でもありの練習は柴田の体調を見てやっています」と答える。
試合までのスケジュールとしては、明日・明後日を軽くオフの日とし、月曜日にランニング中心のメニュー、そして火曜日にもう一度激しい練習を行い、後は大会当日に向けて疲労を抜いていくという。現在のコンディションについて「普通です…ちょっときついくらいですね」と苦笑いを浮かべた柴田。
しかし練習を始めた頃に比べれば、柴田のスタミナは確実に上がっており「練習を始めた頃は3分5Rのミット打ちでも疲れが出ていて、スパーリングをする頃にはヘトヘトだったんです。でも今はもう別人です。
普通は新弟子として入ってきたら1年は基礎体力と技術を覚えさせるのですが、柴田はプロでやってきたものがある。それが差になっていて、成長は早いですよ」と、船木も柴田の成長振りに太鼓判を押す。山本宜久戦で痛めた拳もほぼ完治しており、船木曰く「力の抜き加減が分かって来て、パンチも強くなっています」という。
対戦相手のハレックについては数年前の映像しかなく「まだ15歳くらいで子供だった。体も大きくなっているだろうし、実際は(ビデオとは)全然違うと思います」と柴田。具体的な対策を立てることは難しくなるが、グレイシーが相手だけにグラウンドに持ち込ませずに打撃かパウンドで仕留めたいところだ。船木はハレック戦の戦術について以下のように話す。
「まともに関節技の取り合いをしたら相手の方が上手い。でもこれは総合格闘技の試合ですから、総合の動きでどれだけ戦えるか。柴田には一番得意な部分を活かして欲しい。柴田が殴ろうとしてバランスが崩れたところにタックルに入られると不利になる。でもタックルだけなら柴田は倒れないと思うんです。だから変な言い方かもしれませんが、率先して殴らない。冷静なんだけど神経はピリピリさせておくというか、反応が今回のテーマになるでしょうね」(船木)
「(勝つイメージは)色んなことを考えていて、自分に合った戦い方をするのが一番だと思うんです」と柴田。
パウンドについて話が及ぶと「得意かどうかは分かりません」と言葉を濁したが、船木は「かなり強いですよ。スパーリングする時は『本気で殴らないで』ってお願いしますから。上手く相手の顎先をかすれば、一発で失神するかもしれません」と柴田のパウンドの威力について説明した。
さらに船木は「キャリアとか年齢に関係ないミラクルパンチがあるんです。それは勘で打つもので、殴ろうと思って殴れるものではない。殴ろうと思って殴ると相手もディフェンスするし、思い切り殴れないんです。そこに相手の顔がある、自分の手が空いている。それで自然と殴る。そういった本能で戦って欲しいですね」とパウンドで相手を失神させる=本能が必要と解説。
そしてその本能という部分について「柴田は野獣です。スパーリングでもこれを押さえるのが大変で、スパーリングでも一発いいパンチをもらうと野獣になりそうになるんです。だからそれを試合で出せるようにしたいですね。選手の中にも練習と試合で違うタイプがいて、柴田もそのタイプ。勘で動くという部分では近藤(有己)に似ていると思います」と、柴田の中に眠る野生の勘を高く評価した。
また船木と言えば本を出すほど肉体改造に関して知識豊富な人物。山本戦の前には鶏肉中心の節制した食生活で、柴田の体を見事に鍛え上げたが、今回は少し違う。
「節制はしているんですが、今回は無差別級の試合でもあるので、疲れたらその分食べるようにしています。だから鳥だけじゃなくて牛も食べます。前回の試合前も牛を食べましたし、牛も強いですから(笑)。サーロインステーキを食べる時もありますよ」と、新肉体改造理論を展開した。
まだ追い込み段階だったためか、口数の少なかった柴田だが、練習着を着替える際に露になった上半身を見る限り、山本戦以上にビルドアップされており、コンディションは上向きの様子。船木と二人三脚で悲願のグレイシー越えに挑む。
TBS
「OLYMPIA HERO’S2007
ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦」
2007年7月16日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ
開場15:00 開始16:00
<決定対戦カード>
▼HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
VS
永田克彦(日本/新日本プロレス)
▼HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
所 英男(日本/チームゼスト/ZST GT-F王者)
VS
ブラックマンバ(インド/フリー)
▼HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
宮田和幸(日本/フリー)
VS
ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノヴァウニオン)
▼HERO'S2007 ミドル級世界王者決定トーナメント1回戦 5分3R
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム/HERO'S2006ミドル級王者)
VS
アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
▼スーパーファイト
勝村周一朗(日本/勝村道場)
VS
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールド・ファイト・センター)
▼スーパーファイト
柴田勝頼(日本/ARMS)
VS
ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)
▼スーパーファイト
ユン・ドンシク(韓国/フリー)
VS
ベルナール・アッカ(コートジボアール/フリー)
<出場予定選手>
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
金泰泳(日本/正道会館)
<チケット料金>
SRS席23,000円/S席13,000円/A席6,000円
<チケット発売場所>
チケットぴあ 0570-02-9999
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:32222)
CNプレイガイド 0570-08-9999
キョードー東京 03-3498-9999
イープラス http://eee.eplus.jp
<チケットに関するお問い合わせ>
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