国際空手道連盟 極真会館(松井章圭館長)
「第42回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」
2010年11月21日(日)東京体育館
開場10:00 開会式11:30 試合開始12:50
▼準々決勝
○田中健太郎(川崎中原)
延長 判定3−0
●レチ・クルバノフ(ロシア)
2005年8月に「一撃」のリングで対戦し、引き分けている両者。約5年ぶりの再戦が全日本大会の準々 決勝の舞台で実現した。
先に前に出て行く田中が左の突き、右の下段廻し蹴り。クルバノフは右の突きと左の下段廻し蹴り。田中は左右の突きから右の下段廻し蹴りにつなげる。クルバノフは右の下突きから左の下段廻し蹴 り、そして左の上段廻し蹴りを見せる!
横蹴りのフェイントを入れながら右の突きを打つクルバノフ に、田中は左の中段廻し蹴りを放つ。ここでクルバノフが前に出て左の突きを打つが、これが田中の顔 面に入り、試合が中断される。
再開後、田中は左の前蹴りから右の下段廻し蹴り、さらに胴廻し回転蹴りを繰り出す。クルバノフは 田中の前蹴りをさばいて左の下突き、ここから左の下段廻し蹴り、左の上段廻し蹴り、後ろ廻し蹴りを 繰り出す。田中も右の下段廻し蹴りを返し、本戦の判定は0−0で延長へ。
延長、右の前蹴り、左の中段廻し蹴りで攻める田中。クルバノフは左の突き、左の下段廻し蹴り、右 の下段廻し蹴りで田中のバランスを崩す。クルバノフは右の突きから左の下段廻し蹴り、田中も右の蹴 りを返して前に出る。右、左の突きから右の下段廻し蹴りの田中。これで田中はクルバノフを下がらせ 、クルバノフの周りを回りながら突きの連打をまとめる。クルバノフは下がりながら後ろ廻し蹴りを狙 うが、前に出続けるのは田中だ。延長判定は3−0で田中! 田中が強敵クルバノフから勝利をもぎ取っ た。
▼準々決勝
○森 善十朗(東京城西)
延長2回 判定5−0
●荒田昇毅(千葉県南)
2回戦でニコライ・ダビドフ、 4回戦でザハリ・ダミヤノフを下して、海外勢の上位進出を食い止める活躍を見せた荒田が森と対戦。
じりじりと圧力をかけて前に出る荒田。左右の突きと膝蹴りで森を下がらせる。森はステップを踏み ながら距離を取って右の下段蹴り、細かく突きをまとめて右の中段蹴り、胴廻し回転蹴り。荒田はプレッシャーをかけて森を場外まで追い込み左右の突きと膝蹴り。森が左右の突き、右の下段廻し蹴り。荒 田も必死に前に出て、判定は0−0で延長へ。
延長、荒田の周りをグルグルと回る森。荒田が前に出てきたところに左の突き、そして右の下段蹴り 。荒田は森を場外際まで追い詰めると突きのラッシュ! 下がる森を追いかけるように前に出る。森は 荒田が右の上段廻し蹴りを狙うが、当たりは浅い。ここも判定は0−0で延長2回へ。
延長2回、一気に前に出る荒田は突きの連打! 森も突きから左の下段廻し蹴りを返す。荒田はその蹴 りを受けて左右の突きで前に出る。突きと蹴りを打っては離れ、自分の攻撃を当てる森。荒田は距離を詰めて左右の突きを まとめる。森は下がりながら荒田の右足に左の下段廻し蹴り。最後は荒田が前に出てラッシュを仕掛けるが、森も激しく打ち合う。再延長は判定5−0で森の勝利となった。
▼4回戦
○荒田昇毅(千葉県南)
延長2回 判定5−0
●ザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア)
初日の2回戦ではニコライ・ダビドフに勝利している荒田だが、1回戦でアバラを負傷し、大会医師から骨折の疑いありとの診断も、それを押して自らの意思で試合を続け、4回戦に進出。第40回全日本大会準優勝&第4回 全世界ウエイト制重量級準優勝の実績を持ち、レチ・クルバノフと並ぶ強豪外国人として注目を集めて いるダミヤノフと対戦した。
本戦、荒田は左の突きと膝蹴りで前進。ダミヤノフも左の下突き、右の下段蹴りを返して、荒田を迎 え撃つ。本戦の判定は2−0(荒田)となり延長戦に入る。延長戦でダミヤノフのボディへの攻撃、
そして右の下段廻し蹴りに苦しめられる荒田だったが、必死に右の突きで前に出て反撃する。本戦とは逆に 延長の判定は2−0(ダミヤノフ)となり、延長2回へ。
延長2回、気力を振り絞って前に出る荒田! 左右の突きと膝蹴り、そして前蹴りでダミヤノフを場外 まで吹っ飛ばす。その後は一進一退の攻防が続くが、ダミヤノフを場外間際に追い込んだ荒田が再び猛 ラッシュ! 荒田が再延長の末、判定5−0でダミヤノフを撃破した。
▼3回戦
○中村昌永(兵庫大阪南)
延長2回 判定3−0
●高橋佑汰(東京城北)
大会前に最年少V宣言をした17歳の高橋と、第2回&第3回全世界大会を連覇した“世界の重戦車”中村 誠師範(現・関西地区本部長兼兵庫大阪南支部長)の息子である中村昌永が3回戦で激突。
試合は高橋が 距離を取りながら、強烈な中段廻し蹴り、膝蹴りを狙っていくが、中村が左右の突きで前進。徐々に距 離を潰し、接近戦に持ち込むとラッシュを仕掛ける。互いに足を止めて打ち合う展開となるが、中村が 手数の多さで高橋から勝利をもぎ取った。(中村は4回戦で沢田秀男に判定4−0で敗れる)
★決勝(タリエルVS森)、3位決定戦(田中VS沢田)、準決勝(タリエルVS田中、森VS沢田)の試合結果はこちら
<入賞者>
優勝 タリエル・ニコラシビリ(ロシア)
準優勝 森善十朗(東京城西)
3位 田中健太郎(川崎中原)
4位 沢田秀男(正道会館)
5位 荒田昇毅(千葉県南)
6位 小林大起(東京城西)
7位 レチ・クルバノフ(ロシア)
8位 鎌田翔平(東京城西)
敢闘賞 中村昌永(兵庫大阪南)
技能賞 森善十朗(東京城西)
新人賞 高橋佑汰(東京城北)
試割賞 荒木 聡(浅草・22枚)
●松井章圭館長の総括
「(全日本王座が海外流出したのは)仕方がないでしょう。これを負の結果と捉えるのか前向きに捉えるのかは我々次第です。タリエル選手は清々しく爽やかですし、気合いも十分。反則に対しても潔く過分にアピールすることなく臨んでいました。日本人選手は全てにおいて彼を見習わなくてはならない、立派なチャンピオンだと思います。テイシェイラとはいいライバルになるのではないでしょうか。勝てる可能性はあると思います。
田中君は準決勝で負けましたが、内容的には来年の世界大会では優勝候補の一角と言っていい選手だと思いました。日本の主将格にとって不足ない。森君には欲を言えばもう少し頑張って欲しかった。鎌田君も頑張りましたし、小林君も日本の戦力としての可能性が見えました。荒田君はウェイト制重量級で優勝した分だけ期待が高かったので少し欲求不満が残ります。しかし、若手はみんな頑張ったと思います。
高橋選手にはもの凄く期待していますし、それは今も変わりません。もの凄い可能性を秘めています。1回戦を見てバランスが素晴らしいと思いました。僕も17歳で全日本大会に出て4位になりましたが、その時の自分と高橋君がやったら間違いなく僕はかないません。これから強くなると思います」
GBRの「極真会館・第42回全日本大会」特集
高橋佑汰VSガンダム、田中健太郎VS赤石誠のスパーリング、森善十朗の日本海式竜巻蹴り、房総の金太郎・荒田昇毅の破天荒すぎる猛特訓などを動画で!インタビューも多数あり |
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