シュートボクシング協会
「維新−ISHIN−其の四」
2010年9月18日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始17:30
▼第7試合 エキスパートクラスルール 70kg契約 3分5R無制限延長R
○梅野孝明(シーザー/SB日本スーパーウェルター級王者)
TKO 4R2分3秒 ※ヒジ関節の脱臼
●鈴木 悟(バンゲリングベイ・スピリット/unit-K/元プロボクシング日本ミドル級王者)
4・11『維新−ISHIN−其の三』で“ムエタイの破壊神”ボーウィー・ソーウドムソン(タイ)と歴史に残る大激闘を展開、お互いにダウンを奪い合った末に2R2分53秒、KO負けで13戦目にして初敗北を味わった梅野が復帰戦を迎えた。
対戦相手は元プロボクシング日本ミドル級チャンピオンで、183cmの長身を誇り、柔道の経験もある鈴木。梅野には菊野克紀から花束が贈呈された。
1R、梅野が右ローで先制、左インローと合わせて回り込みながらローを蹴る。
右フックには鈴木も右フックを返す。鈴木の左ボディ、梅野は左手を伸ばしてディフェンスしながら右ロー。鈴木は完全にボクシング勝負、左右のフックとボディ。梅野も右ローでダメージを与えていくが、鈴木のジャブが伸びる。
梅野の右ジャブで腫れあがる鈴木の左目。梅野は右フックを連発して鈴木を追い込むが、鈴木が抱えての投げでシュートポイントを奪う!
2R、梅野は左を伸ばしつつ右ロー、鈴木は右ストレートを梅野のガードの隙間から巧みに突き刺す。
鈴木の右フックで梅野が左目尻から出血。フックを放ちながら接近していく梅野だが、鈴木はボディワークでパンチをかわしながら的確に自分のパンチを浴びせていく。左ジャブ、右ストレート、左ボディ。ジャブの連打で梅野が下がる。
左フックを連発して応戦する梅野に、鈴木は傷口を狙った左ジャブを連発。再三、投げを狙う梅野だがことごとく失敗する。空を切る梅野の爆腕、梅野が組んでいくと鈴木のヒザがローブローになり、試合は一時中断。再開するとすぐにゴング。
3R、鈴木の左ボディが続けざまにヒット! 劣勢の梅野は必死にローを返し、首投げにいこうとするが鈴木がバックドロップで返そうとする。梅野のジャブと右ロー、鈴木もしつこいほどのジャブ連打。お互いにジャブを出し、鈴木はワンツーフック、梅野は右ローと組んでの立ち関節技。ブレイクになったところで梅野にドクターチェックが入る。
梅野の強烈な右ローに鈴木はバランスを崩す。それでも鈴木はジャブ、右フック。梅野の右ロー連打でついに鈴木が後退する。
が、その直後に鈴木がバックドロップでシュートポイント(2ポイント)を奪取! 逆転を狙って左右フックからのローでラッシュを掛ける梅野、鈴木が倒れるが、これはローブローだった。
試合再開、ジャブの連打から右フックと右ストレートを梅野のパンチに被せてくる鈴木。梅野が右フックを炸裂させ、鈴木も打ち合いに応じて場内ヒートアップしたところでラウンド終了。
4R、鈴木の左ボディとジャブの連打、梅野は右ローを蹴り続ける。そして、梅野渾身の右ミドルで鈴木がついにダウン!
ここから一気にKOを狙って右フックを振り回していく梅野! 右フック、左右のフック、梅野の爆腕連打で追い詰められる鈴木。左フック、右ミドル、組んでのヒザ蹴り。鈴木も左ボディを返すが、梅野が右フック! しかし、このピンチもジャブで突き放す鈴木。場内は割れんばかりの梅野コールだが、鈴木が腰投げでまたもシュートポイント!
絶体絶命のピンチに追い込まれた梅野だったが、投げで立ち上がって来られなかったのは鈴木の方だった。
仰向けになったまま、手の異常を訴える鈴木。即座にストップがかかり、鈴木は左ヒジ関節を脱臼したことがアナウンスされた。
鈴木が立ち上がると、左腕はぶらぶらと垂れ下がり、ヒジからはボコッと骨が飛び出しているのが確認できたほど。
鈴木が自爆する形で、梅野が勝利を拾った。
▼第6試合 SB日本スーパーバンタム級タイトルマッチ
○日下部竜也(TEAM日下部/ヤングシーザー55kg級トーナメント覇者)
KO 3R1分3秒 ※左ヒザ蹴り
●ファントム進也(龍生塾/日本スーパーバンタム級王者)
※日下部が新王座に就く。ファントムは防衛に失敗。
ヤングシーザー55kg級トーナメントを制し、王座挑戦権を手に入れた日下部竜也(大石道場と、チャンピオンのファントム進也(龍生塾)がタイトルマッチを争う。
日下部はまだ17歳ながら、多彩なコンビネーションと攻撃力で藤本昌大、伏見和之らシュートボクシング(SB)のホープたちを次々と撃破。トーナメントを制覇した勢いそのままに、王者ファントムに挑む。最強の侵略者・日下部がSBの牙城を崩すのか、最後の砦ファントムが死守するのか?
日下部は今回より、シュートボクサーの証しであるロングスパッツを着用して試合に臨む。これまでSBの史上最年少チャンピオンは、1988年5月21日に大江慎が樹立した18歳と3カ月という記録が22年間破られずにいた。もし今回、日下部がチャンピオンになれば18歳と2カ月で22年ぶりに記録を更新することになる。
1R、両者サウスポーに構え、日下部が飛び込んでのパンチ。ファントムがオーソドックスになると日下部もオーソドックスになる。日下部は強力な前蹴り、ステップを使いながら大きく回り込んでいく。
日下部が左右のフック、ファントムは左フックを返すがこれは空振り。ステップを使いながら大きく回り込む日下部に、ファントムはパンチで襲い掛かるが、日下部はパンチを返しながらかわして離れる。日下部の右フックにファントムはタックル。ファントムの入り際に左ハイキックを合わせるなど、日下部の技のタイミングがいい。
2R、今度はステップを使いながら左へ大きく旋回を始める日下部。ファントムはリング中央でノーガードになって挑発する。
ファントムが右ストレートで突っ込んでいくと日下部は左フックを合わせる。日下部の左ミドルにも左フックを合わせるファントム。そこからファントムのパンチが徐々に日下部を捕らえ始める。
日下部も負けじとパンチの連打からハイキック。左の強烈なボディアッパー! ファントムも左右でボディを叩き、日下部がパンチで来ると左フック。組み付く日下部。ややファントムが有効打で上回ったか。日下部の表情からは余裕が消えた。
3R、出会い頭の左フックの合い打ちでファントムがダウン、かと思われたが、これはダウンにならず。立ち上がったファントムが一気にパンチで襲い掛かると日下部は顔面前蹴りのカウンター、左フック、左ストレートを強烈に突き刺す、そしてファントムが打ち合いに来たところで得意のバックキック!
これをボディへ効かして左ボディで追撃、最後はヒザ蹴りを突き刺した! 一発で腹を押さえてうずくまるファントム!
そのまま立ち上がることが出来ず、10カウントが入り、日下部が史上最年少チャンピオンとなった。また一人、名古屋にチャンピオンが生まれた。
敗れたファントムは「完敗です。本当は今回の試合も怪我でドクターストップがかかっていたんですが、やらないといろいろ言われるのでこの試合だけはやらないとと思ってやりました。
練習全然できなくてダメでした。この試合で引退になるんですが、今までありがとうございました。すいませんでした。(自分の家族へ向かい)綺麗な体ではないですけれど、第2の人生もよろしくお願いします」と、涙ながらに引退を表明した。
▼第5試合 62kg契約
○タップロン・ボーチョーローソン(タイ/フリー/元WMC世界フェザー級王者)
判定2−0 ※50−50、50−48、50−49
●鈴木博昭(ストライキングジムAres/SB日本スーパーフェザー級1位)
当初は石川剛司とのスーパーフェザー級王座挑戦者決定戦を行う予定だった鈴木だが、石川が負傷欠場。代わってタップロンとの対戦が決まった。鈴木は奇しくも過去最強の敵を迎えることになった。
1R、サウスポーの鈴木は左ローを飛ばしていくが、タップロンが一発右ミドルを返しただけでその破裂音に場内はどよめく。鈴木は上段後ろ廻し蹴りを見せるが、タップロンは左ハイキック。鈴木がパンチで突っ込んでいくとタップロンは右手でフックとアッパーの連打、さらなる右ローの音に場内はどよめく。
続く左ミドルの快音にも、場内は大きくどよめいた。
2R、ローを散らしながら左ストレートを伸ばしていく鈴木、タップロンは右フックを返し、右ロー。タップロンの右ロー直後に、鈴木が右ハイキックをヒットさせる! 鈴木は顔面前蹴りも狙うが、これはタップロンに右ハイキックを返された。後ろ蹴りから左右フックを連打した鈴木に、タップロンも左右のフックを繰り出して打ち合いになったところでラウンド終了。
3R、右ハイとローを散らしていくタップロン、鈴木の前蹴りを受け流しての右ミドルで快音を鳴らす。鈴木が組むとタップロンは両手を差して鈴木を押し倒す。左ローを連打する鈴木、ロープ際に追い込むとタップロンは右フック、右ミドルを放ってくる。ラウンドが終了すると、タップロンは余裕で観客席に笑顔でアピール。
4R、ローからワンツーで前へ出る鈴木だが、ロープ際になるとタップロンは必ず反撃して回り込む。鈴木の首投げは失敗。
コーナーへ追い込んでワンツーを放ち、組み付いて投げに行った鈴木だが、これも潰される。鈴木のバックキックを膝でブロックしたタップロンは組んでのヒザ蹴り。
タップロンの右ハイを鈴木が鮮やかなスウェーでかわし、場内からは拍手が起こる。スタミナ切れのタップロンはこのラウンド、ほとんど自分からは手を出さなかった。
5R、待ちの姿勢でロープを背にするタップロンは鈴木が入ってこようとすると前蹴り、右ミドル、右のテンカオ。
鈴木は左ローを連発し、フックからアッパーへ行くが、タップロンも右フックを返してくる。鈴木の左フック、タップロンは組み付いてヒザから浴びせ倒し。コーナーに詰めた鈴木がカカト落としの奇襲、パンチの連打。
しかしタップロンは組み付いて攻撃を防ぎ、鈴木の追撃を許さずに判定2−0で勝利を奪った。
▼第4試合 エキスパートクラス特別ルール ヘビー級 3分3R無制限延長R
○誠吾(フリー)
判定3−0 ※29−27、29−28、29−28
●吉田高行(シーザージム新小岩)
▼第3試合 エキスパートクラス特別ルール 60kg契約 3分3R無制限延長R
○崎村暁東(グラップリングシュートボクサーズ/SB日本フェザー級2位)
判定3−0 ※30−29、30−29、29−28
●菅原悠次(シーザー力道場)
▼第2試合 エキスパートクラス特別ルール 60kg契約 3分3R無制限延長R
○松花征也(グラップリングシュートボクサーズ)
判定3−0 ※30−23、30−23、30−24
●高島龍弘(シーザー力道場/SB日本フェザー級4位)
▼第1試合 スターティングクラス 70kg契約 2分3R無制限延長R
○坂本優起(シーザー)
延長R 判定3−0 ※三者とも10−9
●JANBO YO-SUKE(シーザージム新小岩)
※本戦は28−27、28−28、28−28
▼オープニングマッチ スターティングクラス 55kg契約 2分3R無制限延長R
○大桑宏彰(シーザー)
判定3−0 ※三者とも30−25
●BARET(INSPIR-S)
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