KGS
「RISE 68」
2010年7月31日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:30
▼メインイベント(第13試合)SUPER FIGHT -71.0kg契約 3分3R延長1R
○日菜太(湘南格闘クラブ/Toshin Family/初代RISEミドル級王者)
TKO 3R1分23秒 ※三日月蹴り
●アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン オデッサ/K-1 WORLD MAX 2008準優勝)
日菜太は以前より同じ23歳ながら世界の舞台で活躍するキシェンコを意識しており、対戦を熱望していたところ、今回この闘いが実現。RISE、K-1のリングでこれまで数々の下馬評を覆し、格上選手を降してきた日菜太。過去最大アップセットとなるか!? キシェンコの強打か、日菜太の黄金の左ミドルキックか? リングサイドではかつてキシェンコと激闘を演じた魔裟斗と佐藤嘉洋が並んで座って試合を見守る。
1R、日菜太の左ミドルをキシェンコは大きくステップバックしてかわす。相当警戒しているのが見て取れる。キシェンコもロー、ミドル、ハイキックと蹴りを繰り出し、蹴り勝負を挑む。
日菜太が左ミドルから右バックキック! キシェンコは一瞬、腹を抑えて苦悶の表情を浮かべ距離をとる(試合後、キシェンコはこの時から肝臓=レバーが痛かったとコメント)。
キシェンコが左フックとロー。日菜太も左ミドル一辺倒ではなく、ローも多用。日菜太が左ハイキック、バックブロー、左ミドルと回転しながら連続して繰り出す。
同じく蹴りを多用するキシェンコに、日菜太はパンチ勝負を挑み、右フック、左ストレート。キシェンコは前蹴りで日菜太を突き飛ばす。
2R、ハイキックを連続して繰り出すキシェンコに日菜太は左ロー、左インロー、さらに左ハイ。「今は左だけで7種類の蹴りを使える」と戦前に言っていた通り、左ミドルだけではなく様々な蹴りを使う。
キシェンコは日菜太がパンチに来ると左フック。キシェンコの右ハイキックがヒットし、すかさずパンチに行くキシェンコだが、日菜太も右フックを打ち返す。
左フックの相打ちから日菜太が左ハイから右バックブロー、キシェンコもローとヒザ蹴り、そして左ハイキック。場内は日菜太が左ミドルを蹴る度に「オーイ!」という掛け声の大合唱。
しかし、キシェンコはパンチで迫って右ローで日菜太を傾かせる。左ミドルとフックの打ち合い、日菜太の左フックがヒット。
3R、日菜太がキシェンコの蹴り足を掴んでの蹴りを2度やってしまい、イエローカードが提示される。キシェンコは首相撲を応用したコカしで日菜太を何度もマットに転がし、打ち合いに行くと両者バッティングと試合は荒れ模様に。
ここで日菜太のセコンドから「三日月! 三日月!」という声が飛ぶ。実はこの試合に向けて密かに特訓してきた秘策“三日月蹴り”だ。この左の三日月蹴りがキシェンコのレバーにクリーンヒット! 続いて左ロー、そしてまた三日月蹴り! これでキシェンコがレバーを抑えて座り込むようにしてダウン!
追い討ちの日菜太の頭部蹴りが当たってしまったが、これはレフェリーが制止する前で流れの中として認められた様子。キシェンコはうずくまったまま立ち上がることが出来ず、日菜太のTKO勝ちが宣告される! ガッツポーズでリングを何周もする日菜太! 大番狂わせに場内は総立ちだ! 歓喜の日菜太は手を上げられると男泣き。
「ありがとうございました。僕は3月のK-1MAXで凄く悔しい思いをしていました。でも、歯を食いしばって凄く練習してきて、日菜太はKO出来ないとか日菜太は弱いとか、言ってる人もいたと思うんですけれど、今日まで努力してきてよかったと思います。この試合が“23歳最強決定戦”だと思ってやってきました。自分では世界チャンピオンだと思って、今週だけは喜ばせてください。来週からまた頑張ります。次、またいい試合をするので応援に来てください。RISEも面白いですからまた来てください!」と、日菜太は思いのたけをマイクでアピールした。
▼セミファイナル(第12試合)SUPER FIGHT -60.0kg契約 3分3R延長1R
○板橋 寛(スクランブル渋谷/第2代RISEスーパーフェザー級王者)
判定3−0 ※三者とも30−26
●カノンスック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/WPMF世界ライト級王者)
“60kg級最強決定戦”と謳われた4・7後楽園大会での山本真弘戦で惜敗した板橋が、再び強敵を迎える。今回対戦が決定したのは常勝ムエタイ軍団ウィラサクレックジムからの刺客カノンスック。先日6日にWPMF世界ライト級のベルトを獲得したばかり。パンチと蹴りの強打が得意でRISEルールでも持ち味が光る選手。奇しくもそのWPMFタイトルは板橋の先輩にあたる増田博正から奪っており、板橋としては敵討ちマッチでもありRISE王者としての強さをみせなければならない闘いとなる。
1R、ゴングが鳴った直後にカノンスックが左ハイキックの奇襲。その後は右ローを主体にしてパンチを出していくが、板橋がパンチで前に出てコーナーへ詰めての連打! 左アッパーからの左フックで大きく仰け反らせる。板橋が何度もコーナーやロープ際にカノンスックを詰めて連打を見舞うため、場内は大いに沸く。
2R、ショートの距離での打ち合いとなり、板橋は左ボディ、左フック、左ストレートと左のパンチを次々に当てていく。カノンスックも左フック、左ミドルを返すが、ロープに押し付けられての連打をもらう。板橋はアッパー、フックでカノンスックのアゴを跳ね上げる。
3R、連打連打でカノンスックをロープ際やコーナーに詰める板橋! 左右フック、左ストレートでカノンスックを防戦一方にさせ、カノンスックがパンチを打ってくるとタイミングよく左ローを合わせる。この左ローが効いた! そして試合終了直前、ロープを背にして打ち合うカノンスックに板橋が左右フック! カノンスックが力尽きるようにダウン! ジャッジ三者とも30−26という圧勝で板橋がカノンスック越えを果たした。
▼第11試合 RISEバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○寺戸伸近(青春塾/王者)
判定3−0 ※49−46、50−46、50−46
●九島 亮(ヌンサヤーム/挑戦者・同級1位)
※寺戸が初防衛に成功。
昨年11月JCBホール大会にて第2代RISEバンタム級のベルトを巻いた寺戸が初防衛戦。挑戦者は5月16日に二戸伸也を破りバンタム級暫定1位に躍り出た九島で、こまでフェザー級と60kg級を主戦場にしてきたが前試合より適正体重の55kgに階級を下げタイトルマッチのチャンスをつかんだ。自身初となるベルト奪取なるか? 対する王者・寺戸は昨年RISEを含め3本のベルトを獲得し、今年に入っても俄然好調をキープし続けている。鬼門と言われる初防衛戦でもその強さを魅せつけるのか。
1R、寺戸は左ジャブを多用し、九島の出鼻を挫くようにヒットさせる。九島は快音を発する右ミドル、寺戸もすぐにパンチのコンビネーションを返す。寺戸はジャブからの右ストレートで九島のブロックをこじ開けていき、右ローもフォロー。
2R、寺戸が右ストレート、右フック、左右アッパーでガンガン前へ出る。早くも決めにかかったか。九島はパンチで打ち合いつつ、右ローを的確に入れていく。九島もアッパーを返して右ロー、この右ローが寺戸を苦しめる。
3R、寺戸はパンチでどんどん前へ出て圧力をかけ、九島を下がらせて右ストレート、右フック。鋭いパンチに九島は左目上をカット。しかし、パンチで下がらせられながらもしっかりと右ローを蹴っていく。寺戸のスピードが鈍り始めた。
4R、右ロー、右ストレート、右フックと強いパンチを繰り出しながら前へ出る寺戸。九島もこのラウンドは下がらず、パンチで打ち合って右ローを蹴り続ける。寺戸はキツイ左レバーブローでボディを攻める。九島はヒザ蹴りで応戦。
5R、開始と同時に寺戸がパンチでラッシュを仕掛ける! 連打からの右フックでついに九島がダウン! 立ち上がった九島はパンチで打ち合いに行ってハイキックへつなぎ、逆転を狙って行く。前へ出て打ち合う九島、寺戸も右ストレートと右フックをヒットさせて前へ出て、壮絶な打ち合いの中、ゴングが鳴った。
判定は最大4ポイント差をつけた寺戸が勝利。3冠王の実力を改めて知らしめたが、九島の健闘ぶりも光った好勝負だった。
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