「スック・フェアテックス」
2009年11月21日(現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼第7試合 113ポンド契約 3分5R
○シロー・96ピーナン(=松本志朗/治政館)
判定3−0 ※三者とも49−47
●セーンサック・シッワルンニー(タイ)
今回は8月15日に勝利した相手との再戦だ。ムエタイでは接戦だった試合は2回3回と立て続けに対戦を重ね、白黒ハッキリと決着をつけることが多い。観る側にとっても接戦の試合は面白いし、主催者側からしても層の厚いピラミッドを駆け上がっていくにはこの様なマッチメークで両者の実力を明確に把握しておきたいのだろう。
さらに今回は相手側からの再戦要求もあったということで、松本志朗としてはキッチリ差をつけて勝利しておきたい闘いだ。
試合は2R、セーンサックは案の定距離を詰め気迫で松本に体当たりに出た。ミドルの連打から組み付き、荒々しくヒザを連打。松本はこの攻撃を目立って食らったりはしなかったものの、このまま手数で圧されれば不利な判定素材になりかねない。セーンサックのこの攻めは、前回日本人に負けてしまったという汚名挽回に掛けたに意地と気迫そのものだった。
が、ここから松本は右ミドルがヒットする事を悟り、右ミドルの連蹴りみせた。相手の脇腹に食い込むような強烈さはなくとも、当てる箇所やタイミングで上手く突き、その殆どをヒットさせた。セーンサックの前進姿勢をストップさせるには充分過ぎるミドルキックだ。
3Rからこのミドルキックが定着し、以降4Rも完全に松本のラウンドとなる。
最終5Rに入りセーンサックは挽回のパンチラッシュで前に出るが、この大きなパンチが松本にヒットする事はなかった。松本は右ロー、右ミドル、前蹴りで時間を凌いだ。
採点は三者49-47で松本が文句なしの判定勝ち。今年8月時の再戦から、さらに差をつけての勝利だ。
今回は同じ相手に2勝目を挙げる事ができたが、この階級の同レベルには数え切れないほどの選手がいる。これらを一戦一戦勝ち上がり、そこではじめて平日開催興行の主要メンバーとして認められていく訳だ。そのためにも前回10月3日のルンピニー戦で16歳のフランス人、リオに判定負けしている松本としては、近い将来、リオにもキッチリと勝っておかなければならないだろう。
PHOTO&TEXT シンラパムエタイ
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