4月8日(水)東京・新宿バルト9シアター8にて、3月31日(水・現地時間)アメリカ・ノースカロライナ州シャーロットのボージャングルズ・コロシアムで開催された『UFC FIGHT NIGHT:FLORIAN VS GOMI』のパブリックビューイングが行われた。このイベントは同日22:00からテレビ東京で放映された同番組を、映画館の大スクリーンで上映するというもの。
上映中は岡見勇信のKO勝利に拍手と歓声が沸き起こったり、まるでセコンドに就いているような秋山成勲の熱い応援解説に笑いが起こったりとなかなかの盛り上がり。しかし、最も場内が盛り上がったのは、番組上映後、出場した3人の日本人選手が場内に現れた時だった。
トークショーで3選手は以下のようにコメント。
宇野薫
「(試合の感想は)悔しいです。相手の左ストレートが効いてしまいました。相手が得意なものに対して上手く対処しようと思ったんですが、はぐらかされてしまいました。
自分の持ち味であるスピード、動きを出せば……と思っていたんですが、最初から考えていたのかもしれませんが寝技に付き合ってくれなかったですね。スタンドも強いのは知っていましたが、それよりもタックルの方が得意だと思っていたので、それが来ないのにビックリしました。
(UFCは)自分の思うように出来ない舞台。自分はそれに挑戦する。いい動きが出来れば、と常に思っています。今回は負けてしまいましたが、納得いかない部分もありまして、納得いく試合を今度はしたいと思います」
岡見勇信
「(試合の感想は)ホッとしています。(現地の新聞の一面を飾り)凄く嬉しかったです。相手は寝技が得意だと思っていたんですが、インタビューで打撃で仕留めに来ると言っていたので自分も気合が入りました。(踏み込んでの左右ストレートは)前に出ることを自分で意識していました。前回の負け方は悔しかったので、そういう気持ちを持って挑んだんです。ヒザが最初に入って相手の顔が変わり、自分の中でペースをつかめてきて、そこから自分のペースが来たと思いました。
前回負けて崖っぷちだったので、今回は一からの再スタートと思っていましたね。今回勝てたので次のステップへ進んで、次もしっかり勝てばそこから頂が見えてくると思います。今回は勝ててホッとしていて、応援ありがとうございました。一からの再スタートと思っているので、気を引き締めて頑張っていきます」
五味隆典
「(試合の感想は)見たまんまです。日本でのチャレンジが終わったという考えからUFCで最後のチャレンジをしたいと交渉を続けてきて、今年正式に決まりました。1月末に相手も決まって、約3カ月でのチャレンジで。自分にとって憧れの舞台だったので、迫ってくるまで実感がなかったです。向こうでも思った以上に盛り上がってくれましたね。
ただ、自分にとっては一からのチャレンジだと思っていたので、そのギャップがありました。チャンピオンだったのはもう何年か前のことだし、自分としては一からのつもりだったんですが、アメリカのプロモーションビデオのインタビューで“チャレンジだ”と言ったら、“何を言っているんだ。お前はPRIDEのチャンピオンだろう”って感じで言われたので、現地に入ってからリキむようになってしまったんですね。でも、この試合で本当にゼロからリセット出来た感じがあるので、今はよかったと思っています。
もうこれでアメリカのファンにも、チャンピオンとして見られることはないと思うので、原点に戻って格闘技を楽しみながらやろうと思っています。前の試合はKOがあっただけで技術的に高いとは思わないので、前へ出るというデビューした頃の気持ちとスタイルを取り戻して次は挑みたいと思います。
UFCはリングチェックがなくて、試合の時に初めて入ったんですよ。その時はアメリカの舞台にやっと辿り着いたという気持ちでしたね。独特の緊張感がありました。金網はBJ・ペンにやられた時のトラウマがありましたが、今回の試合で冷静にやれば試合が作っていけると分かったのでよかったです。グラウンドのヒジもあるので、厳しいリングだと思います。
今回はファンの皆さんにガッカリさせてしまいましたが、リセットして身体と技術を作り直して、時間をかけてチャレンジしていきます。20代前半から宇野選手はUFCに参戦していたので、宇野選手のチャレンジする姿勢を見習ってチャレンジを続けようと思います。次はKOします」
記者との質疑応答で「今後はどういう練習をしていくのか」と聞かれた五味は、「ずっと試合を求めて練習し続けて来たので、少し昔の木口道場でやってた楽しみながらやる部分、個人的な対策の練習でなく厚みのある練習を取り入れたいと思います」と答えた。また、宇野は「試合前に五味選手と練習が出来なかったので、こういう機会をいただいたので五味選手と練習する機会があればやってみたいと思っています」と、五味との合同練習を希望した。
次の試合はいつになるのかと聞かれた五味は「年末です(笑)」と冗談を言った後、「キチッと練習を積めて、格闘技が楽しいと思える練習期間がとれたら考えていきたい」と、しばらくは練習に専念すると明かしている。
イベントの最後はサイン入りUFCグローブやTシャツが当たるプレゼント抽選会が行われ、五味は自分のTシャツをプレゼントに提供するなどして明るい表情でファンと接していた。
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