1月7日(木)東京・目黒区の株式会社ワールドビクトリーロード(以下WVR)本社にて、SRC(センゴク・ライデン・チャンピオンシップ)の記者会見が行われた。会見には稲村角雄・営業統括本部長、飯田広報が出席。
まずは飯田広報より、大みそかに開催された『Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』で行われたSRC対DREAM対抗戦についての総評が述べられた。
「吉田VS石井戦ですが、経験の差が出たと思っています。石井選手へのファンの期待が大きいものがあると思いますが、1年の武者修行を経てのデビュー戦でした。もうちょっと出来たんじゃないかとの声も聞いていますが、柔道時代から順風満帆ではなく、困難を乗り越えて勝ち取った選手なので、長い目で見て今後の活躍を期待したいと思います。
対抗戦は4勝5敗で負け越しとなってしまいましたが、SRCを世に出す絶好のチャンスで選手たちは力の限り頑張ってくれました。ご存知の通り戦極ではカード発表を早めにしていましたが、残念ながら直前にカードが発表になった選手が負けてしまいました。もっと早い段階で発表して準備段階が出来ていれば違う結果になったと思っております。
泉選手はデビュー2戦目とは思えない試合運びで、お父さんが駆けつけての決死の試合だったと思います。去年10月のデビュー戦から成長著しいので今後が楽しみです。
小見川選手は体重の問題でいろいろありましたが、そういった雑音を自分で取り除き見事なKO勝利。さすがとしか言いようがない、見事な試合でした。
郷野選手は旧友でもあるマッハ選手との対戦で気合いが入っていました。公開練習でもマッハ選手への想いを言っていましたが、その想いを入場から爆発させました。郷野選手が言っていた入場、試合、マイクの内、マイクがなかったのが残念ですが良さを充分に出してくれました。
三崎選手は急な発表で戦略がなく、闘うだけと言って上がったリングでした。結果はKO負けでしたが、レフェリーのストップのタイミングは論点があると三崎選手の方から抗議を受けて、主催者の方が検討していると思いますので、回答を待ちたい。今後、どういう抗議文にするかなどを話し合って動きを決めたいと思います。
所選手と対戦したキム・ジョンマン選手ですが、当初はサンドロ選手にスカッと勝っていただきたいと思っていましたが10日前の怪我で欠場となりました。その中でジョン・チャンソン選手の実力を我々も認めているのでオファーをしましたが、折り合いがつかず難しいとのことでした。そこで戦極の出場選手に声をかけたところ、ジョンマン選手がいち早く手を上げてくれました。彼の気の強さにかけたんですが、結果は負けてしまいました。けれども喰らいつく根性を見せてくれました。
横田VS川尻戦は川尻選手の強さが目立ったと正直思いました。横田選手は腰を痛めており、充分ではありませんでした。公開練習も怪我の調子がよくないので回避したのですが、ハイレベルな試合だったと思います。次ぎやればどちらが勝つか分からない拮抗した試合でした。
金原選手はKID選手の連敗が続いており、簡単に勝つかと思いましたが、KID選手の底力を見ました。あわやの場面もありましたが、試合運びの上手い金原選手がダウンを2回奪うなどチャンピオンの意地を見せてくれました。63kgという体重にも金原選手は文句も言わず受けてくれて、試合で勝ったのはチャンピオンとして誇らしく思います。
藤田選手ですがアリスター選手は規格外の選手で、藤田選手がよく試合を受けてくれたと思い頭が上がりません。アリスター選手の強さには我々も脱帽です。藤田選手は意識が戻らない状況が続きましたが、試合翌日の11時くらいに意識が戻り、1日入院して退院しました。
廣田VS青木戦は話題になっている一戦ですが、内容的には追い込みましたが残念な結果になりました。廣田選手は体調が悪い状態でリングに上がっていただいた試合でした。通常の計量では69.8〜69.9でクリアしているのですが、この日は69.0kg。そういう悪い中でコンディションが正常ではない状態でリングに上がっていました。
青木選手に上手く光を消されて一本負けとなり、右上腕骨の骨折となり、昨日手術を行いました。担当医が以前にジェロム・レ・バンナ選手が腕を骨折した時の先生で、手術後に話をしましたがとりあえず成功とのことで17日まで入院します。その後、週2〜3日のリハビリをして2月頃からジョギングなどの軽い運動、5月頃から軽いスパーリングなどが出来ると方向を受けています。復帰戦は夏以降になりますが、復活していただきたいと思います」
総評の中にあった三崎の抗議については、「具体的なことは聞いていません。試合後にリング上で抗議していましたが、三崎選手と落ち着いた中でいま話をしています。抗議するのかしないのか、落ち着いたところで話し合っていきます」と、まだ抗議文は提出していないとのこと(笹原圭一DREAMイベントプロデューサーは、正式に文章でもらった上でジャッジ陣から2週間以内に返答する、としている)。
廣田のコンディションについては「前日会見当日朝に電話があり、“会見に出なくちゃダメですか?”と聞かれ、凄く体調が悪いと聞きました。計量の時に話をしたら上からも下からも出していた(嘔吐と下痢)という状態だったと聞いています。原因は不明ですが減量苦というわけではありません」と飯田広報が説明。
病院で廣田に会った際には「悔しいと言っておりました。可能であればもう1回青木選手と試合がしたい、と。あまりにも早く終わってしまったので試合をした気がしないと言っていました。青木選手の試合後の行為については特に何も言っていませんでした」という。
続いて、SRCの大会で贈られるベストバウト賞(100万円)が今回はベストファイト賞として、郷野と金原に贈られることが発表された。
また、今後のDREAMとの関係について稲村営業統括本部長は、「青木選手の件は横において、総合格闘技ということを考えると対抗戦や合同開催は意義がある。今年はどうするかまだ分かりませんが、またこういうチャンスがあるかもしれないです。話し合いには前向きに取り組んでいきたいと思っております」と、今後も交流を続けていく可能性を示唆した。
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