ドラゴンジム
「大震災復興チャリティーイベント戦場2」
2011年9月18日(日)宮城・仙台クラブハウスDarwin
プロ開場17:00 開始17:30
※アマチュア大会Aリーグ14開始13:30〜
3月11日(金)に起きた東日本大震災から約半年、チャリティーイベント「戦場」の2回目を開催!
このイベントは宮城県に拠点を置くドラゴンジムが主催するアマチュア・プロ合同開催のチャリティーイベント。主催者であるドラゴンジムの佐藤亮会長は、戦場というイベント名について「3月11日に起きた東日本大震災の後日、被災したドラゴンジム石巻支部のメンバーの家のボランティアをしていて、まるで戦争で爆撃を受けたような悲惨な石巻市を見て思い浮かんだ」と説明する。第1回目の大会は5月22日(日)同所で行われており、来年の3月11日まで全5回の開催を予定。
今大会では全5試合が行われ、プロ大会の前にはアマチュア大会Aリーグ14も開催された。熱戦続きの大会を終え、佐藤会長は「(8月12日)タイのクィーンズカップから帰ってきたばかりですが(佐藤会長が団長となり日本代表チームを結成しタイに選手を派遣した)、ようやく一息つけたかなという感じです。クロールでいうと4ストロークで息つぎ出来たものが、2ストロークで出来て呼吸が楽になった感じです。被災地で被災者がやるチャリティーイベントとして中途半端なことはやりたくなかった。
今回無名な選手も多かったが、選手たちの熱い気持ちで熱い試合になったと思います。みんな様々な思いを抱えて会場に来ています。『生きているからこそ熱く生きよう』ということを選手だけでなく、ご協力してくれたジムの会長にも伝えているので、気持ちを前面に出す試合が多いんじゃないかなと思います」とコメントした。なお、今大会の収益金は車椅子や畳を購入するために使われ、被災地に寄付される。
次回の「戦場3」は10月23日(日)宮城・Zepp仙台に行われ、メインイベントでは、モニカ(スウェーデン)vs神風萸暉美(=かみかぜ・ゆきみ/神風塾)の世界王者対決が決定している。
▲8月タイで敗北を喫した若山龍嗣(右)が復帰戦で勝利した
▼メインイベント(第5試合) 54.5kg契約 3分3R ※ヒジなし
○若山龍嗣(ドラゴン)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−26
●キョウヘイ・ゴールドライフジム(ゴールドライフ)
若山はチョンブリーでのタイ修行を経て、8月12日タイで行われた「クイーンズカップ」に出場。“名勝負男”の異名通り、ロンヒーサン(タイ)と激闘を繰り広げたが惜敗。今回が再起戦となる。
対するキョウヘイもイサーン地方(タイ東北地方)で長期修行の経験者を持つ純粋なナックムエニップン(日本人のムエタイ選手)。
1R、若山は右ロー連打。キョウヘイもパンチからローを返す。キョウヘイのロー連打で若山の足が止まってしまうも、若山は右アッパー、左右のフック。ロープ際でのラッシュで右ストレートをクリーンヒットさせ、キョウヘイがダウン! 立ち上がるキョウヘイに対し、若山がラッシュを仕掛けるも仕留め切れない。
2R、キョウヘイが右ロー連打を出すと、若山もパンチ三連打からローと倍返し。
さらにキョウヘイのローには若山がワンツーをカウンターで合わせる。お互いに前に出て手数を出し合う展開。
3R、右ロー連打の若山。コーナーにキョウヘイを追い込むと、パンチ連打。大きく後退したキョウヘイに対し、若山がパンチのラッシュでKO狙いにいく。しかしキョウヘイは両腕ブロックでガードし倒れない。
若山はパンチからロー、テンカオと詰めにいったが、最後まで気持ちの強さを見せたキョウヘイは倒れずに終了のゴング。
判定勝利した若山は試合後、「初めてメインイベントに選ばれて、タイの時の試合よりも緊張しました。硬くなりすぎて力みすぎたしまい倒せませんでした。これからは名前のある人と戦って自分の名前を挙げていきたいですね」とした。
▼モニカのスペシャルミット蹴り 2分1R
モニカ(スウェーデン/ドラゴン)は8月12日タイで開催された「クイーンズカップ」で大激闘大逆転勝利を収め、デビューから僅か10戦目で二冠王(MADタイトル66kg、ワンソンチャイワールドタイトル66kg)に輝いた。その勝利のあいさつを兼ねて、今大会ではミット蹴りデモンストレーションを披露。佐藤会長が持つミットに強烈なパンチとヒザのコンビネーション。
熱くなった佐藤会長がスネガードがないまま重いミドルを返すと、そのド迫力ある攻防に会場からはどよめきが起こる場面もあった。あっという間にミット蹴りが終了し、マイクを握ったモニカ。
10月23日「戦場3」のメインで神風萸暉美(=かみかぜ・ゆきみ/神風塾)との試合が決定しており、「前回(2010年12月5日)私は2Rに勝っていますが、神風選手は負けないように練習してくるでしょう。
彼女もタイで世界のベルトを獲ったのでチャンピオン対決になります。私も負けずに練習しているので、面白い試合になるでしょう」と次戦に向けて意気込みを語る。そして被災者に対して「みんなで頑張れば乗り越えられます。仲間も頑張っています。人の心を感じて下さい」と温かいメッセージを送っていた。
▲倒れた齋藤智宏(下)を挑発するシンタロウ
▼第4試合 ミドル級 3分3R
○シンタロウ(フリー)
KO 3R1分10秒
●齋藤智宏(ヨックタイ)
これまでにルーツのリングで紅闘志也とドローの経験を持つシンタロウ。ドラゴンジム主催興行では藤野龍(DRAGON)と2度に渡る激闘を繰り広げた。肩一面の刺青、イケイケモード全開のファイトスタイルでキャラも定着し、もはやドラゴンジム興行には欠かせない選手となった。戦績は11戦7勝(2KO)3敗。対する齋藤はシンタロウよりも11cm長身の189cm、戦績は2戦1勝1敗。
1R、ミドル、ワンツーでプレッシャーをかける齋藤。序盤は押されるシンタロウだが、ローから左ボディ。さらにアッパーとパンチ連打で反撃に出る。
シンタロウの勢いに押されるように齋藤が倒れると、シンタロウはさらに攻撃を仕掛けるように挑発したために、レフェリーが慌てて制止する。
2R、齋藤は右ミドル、ヒザ。シンタロウは右ロー連打を見せる。お互いに1歩も引かない打ち合いとなった。3R、シンタロウは接近戦で左ボディを叩く。さらにパンチ連打で追い込むと、齋藤は崩れるようにダウン! シンタロウがラッシュを仕掛け、そのままKO勝ちを収めた。
▲和幸(左)を右ミドルで追い込むダイナマイト柿崎
▼第3試合 62kg契約 3分3R
○ダイナマイト柿崎(ドラゴン)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●和幸・ゴールドライフジム(ゴールドライフ)
ダイナマイトはアマチュア全勝で昨年2月にヨーユット戦でプロデビュー。敗れはしたが、それ以来3戦3勝。5月のNJKFセンチャイ興行で日本人相手に初の敗北を喫した。対する和幸は、アマやプロのキャリアは豊富であり、戦績は柿崎を上回る。
1R、ミドルを蹴り合う両者。柿崎は右ミドルを的確に当てて行き、ワンツーもヒット。徐々に主導権を握る。
2R、柿崎は右ストレートをクリーンヒットさせ、コーナーに詰めて連打! 右ミドル、右ハイとさらに追撃。3R、スタミナで上回る柿崎が手数で上回り、和幸は大きく後退。
柿崎は前に出続け、和幸がパンチで反撃してもミドルで突き放す。タフな和幸を仕留められなかったが、柿崎が判定で勝利をモノにした。
▲川野光(左)が飛びヒザ蹴りでダウンを奪った
▼第2試合 55kg契約 3分3R
○川野 光(KAGAYAKI)
判定3−0 ※三者とも29−28
●高橋茂章(KIX)
プロ2戦目でシュートボクシングルールの経験もある川野。対する高橋は「戦場1」のメインで若山龍嗣と大接戦を演じた。
1R、じりじりと圧力をかける高橋は左フック、右ロー。川野はワンツー、ローを打ってはすぐに距離を取る。高橋がコーナに追い込むも、川野は後ろを向いて逃げるなどトリッキーな動きで翻弄する。
2R、パンチ連打を見せる高橋に対し、遠い間合いから勢いよく飛びヒザを放った川野。これが高橋のアゴを直撃しダウン! 立ち上がった高橋に、川野は猛追撃を見せる。
3R、ダウンした分を巻き返そうと高橋は反撃に出る。川野は前蹴りで距離を取り勢いを止める。判定決着となり、川野が勝利を収めた。
▲激しい打ち合いを展開した児玉仁志(左)と近藤学
▼第1試合 ヘビー級 3分3R
○児玉仁志(闘鶏)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−27
●近藤 学(KAGAYAKI)※デビュー戦
児玉は「戦場1」で菊地純一(ヨックタイ)にKO負けしてからの復帰戦。対する近藤はドラゴンジムが主催するアマチュア大会Aリーグのヘビー級ランキング2位だったが、今回大抜擢されてプロデビューとなった。
1R、児玉は序盤から首相撲を仕掛けヒザ。近藤はワンツーを出すが、児玉はひたすら組み付いてヒザ。ひたすら前に出る児玉が手数で上回り、判定勝ちした。
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