3月16日(火)東京・青砥にある青春塾にて、山本優弥(青春塾)が公開練習を行った。山本は、3月27日(土)さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで開催されるFEG『K-1 WORLD MAX 2010 〜-70kg Japan Tournament〜』の日本代表決定トーナメント1回戦で日菜太(湘南格闘クラブ/Toshin Family)と対戦する。
K-1谷川貞治EPが個人的に注目しているという一戦を前に山本が秘策を見せた。公開練習としてシャドーボクシングとサンドバック打ちを見せた山本は、何と全てサウスポー(右手が前、左手が後)構えでそれを全てやり通したのだ。
山本の通常の構えは左手が前、右手が後ろのオーソドックス構え。なぜサウスポーに構えたのかというと、それはサウスポーの日菜太の利点を消すためだ。山本は囲み取材でサウスポーに構えた理由を説明する。
「格闘王子でサウスポーの選手が有利だと言っていたんで、僕もサウスポーに構えてみました(笑)。でもサウスポーがなぜ有利かと言うと、サウスポーの選手とやり慣れてないから。(前から構えはスイッチしていた?)僕は勝つことが一番だと思うし、何でも出来る選手になりたいんで。器用な人はすぐにスイッチできると思うんですけど、僕は不器用なんですぐには出来ないですから。構えを変えるのはそれなりに長所・短所があって、サッカーの中村俊輔選手は左だけしか使わないじゃないですか。格闘技で言えばそういうタイプが日菜太選手かなと思います。
(サウスポーで練習してみて)サウスポーの選手がどんなことをやられたら嫌なのかも分かりました。それは見るだけじゃ分からないんで、実際にやってみて分かりました。技の範囲も広がりましたね。ただ僕がサウスポーに構えるデメリットもありますよ。利き目のこともあるだろうし、僕は10何年もオーソドックスでやってきたから、サウスポーでやるとやりにくさはありますよ。(試合ではオーソドックスにも構える?)1・2回戦で構えを変えるのもいいと思いますね」
さらにサウスポーに構えることで日菜太の最大の武器=左ミドルを殺すことも出来る。
「きっと日菜太選手は相手がどんな選手でも自分を貫く選手だと思うんですよ。でも、僕も左ミドルを蹴るけど、相手がサウスポーだと左ミドルは蹴りにくい。サウスポーVSサウスポーで左ミドルを蹴るときにはかってが違うし、左ミドルが役に立たなくなる。日菜太選手は練習をしっかりやってくるタイプだから、もし相手がサウスポーに構えたら距離感とかも違ってくると思いますね」
試合前に細かな作戦を明かすことは異例だが、山本は「僕がサウスポーに構えると聞いただけで(日菜太が)色々やることは無理だし、あんまり考えない方がいいと思いますよ。僕も向こうも(笑)」と策士ぶりを発揮。山本がオーソドックスとサウスポー、どちらで試合に挑むのかが勝負のキーポイントの一つとなりそうだ。
山本にとって今回は昨年10月のジョルジオ・ペトロシアン戦以来、実に5カ月ぶりとなる試合。この5カ月間で山本は「ものを打ったり蹴ったりしない時期も作って」ジムワーク以外の練習にも着手。
その一つが自分の体を知ること、何と山本は体重を増減させてそれを体感していたという。
「あえて太ったり痩せてみたり、色々とやりました。筋トレして体重を増やすだけじゃなく、ご飯の食べ方というか内蔵を鍛えました。例えば朝起きた時はあんまりたくさんは食べれないですけど、本当は丼飯を3杯くらい食べて、それをエネルギーとして使える方がいいんですよ。でもそれをするためには内臓が強くないといけない。だから食べる体力をつけるようにしていました。
一時期は78kgまで増えちゃって、減量が大変かなと思ったんですけど、すぐに73kgくらいまで落ちて、気持ちがいいです。そうやって自分の体で実験しています。正直、10月の方がコンディションがいいかなと思っていたんですけど、体の基本的なことでそうなっているのが分かって。自分でそれを変えることが出来てよかったです。これから自分がどう気持ちも体も上がっていくのかが楽しみです」
昨年は世界大会でイム・チビンとドラゴを下してベスト4にまで進出した山本。日本トーナメントでの優勝はないが、世界ベスト4としてトーナメントに出る以上、周りの期待値は高い。2009年の大躍進を経て、日本トーナメントに挑む心境は山本はこう語った。
「世界トーナメントの経験は活かさないといけないでしょうね。自分が活かし方を知っているのか、出来るのか。今はそれが自分にあるかどうか分かりません。試合で負けることに不安があるというよりも、周りの期待に応えられない方が怖いですね。僕はたまたまチビン選手とドラゴ選手に勝っただけだし、周りの人たちのサポートがあって、そこまで連れて行ってもらっただけ。世界ベスト4という自覚や自信はないです。
でも周りは世界ベスト4として僕のことを見ているし、周りがどう思っているかは分からないですけど、去年と今年の自分は違います。去年はこれが最後だというつもりでやって、そこまでの気持ちになることはもうない。今度の試合で“試合をする山本優弥”が試合でどうなるのかが楽しみです。(山本VS日菜太は事実上の決勝戦とも言われているが?)トーナメントはどうなるか分からないですけど、そういう風に見てもらえるのはうれしいですよね。去年のトーナメントはやっと出してもらった位置でしたし。でもそれに惑わされず、自分を一生懸命出そうと思います」
下馬評では日菜太有利の予想も多いが「僕も他人事して見たら城戸(康裕)選手か日菜太選手が優勝候補だと思いますよ」と語る山本。「(日菜太は)格闘技に詳しい人たちが強いと言っていて、きっと強い選手なんです。僕もずっと格闘技をやってきて、そういう人に向かっていく気持ちを見せたい。食らいついていきたいし、強い選手にどれだけ向かっていけるか」と謙虚な姿勢を崩さない。
しかし最後は「昨年は準優勝だったので、次はもう優勝しかない。それは周りも本人が望むことなんで、優勝を目指して頑張ります」と日本トーナメント制覇への意気込みを語っている。
FEG
「K-1 WORLD MAX 2010 〜-70kg Japan Tournament〜」
2010年3月27日(土)さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ
開場15:00 開始16:00
<決定対戦カード>
▼日本代表決定トーナメント決勝戦 3分3R延長2R
準決勝の勝者
VS
準決勝の勝者
▼日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
城戸VS龍二の勝者
VS
小比類巻VS長島の勝者
▼日本代表決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R
中島VSTATSUJIの勝者
VS
山本VS日菜太の勝者
▼日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
城戸康裕(谷山/2008日本トーナメント優勝)
VS
龍二(リアルディール/第2代RISE-70kg級王者)
▼日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
小比類巻太信(BRAVI RAGAZZI/2004&2005&2009日本トーナメント優勝)
VS
長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾/K-1 WORLD MAX 2009ベスト16)
▼日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット/Krush
70kgトーナメント2009優勝)
VS
TATSUJI(アイアンアックス/RISE DoA TOURNAMENT’05優勝)
▼日本代表決定トーナメント1回戦 3分3R延長1R
山本優弥(青春塾/K-1 WORLD MAX 2009第3位)
VS
日菜太(湘南格闘クラブ/Toshin Family/初代RISE 70kg王者)
▼日本代表決定トーナメントリザーブファイト 3分3R延長1R
名城裕司(K NETWORK 国士会館)
VS
久保薗ルイス(ブラジル/チーム・ルイス/WMAFミドル級王者)
▼スーパーファイト 3分3R延長1R
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/K-1 WORLD MAX 2009優勝)
VS
佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー/K-1 WORLD MAX 2006&2007日本トーナメント優勝)
▼スーパーファイト 63kg契約 3分3R延長1R
渡辺一久(フリー/プロボクシング第52代日本フェザー級王者)
VS
DJ.taiki(Team Nakano/2002年全日本アマチュアシュートボクシング中量級優勝)
▼スーパーファイト 63kg契約 3分3R延長1R
小宮山工介(北斗会館/2008年RISING ROOKIES CUP 60kg級優勝)
VS
村浜TAKE HERO(大阪ファイティングファクトリー/K-1 フェザー級GP 1997優勝)
▼オープニングファイト 大渡博之引退試合 3分3R延長1R
大渡博之(正道会館)
VS
内村洋次郎(パンクラス/イングラム/初代ZSTウェルター級王者)
▼オープニングファイト 3分3R延長1R
小宮由紀博(スクランブル渋谷/RISE 70kg級トーナメント2009優勝)
VS
ダニロ・ザノリニ(ブラジル/ブラジリアン・タイ)
▼オープニングファイト 3分3R延長1R
松倉信太郎(バンゲリングベイ・スピリット/K-1甲子園2009 70kg級トーナメント優勝)
VS
YUUKI(新空手・鷹虎)
<チケット料金>
SRS席23,000円 S席13,000円 A席6,000円
<チケット販売>
K-1オフィシャルサイト http://www.k-1.co.jp
i-mode K-1オフィシャルサイト
Yahoo! ケータイ K-1オフィシャルサイト
EZ web K-1オフィシャルサイト
チケットぴあ 0570-02-9999
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:33330)
CNプレイガイド 0570-08-9999
キョードー東京 03-3498-9999
イープラス http://eplus.jp
※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS,CATVからの電話接続は不可
<お問い合わせ>
FEG=03-3796-5060
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