3月13日(火)愛知・名古屋市内のホテルにて『HERO'S2007開幕戦〜名古屋初上陸〜』の一夜明け会見が行われ、前田日明HERO'Sスーパーバイザー(以下、SV)が全試合を振り返る、総括コメントを残した。
そのコメントの中で前田SVは、ブラックマンバ(インド)に一本勝ちした宮田和幸(フリー)の名前を挙げて、「KID戦まではレスリングと総合の技術が別ものの試合だったけど、昨日の試合では技術が活きてくるようになって、色んな技術のオンパレードだった。今年の宮田君は化けるんじゃないかなと思います」と、期待を寄せた。以下、各試合の総評。
▼メインイベント 第10試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○所 英男(日本/チームゼスト)
一本 1R3分00秒 ※腕ひしぎ十字固め
●安廣一哉(日本/正道会館)
安廣君は急に試合が決まった部分はあったけれど、所の方が順序よく関節技を極めたと思います。ただ所は試合中に止まってしまう場面があったし、受身の試合が多い。これからは自分から仕掛けていかないといけない。所にとってはいい経験になったと思います。
▼セミファイナル HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
一本 1R1分59秒 ※腕ひしぎ十字固め
●アリ・イブラヒム(エジプト/フリー)
宇野君はいつも安心して試合を見ていられる選手で、フィニッシュまでに時間はかかりましたが、上手くバッと極めたと思います。
▼第8試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○宮田和幸(日本/フリー)
一本 1R3分38秒 ※変形チョークスリーパー
●ブラックマンバ(インド/フリー)
宮田君は、レスリングと総合格闘技は違うと思っていたかもしれないけど、実際はそうじゃない。レスリングの技術でも総合格闘技で活かせる場面があるんです。彼には「そうやって技術をつなげていくことで自分のスタイルが出来るんだよ」と話しました。昨日の試合で宮田君は成長を見せたと思います。
▼第7試合 HERO’Sルール 85kg契約1R10分 2R5分 延長R5分
○桜庭和志(日本/フリー)
一本 1R1分26秒 ※腕ひしぎ十字固め
●ユーリー“プレイボーイ”キセリオ(ウクライナ/ファイトスター)
昨日の桜庭は変に良い試合をしようとせずに、勝ちに徹した試合で安心して試合を見ていられました。
▼第6試合 HERO'Sルール 5分3R
○ゲーリー・グッドリッジ(トリニダードトバゴ/フリー)
TKO 1R3分00秒
●ヤン“ザ・ジャイアント”ノルキヤ(南アフリカ/スティーブズ)
これはもう打撃戦、タフで頑丈な方が勝ったと思います。
▼第5試合 HERO’Sルール 5分3R
○柴田勝頼(日本/ARMS)
TKO 1R0分09秒
●山本宜久(日本/フリー)
柴田は山本が様子見で蹴ったところに、上手くカウンターを当てたことが良かったですね。飲み込みの良さやタイミングの良さを感じました。ただ試合が短かった分、総合的にはまだ見えない部分がある。これから相手が警戒して対策を練っていくことになるので、そこからでしょう。柴田が練習を始めた頃に、船木と会話して「少しずつよくなっています」というのを聞いて、頑張ってるんだなと思っていました。山本に関しては、気持ちに引きずられてしまって、試合が上手く回っていなかったですね。
▼第4試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ)
TKO 1R3分29秒 ※ドクターストップ
●高谷裕之(日本/フリー)
ジダはミドル級トーナメントで台風の目になる、要注意の選手だと思います。所なんかもこのジダをマークしておかないといけない。ジダに負けて一回戦敗退となると、井上和香&サトエリ攻略も水泡に消えるでしょう(笑)
▼第3試合 HERO’Sルール 70kg契約5分3R
○ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノバウ二オン)
一本 1R1分48秒 ※腕ひしぎ十字固め
●上山龍紀(日本/U-FILE CAMP)
シャオリンのグラウンドの上手さが光りましたね。特に極める前の脇や膝の締め付けはすごかったと思います。
▼第2試合 HERO’Sルール 5分3R
○マイティ・モー(アメリカ/シャークタンク)
TKO 1R2分37秒
●キム・ミンス(韓国/リングスコリア)
モーはずっと総合格闘技向きの気がしていましたが、腰が重たくて、テイクダウンしようとした瞬間にあのサモアンフックが飛んでくると、相手はよけきれないでしょう。
▼第1試合 HERO’Sルール 85kg契約1R10分 2R5分 延長R5分
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
TKO 1R2分36秒
●高橋義生(日本/パンクラス)
高橋君には「打ち合わない方がいいよ」と言っていたんですが、マヌーフのスピードに捕まってしまいましたね。高橋君とは結婚式の時に、高阪が間に入ってくれて、色々と話をしました。「そうだったんだな」と感じて、今は特に何もありません。当時、あの事件があった時は、色んな人間がいて、自分たちをたきつけた部分がありました。高橋君と話してみると、気のいい純粋な選手なんだなと感じましたし、彼に対しては頑張って欲しいと思います。
桜庭もそうですけど、高橋君たちの世代は、結果以外のことを求められていて、試合を盛り上げようと余計な動きをしてしまう。総合格闘技の黎明期で戦って来た選手は求められることが多かった。だからダメージを引きずっている部分があるんです。でも彼らが身を呈して頑張ってくれたからこそ、総合格闘技の礎が出来たわけで、総合格闘技のファンが増え、認知度が高まっていきました。彼らが今もこうやって戦っている姿を見ると、感慨深いものがあります。
●2007年HERO’Sの予定年間スケジュール
5月後半か6月初旬 アメリカ大会(予定)
7月、9月 トーナメント開催(予定)
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