6月21日(日)東京・後楽園ホールで開催される全日本キックボクシング連盟GM・小林聡プロデュース『野良犬電撃作戦2009』にてWPMF世界バンタム級2位の藤原あらし(S.V.G.)と対戦するプロムエタイ協会バンタム級王者ガンワンレック・ペッティンディー(タイ)の最新情報が届いた。
ガンワンレックは6月5日にルンピニースタジアムでベテランのナルナート・センシンイュウジム(タイ)と対戦。ガンワンレックは持ち前の破壊力ある蹴り技でナルナートを圧倒、最後はヒジ打ち一発でナルナートをマットに沈めている。試合詳細は以下の通り。文・写真=(C)「シンラパ・ムエタイ」Hiroshi
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「スック・ルンピニーチャンピオングリッククライ」 2009年6月5日・ルンピニースタジアム ▼セミファイナル(第4試合)118P契約 ○ガンワンレック・ペッティンディー(タイ) TKO 5R ●ナルナート・センシンイュウジム(タイ) この対戦、ガンワンレック33歳に対し、ナルナートは35歳になったばかり。試合前のガンワンレックは「ムエタイ界の最高齢対決だ」と笑い飛ばしたが、ガンワンレックがムエタイを始めたのは14歳の頃。幼年期からの経験の積み重ねがモノを言うムエタイでは、始める時期があまりにも遅すぎた。それだけでも驚きだが、彼がムエタイ選手としての道を選んだ理由にも驚かされた。 「毎週日曜日の7chのテレビマッチを夢中になって見ていて、自分もモリングに上がりたくなった」というのだ。だからといって14歳からムエタイを始めてしまうところが、なんとも凄い。
ガンワンレックは早速、近所のジムで必死に練習したが、なにせ彼の地元ナコーンラチャシーマー県は、ちびっこムエタイのメッカ。14歳からムエタイを始めたような青年がついていけるような容易なレベルではない。 それでもただひたすら練習を重ねると、当時ゴーンビポップがいたシックオァージムからスカウトがかかった。
ガンワンレックは当時の自分を「まさかルンピニーのメインで闘えるなんて思ってもいなかった」と振り返るが、その当時から指導してきたトレーナーのウー氏は「彼は凄く練習熱心で超真面目だったよ」と、その練習振りを絶賛。著者がジムにインタビューしに行った日も、若手の2倍の筋トレ・補強に時間を費やし、練習を終えるのもジムで一番最後だった。 ガンワンレックの試合は常に肉弾戦だ。そのため気になるのは誰にでもある体の古傷(後遺症)だが「痛い箇所や調子の悪い所も全然無い。そのために毎日補強運動には時間をかけているから」との事。この日も7chテレビマッチの看板選手ナルナートを相手に、初回から激しい蹴りの攻防をみせた。ミドルキックなどの高い蹴りを得意とするナルナートと対照的にガンワンレックはローキックを中心に組み立てた。 そして3Rに入ったあたりでやっとミドルを蹴りはじめる。ガンワンレックの攻撃はいつもやや単発気味だが、それでも一発の重さには定評がある。ムエタイ界でさまざまな打撃の選手がいる中、ガンワンレックの打撃はポイントを取る為の攻撃ではなく、一発一発で確実に相手にダメージを与えていく打撃だ。4Rになり、重みのあるテンカオ(遠くからの膝蹴り)を刺すと、そこから急にナルナートの威勢の良さが消えていく。 最終5Rに入って後が無いナルナートが、形勢逆転へと攻撃を急いだ。距離を詰めてナルナートがパンチを叩き込もうとしたその次の瞬間、カウンターでガンワンレックの武器である左肘が強烈に決まった!
なだれ込むように倒れるナルナート…この一発で勝負が決まった。ガンワンレックTKO勝利だ。ガンワンレックが攻撃の切り札とする肘打ちだが、この日に出した肘打ちはなんとこの一発だけ。 長かった5Rの打ち合いの中でたった一度しか出さなかった肘で、それを確実に決めてKOするあたりが老練ガンワレックの真骨頂といえる。だからこそ、勝負の先が読めない選手として、常にギャンブラー席からの注目と期待を集めているのだ。 さて、気になる日本戦への抱負は「相手(藤原あらし)はヨックモラコットと引き分けたんだろ。じゃあ大丈夫だ。そのくらいの選手であれば僕が勝つよ」と自信満々の様子。しかし“あらしは後半戦に強い選手”と告げると、「大丈夫、僕の蹴りを3発くらい当てられれば、それで相手は怯んでいくと思うよ」などと安心しきった答えを返した。 もちろん油断などはしていないのだろうが、あらしのローやミドルのダメージが蓄積し、後半に苦しむガンワンレックの姿が目に浮かばない事も無い…あらしが昨年9月の対チャートピチット戦で見せたようなしつこさで向かっていけば、後半戦はあらしの試合展開になっていくはずだ。今から血なまぐさい肉弾戦への予感が… 勢天株式会社PRESENTS 全日本キックボクシング連盟 小林聡プロデュース「野良犬電撃作戦2009」 2009年6月21日(日)東京・後楽園ホール 開場17:00 開始18:00 ※本戦開始前にオープニングファイトは17:10〜 <全対戦カード> ▼メインイベント(第9試合) 全日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R 石川直生(青春塾/同級王者) VS 前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位/挑戦者) ▼セミファイナル(第8試合) 日本VSタイ 55kg契約 3分5R 藤原あらし(S.V.G./WPMF世界バンタム級2位) VS ガンワンレック・ペッティンディー(タイ/タイ国プロムエタイ協会バンタム級王者) ▼第7試合 日本VSタイ 59kg契約 3分5R 山本元気(DTS/全日本スーパー・フェザー級1位・元全日本フェザー級王者) VS ジャウメーオ・プンパンムアン(タイ/ラジャダムナン・スーパーフェザー級8位) ▼第6試合 日本VSタイ 55kg契約 3分5R 寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級王者) VS ノラシン・ルークバンヤイ(タイ/元ルンピニー&ラジャダムナン3冠王) ▼第5試合 スイスVSタイ 68kg契約 3分5R クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/全日本ウェルター級王者) VS ジャオチャラーム・シッカノックジム(タイ/WAKO-PRO世界ミドル級王者) ▼第4試合 60kg契約 サドンデスマッチ 3分3R延長1R 水落洋祐(はまっこムエタイ/全日本フェザー級3位) VS 歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級1位) ▼第3試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R 森井洋介(藤原/同級8位) VS 九島 亮(AJ/同級10位) ▼第2試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R 翔太(S.V.G./同級6位) VS 野間一暢(DTS/同級元9位) ▼第1試合 スーパーライト級(63.5kg) サドンデスマッチ 3分3R延長1R 渡部太基(藤原/全日本ライト級10位) VS 大石駿介(OISHI
GYM/J-NETWORKスーパーライト級2位) ▼オープニングファイト第4試合 フェザー級 3分3R 梅原ユウジ(REX JAPAN) VS 小山泰明(建武館) ▼オープニングファイト第3試合 85kg契約 3分3R MANABU(TEAM松富士) VS エド・リョーマ(ブラジル/バンゲリングベイ・スピリット) ▼オープニングファイト第2試合 ウェルター級 3分3R 小山佑介(STRUGGLE) VS 泰斗(GET
OVER) ▼オープニングファイト第1試合 バンタム級 3分3R 榊 克樹(韓道場) VS TARO(月心会) <チケット料金>
SRS席15,000円(完売) RS席10,000円 S席7,000円 A席5,000円
※当日券は各席500円増し。 <チケット販売所> チケットぴあ=TEL:0570−02−9999 イープラス=http://eplus.jp
後楽園ホール=TEL:03−5800−9999 全日本キック=TEL:03−3365−1171 http://www.aj-kick.com <お問い合わせ>
全日本キック=TEL:03-3365-1171 ●2009年全日本キック興行スケジュール
6月21日(日)後楽園ホール 7月24日(金)後楽園ホール 8月14日(金)後楽園ホール 9月22日(祝)後楽園ホール(※昼開催)
10月30日(金)後楽園ホール 12月11日(金)後楽園ホール |