9月22日(水)東京・大森のゴールドジムで、9・25『K-1
WORLD GP 2004 in TOKYO開幕戦』(東京・日本武道館)にてゲーリー・グッドリッジと対戦するマイティ・モーが公開練習を行った。
ヘビーバッグが大きく揺れる。モーのフィニッシュブローだという右フックとオーバーハンドフックを受けて、鎖が千切れそうな悲鳴を上げていた。8月7日、米国ラスベガスで開催された世界最終予選でセルゲイ・グール、スコット・ライティ、ブレック・ウォレスらを破って優勝したモーは、今回がK-1GP初エントリー。谷川プロデューサーも「個人的に期待している」と、総合格闘技もこなすこの男に“マーク・ハント二世”を見ている。
●リングネームの「マイティ」の由来とは…
「マイティ・モー」はリングネームだが、その由来には恐るべきエピソードが隠されていた。まだプロ格闘家になる前の仕事で、工事をしている時に三階建てのビルが崩れ、モーはその下敷きになってしまったのだ。しかし、それほどの事故にもかかわらずモーは目の上のかすり傷ひとつで済んだという。瓦礫の中から無事に出てきた彼を見て、仲間たちが「Mighty!=力強い、偉大な、強大な」というニックネームを名づけた。
「世界トップレベルの選手たちと闘って、マイティ・モーの名を世界に知らしめたい。ゲーリーは世界トップレベルの選手なので、倒せば気持ちがいいだろう。今回のGPはとても重要だと思っている」と言うモーは、「なにしろ生活がかかっているからね」とハングリーな一面も覗かせた。
以前ラスベガスに住んでいる頃は工事現場に出ていたが、プロ・ファイターになる事が目的になってからは警備員やバウンサー(用心棒)の仕事をするようになった。夜間に働き、昼間は練習するためだ。現在は兄などの家族の他に、4人の自分の子供と6人の甥っ子の面倒も見ている。だから、「今の仕事は子供の世話だ。これが大変なんだよ」と笑う。
子供が好きなのは、複雑な家庭環境が影響しているようだ。「母は17年前に亡くなり、今もその辛い思いを抱えている。父はその後、再婚して別の家庭を築き上げている。だから、俺はおじいさんとおばあさんに育てられたんだ」。
モーは当初、プロボクサーになるためにジムへ通い始めた。そこでエディ・ミレスというトレーナーと出会い、「キミはキックボクシングの方が向いている」と言われ、キックを始めたのだという。キックを学ぶうちに「自分はキックボクシングをやるために生まれてきたと思った」ほど、エディトレーナーはモーの才能を伸ばしてくれた。
●アゴの強さが勝敗を決める
「K-1の試合はラスベガス大会を何度も見に行ってた。そして、こんな大きな大会に絶対に参加したい、自分もその闘いの中に入りたいと思っていた」というモーは、ラスベガスの世界最終予選でその夢を掴んだわけだ。
グッドリッジ戦については、「アゴがどれだけ強いパンチを受けられるかで決まる。俺はゲーリーのパンチを受けきる自信があるよ。今まで堀啓のハイキック、セルゲイ・グールのパンチを受けても平気だったし、KO負けした事は一度もない。でも、ゲーリーは俺のパンチを受けきれるかな?」と、妙に具体性のある抱負を述べた。殴り合いになったら、倒れるのは向こうだというわけである。「1RでKOできなければ、3RにKOで終わるだろう。それも出来なければ、判定勝ちかな」。
さらに、意外な一面がある事も分かった。「俺の闘いのポリシーは、絶対に相手から目を離さないこと。そして、頭を常にクールにしておくという事だ。俺はパワーファイターだが、単なるパワーファイターではなく、頭を使えるところが自分の強さだと思っている」と、実は戦略を重要視する“知性派”であった事を明らかにした。
「今までいろんなスポーツをやってきた。ラグビー、アメフト、レスリング…大きな体を動かすのが大変だが、パワーは十分にあるのでウェイトトレーニングはほとんどやらない。それよりも、スピードとタイミング、パンチの当たる場所を考えて、その繰り返しがメインの練習となっている。格闘技はスピードとタイミングが重要なんだよ」と語るモー。どうやら、自らが言うようにパワーや体力だけにものをいわせるファイターではないらしい。「K-1ファイターは全て尊敬しているが、特にレイ・セフォーとチャンピオンのレミー・ボンヤスキーを尊敬している。彼らのような、自分の戦略術を身に付けたいと思っているんだ」。しかし、「考えすぎると自然にパンチが出せなくなるから、シンプルに考えるんだ」とも。
「ファンには必ず面白い試合、ファンタジーを見せる自信がある。K-1を制覇したい」とモー。頭脳を持った“不倒王”は、K-1のリングに旋風を巻き起こす事が出来るか。新サモアの怪人が、原点回帰のK-1GPに打って出る!
マイティ・モー
1973年10月8日、US領サモア出身
身長185cm、体重127s
シャークタンクジム所属
ノースウェストタフマンコンテスト優勝
UAGFヘビー級王者
K-1 WORLD GP 2004 in LasVegas優勝
戦績24勝(19KO)2敗 K-1戦績5勝(4KO)1敗
2004年2月15日、K-1JAPAN沖縄大会で初来日
同年4月のラスベガス大会でカーター・ウィリアムスをTKOに下して一躍名を挙げた。
「アルゼ K-1 WORLD GP2004 in TOKYO 開幕戦」
FEG/フジテレビ
2004年9月25日(土)東京・日本武道館
開場15:30 開始17:00
<全対戦カード>
▼K-1ルール スーパーファイト
レミー・ボンヤスキー(オランダ/メジロジム)
VS
曙(日本/チーム・ヨコヅナ)
▼K-1 WORLD GP2004 開幕戦
武蔵(日本/正道会館)
VS
シリル・アビディ(フランス/ブリゾンジム)
▼K-1 WORLD GP2004 開幕戦
アーネスト・ホースト(オランダ/ボスジム)
VS
グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真会館ブラジル支部)
▼K-1 WORLD GP2004 開幕戦
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ)
VS
マイケル・マクドナルド(カナダ/フリー)
▼K-1WORLD GP2004 開幕戦
ジェロム・レ・バンナ(フランス/ボーア・ボエル&トサジム)
VS
フランソワ・"ザ・ホワイトバッファロー"・ボタ(南アフリカ/スティーブズジム)
▼K-1 WORLD GP2004 開幕戦
レイ・セフォー(ニュージーランド/ファイトアカデミー)
VS
天田ヒロミ(日本/TENKA 510)
▼K-1 WORLD GP2004 開幕戦
ゲーリー・グッドリッジ(トリニダード・トバゴ/フリー)
VS
マイティ・モー(アメリカ/シャークタンク・ジム)
▼K-1 WORLD GP2004 開幕戦
アレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ/チヌックジム)
VS
ガオグライ・ゲーンノラシン(タイ/伊原道場)
<チケット料金>
VIP席100,000円 SRS席30,000円
スタンドSRS席30,000円 RS席20,000円
S席12,000円 A席7,000円
※当日券は15:00より会場チケット売り場で発売
<チケット販売所>
FEG公式サイト=http://eee.eplus.co.jp/K-1official/k-1official.html
※当日券は15:00より会場チケット売り場で発売
<チケットお問い合わせ>
キョードー東京 03−3498−999
<大会に関するお問い合わせ>
FEG 03−3796−506
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