3月3日(火)東京・千代田区にある三菱ビル10Fにて、UFC参戦が決定した秋山成勲が記者会見を行った。記者との質義応答に応じた秋山は会見後も囲み取材を行い、UFC参戦への心境を語った。以下、囲み取材全文。
――現地では何度UFCを観戦されたんですか? また大会を生で見ての感想はいかがですか?
「現地で見たのは1回だけで、また向こうで見たいと思っています。柔道時代にも色んな国で試合をさせてもらったんですが、日本と海外では応援の仕方や会場の雰囲気が違うということは知ってました。海外で試合をするのは当時から好きで、またあの雰囲気を総合格闘技で感じられるんだなと思うとうれしくなりました」
――UFC参戦に至るまでの間に、国内外の他団体との契約を考えたことはありましたか?
「自分から団体に対して話をしたことはないです。例えば戦極の國保さんの発言をメディアを通して目にしたことはありました。吉田(秀彦)先輩と戦いたいとか、三崎(和雄)選手と試合をしたいという部分で(戦極参戦も)視野には入れていましたが、それよりも一度、海外に出ることの方が僕の中では大きな意味があるんじゃないかなと思いました」
――FEGと契約を延長するという選択肢もあったんですか?
「もちろん、それも視野に入れていました。ただ一度、フラットになって考えてみたいと思いました」
――UFCサイドから秋山選手を日本や韓国といったアジア大会での柱として期待するといった発言をありましたか?
「会話が英語だったんでどうなのかは分からないですけど、UFCは絶対にアジアに進出しようとしていると思うんですね。韓国でやるにしてもデニス・カーンがいて、僕がいれば、韓国でも盛り上がると思いますし。あくまで憶測ですが」
――ヒジあり、ケージでの試合についてはどう考えてますか?
「自分は慧舟會さんで練習させてもらっているんですが、慧舟會の選手はそのルールで戦っている選手ばかりなので、教えてもらうことがまた一つ増えたなと思って、練習に行くのが楽しみです」
――UFCで活躍している岡見選手から、具体的なアドバイスはもらいましたか?
「参戦が決まってからはまだゆっくり話す機会がなくて、岡見君には『秋山さんがUFCに来てくれたらうれしい』と言ってもらいました。UFCに参戦経験がある宇野君とも少し話はしました」
――その岡見選手は秋山選手と同じ階級になりますが、意識することはありますか?
「僕はUFC初参戦で、年は下ですけど岡見君の方が大先輩だと思います。実力もそうだし、まだまだ自分が敵う相手じゃないなと思います。だからこそ練習のしがいがあるし、刺激して得るものもたくさんあるんで、また違った意味で岡見君を見ることが出来ると思います」
――実際にUFCで戦うことになり、今までよりも試合の見方が変わると思いますか?
「はい、もっと細かく見ていくことになると思いますね。選手の動きだったり、会場の雰囲気だったり」
――4月にカナダに行くそうですが、どこかで練習する予定はありますか?
「まだ考えてはないですが、練習場所を見に行ったりはしたいなと思います」
――練習してみたい選手やジムはありますか?
「(ジョルジュ・)サンピエールやBJ・ペン。軽い階級で戦っている選手の動きを見たいなと思ってます」
――マッチメーク次第だとは思いますが、現時点で戦ってみたい選手や興味がある選手はいますか?
「最終的にチャンピオンとやりたいというのもありますけど、岡見君が頑張っているんで、もし岡見君がチャンピオンになれば、それに挑戦したいという気持ちもあります。それも僕の中では夢があっていいんじゃないかなと思ってます」
――PRIDEで活躍したヴァンダレイ・シウバもミドル級に階級を下げるという噂もありますが。
「ああ、そうですよね。その話は聞きました。もしそうなるんだったら(ヴァンダレイとも)戦ってみたいと思います」
――秋山選手の年齢と6試合契約ということを考えても、アメリカで結果を残すということにはこだわりたいですか?
「そうですね。それで日本の格闘技が盛り上がるかどうかは分かりませんけど、日本を盛り上げるために、何か違ったものを持って変えてくることが出来たら、それが6試合でもいいと思うし、決してそれが多いとは思ってません」
――FEGとの契約が切れた11月以降はどのような練習をされていたんですか?
「普段通り、何も変わることなく練習してました。もしかしたらUFCに行くかもしれないということでヒジ打ちの練習もしてましたけど、それも『興味がある』という程度のものです」
――自伝も出版されるということですが、他に格闘技以外の活動は決まっていますか?
「今まで自分が感じたことや経験したことを本で出したつもりなんですけど、そこから何か広がるのか。例えば単純にテレビに出たり、韓国に行って韓国の人たちにUFCを知ってもらったり、日本の人たちに知ってもらったり。日本で民放がつくことはないかもしれないですが、WOWOWの加入者が1人でも増えたらなと思います。スケジュールはまだ決まっていませんが、まずは自伝の出版になります」
――韓国で会見を行う予定ですが、どんなことを韓国のファンにアピールしたいと思いますか?
「韓国にも僕のことを応援してくれる人は多いので『また挑戦しにいきます』ということを報告したいです」
――日本のファンに向けてメッセージはありますか?
「挑戦することを忘れず、どんどん前に進みたいと思います。今は不況ですけど、そういう気持ちを持っていれば景気も回復するでしょうし、格闘家にも何か景気のいいことが起こるんじゃないかなと思います。そこでまず自分はアメリカに行って頑張ってきます」
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