6月21日(月)東京・広尾にある秋山道場にて、秋山成勲が公開練習を行った。秋山は7月3日(土)アメリカ・ラスベガスで開催される「UFC116 LESNAR VS CARWIN」で元PRIDEミドル級王者ヴァンダレイ・シウバと対戦する。
「大きな怪我もなく、調整は順調に来ていますね。朝から夜まで三回練習する日もありますし、少なくても一日二回は練習しています」と現在の練習状況を報告した秋山。
この日の公開練習で秋山は元全日本キックボクシング連盟ミドル級2位の白川裕規を相手にパンチを中心としたミット打ちを披露。秋山の左フックで白川の持つミットが吹っ飛ぶ場面があるなど、非常に切れを感じさせるパンチを叩き込んでいった。
対戦相手のシウバを「(UFCでは)チャンピオンクラスと試合をして負けているだけで、謙遜ではなく今でもトップファイターだと思います」と高く評価する秋山は、「タックルの防御が完璧じゃない、そのぐらいですかね。寝技になればなったで、その場で動いてやりますが、ヴァンダレイは下の防御や逃げ方や立ち方も上手じゃないですか。それも踏まえてタックルの防御が弱いのか。対策は100%じゃないけど、周りと話し合って意見を聞いて、自分が思っているところと合わせたいですね」とシウバのファイトスタイルを分析する。
ミット打ちでは下がりながら白川のパンチをブロックしてすぐに左フックを打ち返すなど、UFCでクイントン“ランペイジ”ジャクソンがシウバをKOした場面(2008年12月27日、「UFC92」)を再現するような動きも見せ、「(シウバの試合映像は)毎日見ているわけではないです。 ただ昔から見ていて残像もあるし、研究ではなくイメージできるようにはしてます」という言葉通り、しっかり自分の頭の中でシウバ戦のイメージやシュミレーションは練り上がっているようだ。
さらに秋山は技術面だけでなく「体幹を鍛えるフィジカルを多めにやりました。スクワットやデッドリフトで下半身をしっかりさせる練習をしています。圧力? それだけじゃなく、自分に足りないと思ったことをやっている感じです」とフィジカル強化にも取り込んだことを明かしている。
「総合なんで、なんでもできる形で自分のいいところを出して、相手のいいところも出しながらいい試合をしたいです。(相手のいいところも引き出したい?)そうなればいいと思うし、それだけのイベントじゃないですか。自分に余裕があれば楽しんで試合ができたらいいなと思いますね。
まだヴァンダレイにはアジアの人間が勝ってない。戦っている姿を見せたいし、それ以上のものは求めてないです。ヴァンダレイへのメッセージ? いい試合をしましょう」とシウバと名勝負をしたいと意気込む秋山。
「期間が開いてるんでプレッシャーもマイナスになる要素はないです」と過度の緊張もなく、「タイトルに近づければいいですけど、この試合でそうなるかは分からない。でも一歩でもタイトルに近づけたらいいのかなと思います」とシウバ戦に集中を高めている。
また最近では国内のトップ選手たちが秋山道場に集まり、合同練習を積んでいるが「色んな選手が来るようになって、ちょっとジムが狭く感じることもあるんです。だから本当はフルの金網とリングを置ける場所をちょっと(都心から)離れたところに探して、そういう場所で練習したいですね」と秋山道場の“メガジム化”を語る秋山。
さらに「そこでTUF(※ジ・アルティメット・ファイターの略。格闘技版のリアリティショーで、UFCが全米で大ヒットするきっかけとなったテレビ番組)をやってみたいですね。日本だけで難しければアジアも含めて。そうなればコーチ役もやりたいです。
(UFCを日本やアジアで盛り上げる存在になりたい?)僕が頭になってやろうとは思わないですし、全員で盛り上げたいですね。この状況でやれることをやるだけです」と日本版のTUF開催の夢もぶちあけている。
ZUFFA
「UFC116 LESNAR VS CARWIN」
2010年7月3日(土)アメリカ・ラスベガス MGMグランドガーデン
<主な対戦カード>
▼UFC世界ヘビー級王座統一戦 5分5R
ブロック・レスナー(アメリカ/正規王者)
VS
シェイン・カーウィン(アメリカ/暫定王者)
▼ミドル級 5分3R
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/元PRIDEミドル級王者)
VS
秋山成勲(日本/HERO’S2006ライトヘビー級王者)
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