WBCムエタイ実行委員会
「The Path to the World Champion WBCムエタイ世界王者への道」
2010年9月26日(日)東京・後楽園ホール
開場16:30 開始16:45
▼第4試合 WBCムエタイルール日本統一スーパーフェザー級王座決定戦 3分5R
○中須賀芳徳(OGUNI/NJKF同級1位)
判定2−1 ※48−46、48−49、49−46
●TURBO(FUTURE_TRIBE ver.OJ/元WMAF世界同級王者)
※中須賀が第2代王座に就く。
当初は中須賀と末廣智明(大道塾吉祥寺支部)が、羅紗陀の返上したベルトを争う予定だったが、末廣の負傷欠場により、TURBOにチャンスが巡って来た。両者には2008年7月にスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝で対戦が組まれたが、TURBOの負傷欠場で実現しなかったという経緯がある。デビュー10周年のTURBOは3本目のベルトを、中須賀は初のベルトを狙う。
1R開始直後、いきなり見せ場がやって来た。TURBOの右ローにサウスポーの中須賀が左ストレートを合わせて、TURBOが後方へ吹っ飛んだのだ。そこから一気に詰めてラッシュをかける中須賀、TURBOも左フックからパンチで反撃。最初のピンチをしのぐとジャブからの右ロー。中須賀は組んでのヒザ蹴り、TURBOはパンチに右ストレートのカウンターを合わせる。
中須賀が組んでくると右フック、右ストレートで離れ、右ロー2連発から右ストレート2連発。両者攻めに攻めた白熱のラウンドとなった。
2R、中須賀が左ミドルとテンカオ、TURBOは右ミドル2連発。中須賀は組んでのヒザ蹴り連打でお返し。TURBOは中須賀のパンチをかわしてパンチを入れるが、組まれてしまいヒザをもらう。再び左ストレートからのラッシュでコーナーに詰める中須賀、TURBOも右フックで攻め返す。このラウンドも両者が攻めに攻めた。
3R、中須賀が組むとTURBOを投げる。パンチをかわして左ストレート、TURBOは右フック。このラウンドは両者がパンチを当て合い、両者のパンチが交錯する。
4R、TURBOが右フックを連発して前へ出る。中須賀が左ミドルを蹴るとTURBOは右ローを軸足へ。中須賀が左ミドルからワンツー、ロープ際に詰めてのワンツーでTURBOの腰が一瞬落ちる! 中須賀は飛びヒザ蹴り、さらにパンチでラッシュ! 逃げるTURBO! 組むTURBOは離れ際に左フックを放つが、中須賀はさらにラッシュをかけて優勢を印象付けた。
5R、中須賀の左ミドルにTURBOが右ローを返し、右フックで前に出ると中須賀は組んでヒザ蹴り。今度はTURBOが中須賀をコーナーへ詰めてのパンチのラッシュを繰り出すが、中須賀は体勢を入れ替えると逆にラッシュを仕掛ける。
中須賀がバランスを崩したためレフェリーが間に割って入ろうとしたが、TURBOはそれを無視して殴りにいくほどヒートアップ! しかし、TURBOのパンチは空を切る。中須賀は組んでのヒザ蹴り、そして身体を浴びせ倒し、熱戦にピリオドが打たれた。
判定は中須賀48−46、TURBOの48−47と割れたが、最後のジャッジは49−46で中須賀! 2001年10月のデビュー以来、タイトルに手が届かなかった男が32歳にしてついに初のベルトを腰に巻いた。
▼第2試合 WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王座認定戦 3分5R
○梅野源治(PHOENIX/WPMF日本同級王者/REBELS)
判定3−0 ※49−46、49−47、48−47
●エッガラート(タイ)
※梅野が第2代王座に就く。
7月21日にWPMF日本タイトルを獲得したばかりの梅野が、早くも2本目のベルトにチャレンジ。今回、国崇が返上したタイトルの王座決定戦が行われる予定だったが、梅野の対戦相手が決まらず、最終的に主催者は日本人選手からの選出を断念。21歳ながら108戦のキャリアを持つムエタイ戦士エッガラートとの王座認定試合(梅野が勝った場合のみ、王者として認定される)ということになった。
1R、気合い十分の表情の梅野は左ミドルから右ロー、エッガラートは右ハイ。梅野の右ロー2連発にエッガラートがローを蹴り返してくると、梅野はすかさず左右のヒジを叩きつける。さらに梅野は組んでコカしにいくが、さすがエッガラートは倒れない。離れると梅野が右ストレートからの右ヒジ、組んできたエッガラートにヒザを入れる。梅野がヒジを繰り出すとエッガラートもヒジで応戦。梅野のローにはハイキックを、左ミドルには左ローを合わせてくる。終盤には右ミドルの蹴り合いとなった。
2R、梅野は右ミドルからヒジ、右ストレートから右ヒジ。このヒジ連続攻撃で闘志に火が付いたか、エッガラートは猛然とパンチを打ち返してくる。梅野はヒジで応戦。右ストレートを思い切り突き刺してくるエッガラートに、梅野はすぐにヒジを返して組んでのヒザ。するとエッガラートは右アッパー。エッガラートの強烈な左アッパーで梅野のアゴが跳ね上がる!
左右のロー、右フックからヒジを繰り出す梅野にエッガラートが右フック。梅野は左ミドル2連発からヒザ、エッガラートは右アッパー。このアッパーでまたも梅野のアゴが跳ね上がる! エッガラートの蹴り足をキャッチして豪快にコカす梅野。エッガラートがパンチ、特にアッパーで主導権を握ったが、後半は梅野が左ミドルで距離をつくって組んでのコカし&ヒザで盛り返した。
3R、梅野は左ミドル、左ロー、左ミドル。打ち合いを挑んでくるエッガラートを左ミドルで吹っ飛ばし、パンチにはヒジで対抗。エッガラートも右ヒジを繰り出す。梅野は組んでヒザの連打、ジャブで突き放して左の縦ヒジ。パンチで前に出るエッガラートにはテンカオとヒジ。
梅野もパンチの連打から左ロー、エッガラートがパンチで来るところをヒジで迎え撃つ。テンカオから組んでのヒザ、足を大きく振り上げてヒザを突き刺す。このラウンドの梅野は2Rと違いパンチをほとんどもらわず、蹴りとヒザを使って優勢に試合を進めた。
4R、梅野はテンカオから組んでのヒジ合戦を挑み、タイミングよくコカす。猛然とパンチで攻めてくるエッガラートに右ヒジを返し、至近距離で凄まじいヒジの応酬が繰り広げられる! 左目上をカットされて流血したエッガラートだが、左右フック、左アッパーとパンチの猛攻は止まらず、ボディと顔面に打ち分けて前へ出る。
梅野はヒジと前蹴りで応戦し、エッガラートが強打を繰り出してきても怯まずに前蹴りで距離をとる。エッガラートの左アッパー、右ストレートにヒジで対抗。エッガラートの強烈なパンチ、梅野の叩きつけるようなヒジ、壮絶な打ち合いに場内からは悲鳴のような歓声があがる。
5R、梅野は左ミドルを連打し、エッガラートはワンツーで前へ出てくる。そこへ梅野はヒジ。梅野のパンチをもらうと猛然と打ち返してくるエッガラート。ボディ、顔面へと打ち分けて梅野を追い詰めるが、梅野は組んでのヒザ連打。
エッガラートがパンチで前へ出て攻め、梅野が左ミドルとヒザやヒジで迎え撃つという、もはや日本人とタイ人の闘い方が完全に逆転している現象だ。梅野はパンチに左ミドル連打を合わせ続ける。梅野の左ヒジにエッガラートが左右のフックを合わせてくるが、すぐに梅野が左ミドルを連打する。
パンチで前へ前へと出るエッガラートに左ミドルを合わせ続ける梅野。スリリングな大接戦となったが、ジャッジ3名はそれぞれ3〜1ポイント差をつけて梅野の勝利を支持した。梅野がWPMFとWBCムエタイの統一日本王者となった。
▼第2試合 WBCムエタイルール日本統一フライ級タイトルマッチ 3分5R
○大槻直輝(OGUNI/NJKF/王者)
判定2−0 ※48−48、48−47、、48−47
●加藤竜二(橋本/MA日本キックボクシング連盟同級王者/挑戦者)
※大槻が初防衛に成功。
8大タイトルマッチのオープニングを飾るのは、フライ級タイトルマッチ。昨年10月18日、MAのエリー隆司に3RヒジでTKO勝ち、タイトルを奪取した大槻が初防衛戦に臨む。その後は試合を行わず、11カ月ぶりの試合が防衛戦となった。
挑戦者は1月31日に飛燕野島からMA日本フライ級王座を奪った加藤。現在7連勝中と波に乗り、2本目のベルトを狙う。同門の先輩・山本佑機に続きMAにWBCのベルトをもたらすことが出来るか。
1R、ハイキックを軽々と飛ばしてくるサウスポーの加藤に大槻は左ミドル。加藤も攻撃の合間に三日月蹴りを挟みつつ左ミドルから右ロー。大槻の右ミドルには左ミドルを返し、ミドルをさばいての左ハイキック! 加藤が見せ場を作った。
2R、いきなり左ハイを蹴った加藤は一発攻撃を当ててはバックステップで下がるヒット&アウェー。左フックで大槻が下がったところへ得意のバックキック! そこから左ミドル、パンチで一気に襲い掛かる加藤。大槻は組み付く。左ミドルで体勢を立て直そうとする大槻は、加藤の左ミドルにヒジで応戦。加藤は攻撃を当てては離れて大槻から返しの攻撃をもらわない。
大槻はバックキックが効いたのか、右手が下がり気味。そこへ加藤は左ハイ。大槻は組んで組み伏せる。
3R、優勢な加藤が左ミドル、三日月蹴り、また左ミドルと蹴り中心に攻めると、大槻は右ミドルから組んで投げ捨てる。加藤のローには左ヒジを合わせにいき、左ミドルには左右のフックを連打。パンチに前に出る大槻はヒジも織り交ぜ、加藤が押され始める。首相撲からのヒザ、そしてコカす大槻。大槻の逆襲に場内がどよめく。
4R、ローの打ち合いから大槻が左右フック前へ出て、組んでコカす。加藤は左ミドルに右ストレートを合わせられて転倒、パンチで追い詰められた加藤が組むと大槻は楽々とコカす。フックの相打ちから大槻が左フック、そして組んでコカす。右フックもヒットさせる大槻。
5R、加藤の左ミドルに大槻が右ストレート、大槻がパンチで突っ込むと加藤の顔面前蹴り! しかし、大槻は組んでコカしにいく。
左右のフックから組んでヒザ、そしてコカす大槻。劣勢に追い込まれた加藤は左ミドルの連打と左ハイキックを繰り出すが、大槻は右ミドルを返して組み付き、コカしていく。加藤の左ミドルに右フック、組んでヒザ、さらにコカす。加藤は逆転のヒジを狙うが、コカされまくって試合終了のゴングを聞いた。
判定は僅差で大槻に凱歌があがった。昨年の王座獲得同様、大槻が下馬評を覆してMAの強豪から勝利を収めた。
▼第1試合 WBCムエタイルール日本統一ウェルター級王座次期挑戦者決定戦 3分5R
○大和侑也(大和/NJKF同級王者)
KO 1R2分5秒 ※右ハイキック
●一貴(マスターズピット/MA日本キックボクシング連盟同級、WMAF世界同級王者)
※大和が次期王座挑戦権を獲得。
第1試合から王者対決という豪華なカードが実現。5月9日に高橋誠治を4R45秒、ヒジによるTKOで破りNJKFウェルター級王座に就いた大和は、8月1日にはK・ルークプラバーツの国内12連勝をストップするなど勢いに乗っている。一貴は昨年12月4日に坂本章をKOしてMA日本ウェルター級王座を獲得、5月30日には水町浩をTKOで下してWMAF世界同級王座も獲得した。現在まで6連勝とこちらも勢いに乗っている。
大和は試合前、「相手が失神するような、豪快な勝ち方で終わりたいですね。第1試合なのでKOで始まって、KOで終われば最高の大会になるんじゃないかと思います」と予告。
1R、右ローの応酬から始まり、一貴がいきなり縦ヒジを繰り出す。さらにワンツーをヒットさせて大和をロープ際まで下がらせる。大和の左フックには右フックを返し、単発のパンチを繰り出す大和に対して単発では終わらず連打を繰り出す。一貴が攻勢かと思われたが、次の瞬間、パンチをさばいて右ローを返した大和が、一貴の右ローに電光石火の右ハイキック!
自分も一緒に倒れ込むほどウェイトの乗った一撃が炸裂し、一貴は何とか立ち上がるも状態を見たレフェリーがストップ。大和の豪快なKO勝ちで大会は幕を開けた。
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▼第7試合(藤原あらしVS山本ノボル)、第6試合(高橋誠治VS山本佑機)、第5試合(山内佑太郎VS武田一也)の結果はこちら
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