3月3日(火)東京・千代田区にある三菱ビル10Fにて、UFC参戦が決定した秋山成勲が記者会見を行った。会見には秋山、(株)クラウド秋山道場の川端一成CEOが出席した。以下、記者との質疑応答。
――プロデビューから約4年間、日本で戦い続けてきたわけですが、秋山選手にとってはどんな時間でしたか?
「まず自分にとってマイナスなことは何一つないと思ってます。色んな経験もしましたが、それもこれも今の自分がここにあることは、その経験があったからこそだと思ってます。プラスこれから自分の中で(UFC参戦が)夢に変わるんだなということをすごく感じた部分もありますし、ワクワクもしますけどそれ以上に不安もあります」
――今年の夏にデビューする予定ということですが、具体的にどの大会でという話はあるのでしょうか?
「UFCは大会を1月半くらいのペースでやっていると思うんですけど、それで言えば7月か8月になると思います。しっかりした予定はまだ具体的に話をしてなくて、自分はそのくらいの時期で大丈夫だという話をしています」
――UFCとは何試合契約ですか?
「6試合です。日本もそうですがアメリカはやっぱり契約社会で、すごくキッチリしているなということを感じました。もちろん自分の体と相談しながらだと思いますし、どうなるかは分かりませんが、出来るだけ多く試合をしたいですし(6試合契約は)妥当なんじゃないかなと思います」
――日本や韓国でUFCの試合をしたいという気持ちはありますか?
「あります。UFCがアジアに進出したいという考えはダナの中にもあると思います。その中で日本や韓国での大会開催を視野に入れて、自分を獲得したのかなとも一瞬、思いました。でもそれを抜きにしてもUFCという素晴らしい団体を日本や韓国に広めることによって、(格闘技を)見てくれる人が1人でも増えることが僕の役目だと思っています。なので日本・韓国でUFCの試合をやりたいですし、何か活動があれば積極的に参加したいと思ってます」
――マッチメークに関してはUFCサイドが提示した相手と戦うということになるんですか?
「何人か候補がある中で選ぶのか、完全にUFCが出してきた相手とやるのか。それは具体的にはまだ分かりません」
――最初からトップレベルの選手と戦いたいですか? もしくはある程度、段階を踏んでから戦いたいですか?
「僕の認識の中では全員が全員強いと思っているんで、弱い選手で段階を踏むということはないと思います。もちろんチャンピオンが一番強いと思っていますが、その下もハイレベルなどんぐりの背比べだと思うんで、その中に自分がどれだけ通用するのか。正直、自分の実力がどれだけあるのか分からない部分もあるんで、未知な世界だと思ってます」
――UFCを見ていて日本の大会よりもレベルが高いと感じますか?
「日本にもスキルの高い選手もいるし、世界で通用するトップのファイターもいるとい思いますが、(UFCは)戦い方や全体的な雰囲気を見てもレベルが高い部分があると思います」
――その中で自分はどのくらいのレベルに位置しているか考えることはありますか?
「自分の階級にどんな選手がいるのか全員を把握しているわけではないので、自分がどの位置にいるかは分かりません。謙遜するわけではないですが、自分が一番下だと思ってやらないと勝てないと思います」
――UFC参戦にあたりアメリカで練習することも視野に入れていますか?
「はい、考えています」
――先ほどUFCをメジャーリーグに例えましたが、メジャーに挑戦する選手は「アメリカ流にスタイルを変える」という選手もいます。秋山選手はどのように考えていますか?
「自分のスタイルを貫き通すのも、それはそれで素晴らしいことだと思いますが、自分の中で色々な世界で生き延びていくためには常に変化しなければいけないと考えてます。それが人間が最終的に生き残る術だと思っているんで。アメリカに行けばアメリカの色に染まりながら、自分の魂をしっかり持ってどんどん前に進むことで、一番強くなれるし、一番楽しくやっていけると思います」
――道場の後輩でもあり、総合格闘家としてアメリカでの活動を考えている石井慧選手とは何か連絡を取りましたか?
「最近はほとんど連絡を取っていなくて、新聞などでしか見ることはなくなってしまったんですが、彼自身はまだどの団体に上がるかは決まってないんですよね? なのでしっかりとどの団体でやるのかを決めて、それに向けてしっかり練習してもらえれば、先輩として安心できるなという気持ちです」
――試合は体重はこれまで通りのミドル級(83.9kg以下)ですか?
「はい」
――フィジカル的なことを考えてウェルター級(77.1kg以下)に下げようと考えたことはありましたか?
「正直、ありました。どの選手を見ても減量をしていますし、チャンピオンを見てもすごく体がデカい。100kgくらいから(ミドル級に)落としてくる選手がいるという話も聞きます。体力的に劣る部分もあると思ったんで、ウェルター級の方が自分に合うんじゃないかということも頭をよぎりましたが、そこまで減量が出来るかなという不安の方が大きかったです。
ウェルター級であれば今から10kgくらいは落とさないといけなくて、そこまで体重を落としたことがありません。ウェルター級の体重は自分が大学に入った頃の体重だったんで。それをUFCの一発目に持ってきて、潰れてしまうのはどうなのかなと。それだったら自分が動ける体重で挑戦した方が納得がいくんじゃないかなと思っています」
秋山は4月18日(土)にカナダ・モントリオールで開催される「UFC97 REDEMPTION」に来場予定で、ワールドテレビジョンフィールドを通じて紹介されることも決定。また近日中に自伝を出版することも発表されている。
※会見全文(3)に続く
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