M-1 MC
「M-1 FAIRTEX SINGHA BEERムエタイチャレンジ
NAI KANOMTOMvol.4」
2010年11月14日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:00
▼トリプルメインイベント第3試合(第13試合) M-1フェザー級王座決定戦 3分5R
○梅野源治(PHOENIX/WPMF日本、WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者)
判定2−1 ※50−48、49−50、50−48
●コムパヤック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/WPMF日本スーパーバンタム級1位)
※梅野が第2代王座に就く。
スーパーバンタム級で2本のベルトを手にした梅野は、同階級で日本人の対戦相手がもういないことから、今回より階級を上げてフェザー級侵攻作戦を開始する。
対するコムパヤックは、ルンピニースタジアムにおいて激戦区バンタム級で最高4位にランクされたことがあり、タイトルマッチも経験。同スタジアムで常にメインかセミファイナルで闘っていたトップ選手だった。来日後は山本元気、藤原あらしをKO・TKOで破ったのを始め数多くの日本人選手から勝利を奪い、今年8月にも15戦無敗の清水雄介に判定2−0で初黒星を付け、M-1スーパーバンタム級王座を防衛している。
1R、ジャブと前蹴りを出しつつ、右ローを蹴る梅野。早くもヒジを繰り出すが、コムパヤックはかわして左ミドル。梅野の蹴りやパンチをしっかりとブロックして、左ミドルを蹴り返すコムパヤック。
梅野はフェイントをかけて左ミドル、コムパヤックもすぐに左ミドルを蹴り返す。梅野は左ローだ。コムパヤックの左フックを防いだ梅野は、自分の胸を叩いて“どうだ!”と言わんばかりの表情で1Rを終えた。オープンスコアはジャッジ三者とも10−10のイーブン。
2R、コムパヤックの左ミドルに梅野が左ミドルを返すと、コムパヤックはかわして右ロー。組みに行こうとする梅野をコムパヤックは左手を伸ばして制する。これで梅野はなかなか組めない。
左ミドルの蹴り合いとなり、かわして右ローを入れるコムパヤック。お返しとばかりに左ミドルを蹴る梅野に、コムパヤックはかわしての右ロー。ラスト10秒で梅野が左右フックでラッシュをかけて左ミドル。このラウンドもジャッジ三者ともに10−10のイーブンだった。
3R、ムエタイの試合展開の定石通り、このラウンドは組み合って勝負する両者。上背で優る梅野がヒザの打ち合いで優勢となり、ヒジも入れていく。しかし、コムパヤックが離れ際に左ハイキック! さらに組んでの右ヒジ!
梅野は組んでのヒザ蹴り、コムパヤックもヒザを返すが、梅野がガッチリとロックしてヒザを突き上げる。梅野が飛び込んでのヒジ! 両者のヒザ蹴りが決まる度に、場内からは「ティー!」と掛け声がかかる。このラウンドは10−9で梅野、10−9でコムパヤック、10−10でイーブンと三者三様に。
4R、いきなり組みに行った梅野はヒザを叩き込むが、コムパヤックに突き放されてバランスを崩す。さらにコムパヤックはミドルをキャッチして豪快に梅野をコカし、顔面を踏み付けようとする。
組みに行く梅野がヒザの連打、コムパヤックも蹴り返し、崩し合いも展開される。梅野が右アッパーから組んでヒザ、コムパヤックは左ミドル。梅野もすぐに右ヒジを返す。そして、ついに梅野がコムパヤックを首相撲でコカす。コーナーで組んだ梅野が右ヒジを連打! さらにヒザ蹴りと右ミドル。まるでタイ人同士が闘っているような錯覚を覚えるほどのムエタイらしい試合展開だ。このラウンドはジャッジ2名が10−9で梅野がとった。
5R、両陣営が大いに盛り上がる中、最終ラウンドのゴングが鳴らされた。両者とも組んでヒザ蹴りの応酬、梅野は離れて左ミドル、コムパヤックも左ミドルを蹴り返す。梅野は組んでのヒザから左ヒジ! さらに梅野が組んでいってヒザを見舞うが、コムパヤックがコカす。徹底して組んでのヒザを繰り出し、ヒジを叩きつける梅野。
ラスト1分、梅野が組んでのヒザ連打から縦ヒジの連打! コムパヤックの左ミドルをスネでカットしてニヤリ。梅野の左ミドルをキャッチして左ミドルを蹴り返すコムパヤック。終了のゴングが鳴ると、梅野は勝利を確信してロープに登り、笑顔のガッツポーズ。コムパヤックもロープに乗ってガッツポーズだ。
採点結果は50−48で梅野、50−49でコムパヤック、そして……50−48で梅野! 判定2−1で梅野が2階級制覇に成功した。コムパヤックは精根尽き果てたかのように、セコンドのカノンスックにもたれかかった。
梅野は「今回、怪我ばかりで練習が全然できなくて(右ヒジを剥離骨折、両足とも打撲で曲がらない状態だったという)不安だったんですが、みんなが励ましてくれたおかげでここまで来られました。コムパヤックは在日タイ人だから強くなかったので、次は強いタイ人とやりたい。プロモーターの方、強いタイ人とやらせて下さい!」と打倒ムエタイを改めて誓った。
▼トリプルメインイベント第2試合(第12試合) M-1スーパーフライ級タイトルマッチ 3分5R
○闘魔(新宿レフティー/J-NETWORK同級王者/挑戦者)
TKO 5R2分14秒 ※テンカオ
●関 正隆(昌平校/同級王者)
※闘魔が第2代王座に就く。関は2度目の防衛に失敗。
J-NETWORKスーパーフライ級チャンピオン闘魔(とうま)の挑戦を受け、2度目の防衛戦に臨むM-1同級チャンピオンの関。両者のキャリアは関が21戦14勝(6KO)6敗1分、闘魔が8戦5勝(1KO)2敗1分とかなりの差があるが、闘魔は8月にウエンツ☆修一からベルトを奪ったばかりで勢いに乗っている。
1R、前蹴りを駆使する闘魔に関は右ロー。前に出るのは闘魔だが、関はしっかりと左右のローを蹴りながら下がる。
組むと闘魔がヒジとヒザ。離れると再び関が下がりつつの左右ロー、闘魔はローを空振りさせて右ストレートから組み付いてのヒザ。オープンスコアはジャッジ三者とも10−10だった。
2Rも前蹴りを出しつつ闘魔が前に出て、関が下がりながらの左右ロー。闘魔は飛び込んでの右ヒジを狙う。闘魔の前蹴りと関のローという展開が続くが、その間にも闘魔は飛び込んでの右ヒジ、テンカオ、ワンツーをヒットさせていく。
組むとショートの右ストレート。闘魔の連打に関は顔を背けてしまう場面が目立つ。そこへ闘魔の顔面前蹴り! このラウンドはジャッジ三者とも10−9で闘魔がとった。
3R、闘魔は“アゴを打って来いよ”とばかりにグローブで自分のアゴを叩いて不敵に挑発する。下がる関にヒジで飛び込む闘魔。これで関が左耳辺りから出血し、ドクターチェックが入る。
試合再開後、闘魔はやはり前蹴りを出しながら前へ出て、飛び込んでのヒジから片手で相手を掴んでのパンチ。関は下がりながら左右のローを蹴るが、闘魔の攻撃が目立つ。
組んでもヒジで先手をとるのは闘魔だ。闘魔のタイミングのいい前蹴りが冴え渡る。このラウンドもジャッジ三者が10−9で闘魔を支持。
4R、前蹴りでコーナーに追い詰めた闘魔が左ストレートからの右フックでダウンを奪う! 右手を挙げてグルグル回し、関を挑発する闘魔。前蹴りを巧みに使い、関のパンチを封じてジャブを当てていく。
接近するとヒジ、ワンツー。関は下がり続ける。ラウンド終了直後、組んだ闘魔が右ヒジの2連打で2度目のダウンを追加! ジャッジ三者とも10−7と大差がついた。
5R、思い切ってパンチで前に出る関だが、闘魔の前蹴りに阻まれる。闘魔は抜群のタイミングで前蹴りを放ち、関のローをステップバックしてかわし、左ストレートでまたもダウンを奪う!
前に出ながらジャブ、前蹴りで圧力をかけていく闘魔は、接近すると連打、そしてテンカオ! グサリと突き刺さって関が後ずさりすると、レフェリーが試合をストップ! 闘魔が完璧な試合運びで新チャンピオンの座に就き、二冠王となった。
「どうも、闘魔です。名前だけでも覚えて帰って下さい。これで2本目のベルトです。この階級、俺が一番強いんだってことを言いたいので、誰でもかかってきて下さい。今日みたいに倒します」と、闘魔は勝利の雄叫びをあげた。
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