1月27日(木)東京・戸越銀座にある吉田道場『ジェイロックワークアウトスタジオ』にて、小見川道大(吉田道場)が公開練習を行った。小見川は2月5日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで開催される『UFC 126』でチャド・メンデス(アメリカ)と対戦する。
約3年ぶりとなるUFC出場を約9日後に控え、「今はちょっと疲れが溜まっている状態ですね」という小見川。
しかし3分1Rの公開練習では、田代勝久トレーナーの持つミットにパワフルな左右のフック、アッパー、そして右ストレートを叩き込むなど、キレのある動きを披露。パンチのコンビネーションの中にタックルに合わせたヒザ蹴り、そしてヒジ打ちを織り交ぜるなど、レスリングをベースとするメンデス対策やヒジ打ちが認められたUFC対策を感じさせる動きも見せた。
今回の試合に向けて小見川は吉田道場での練習をメインとし、千葉・菅原道場での走り込み合宿、早稲田大学レスリング部でのレスリング力強化、EBISU K’s BOXでボクシングのスパーリング、そして金網が常設されている宮田和幸のジムでも練習を行った。小見川はその成果を以下のように話す。
「菅原道場での走り込みは試合前の恒例で、今回も吐きながら走ってきました(苦笑)。レスリングの練習では学生たちにこかされまくって、ずっとやられてました。でもそれでタックルへの反応やタイミングは分かってきたし、組んでからの差し合いも勉強になりました。
打撃に関しては田代さんに技術を教わりながら、加山(利治)さんにスパーリング相手を用意してもらうという感じです。加山さんにはワタナベジムで練習を見てもらっていたのですが、今年の10月に独立して恵比寿にジムを出されたので、今はそこで練習させてもらっています。ボクサーのパンチを見極めれば総合の選手のパンチは大丈夫だろうって感じで、前々からボクシングのスパーリングは続けてました。
宮田のジムに行ったのは1度だけだったんですけど、金網で練習して感触を掴んできました。壁と違って金網は“たわむ”(=まっすぐなものが弧を描いた状態になること)ので、ちょっと感覚が違いますけど、色々と分かりました。
(宮田からアドバイスは?)『柔道をやればいいよ』って感じで言われました。対戦相手の対策をやったら、あとは自分のスタイルを貫こうかなと思ってます。頭の中で色々なイメージをしています。自分の勝ちパターンは何十パターンも考えているし、いつも通りあらゆる局面において完璧な試合が出来るようにします」
またオフに中華街で手相を見てもらい「ずっと手相がよくないと思っていたんですけど、天下取りの手相(ますかけ線)があって、徳川家康と同じらしいんですよね」という小見川。「自分はパワーストーンを着けたり、方角も気にするタイプなんですけど、ラスベガスはいい方角みたいです。そうやって色んなものを自分にとっていいように解釈して試合をしようと思ってます」と運気も味方につけてアメリカに乗り込む。
過去のUFC挑戦で小見川はアウェーという感覚のまま試合をして、持ち味を出せなかった苦い経験がある。その反省を踏まえて小見川は「今は不安も大してないし、いつも通りです。UFCだからラスベガスだからとか、そういうのは関係なく、いつも通り戦えればいいなと思います。
UFCは一度経験しているんで、勝手も分かっています。前回は向こうの雰囲気に飲まれちゃったけど、今回はアウェーで試合をするというのではなく、俺のホームだという意識で試合をします。家族もアメリカに連れて行くんですよ。去年、名古屋で試合をした時もそうだったし、自分は家族と一緒に時間を過ごして試合に臨む方がいい。それが自分にとって力になります」と、UFCを自分のホームだと思って戦いたいという。
「こうやってUFCに辿り着いたのは天が与えてくれた試練だとも思う。俺が日本でチャンピオンになれなかったのは、UFCでチャンピオンになれということ。日本にいる間は、俺は世界のトップ3に入っていると思っていたけど、まずは一番下からやります。それで無敗の相手(※メンデスは9戦9勝)と試合をすることを楽しみたいですね」とUFCへの想いを語った小見川。UFCという舞台でアメリカンドリームを掴むことは出来るか?
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