9月8日(月)東京・葛飾区立石にある青春塾で、同ジム所属の全日本スーパーフェザー級チャンピオン石川直生と同ウェルター級チャンピオン山本優弥の公開練習が行われた。
両選手は9月19日(金)東京・後楽園ホールにて開催される全日本キックボクシング連盟主催『SWORD
FIGHT 2008』の日本VSタイ5対5マッチに出場、石川は大将戦で元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペッエーク・ソー.スワンパクティーと、山本は次鋒戦でルンピニースタジアム認定スーパーライト級7位&プロムエタイ協会同級9位サムランチャイ・96ピーナンと対戦する。
山本は現役ランカーとの対戦を前に、「最近の映像を3試合くらい見たんですが、パンチや蹴りをやるとすぐ組んでくる相手なんですよ。1、2Rは様子を見てソツのない攻撃をして、ディフェンス重視で倒す気はなくて首相撲ばかりしてくるので、ナオキック風に言うと“はずれ”のタイ人です。どうしようかな…と思っています」と、いきなりネガティブなコメント!
石川がペッエークを「タイ人には珍しいファイター。僕が楽しい試合だった、お客さんが満足してくれる試合になるような“当たり”のタイ人であることを期待します」とコメントしたのに対し、「僕は“はずれ”」と評価したのである。
山本はさらに「面白くない試合になりそうです」とまで言い、「お客さんが面白くなくても自分はけっこう楽しかったりすることが多いんですけど、自分もお客さんも楽しくないのは嫌なのでどっちかを取ろうと思っています」と、悩んでいる胸中を告白した。
「やられないようにしたらサムゴー戦みたいになって自分はけっこう楽しいんですけど、お客さんには伝わりづらいですよね。ヒザをいっぱい喰らって倒れる寸前になるか実際に倒れたら向こうは仕留めに来るので、わざとじゃないですけどヒザをいっぱいもらって弱ったと見せかけ、相手が来たところで殴るくらいしか今のところ方法が見つからない……。でも、それをやったら倒される可能性もあるのでどうしようかな。
ヒザさえ防げばあとのパーツで勝てるかって言ったらそうでもなく、パンチを全然もらわないし、ローキックのカットも完璧なので。うーん……運動神経がいいし、怪我をしないで無難に闘う術を身に付けていますね。自分は首相撲が出来る人間が一番強いと思うんですが、それを凄く上手く活かしている。まさに“ハズレ”のタイ人です」
どこまでもネガティブに相手の印象を語る山本。サムランチャイは「ユウヤはパンチとローキックでガンガン来る奴だと聞いているから、俺も同じ間合いで打ち合いに応じるよ」とコメントしているが、山本は「言ってるだけでしょう」と本気にしていない。
「それだったらヒジもヒザもなしでパンチとローで来て欲しいですけど。多分、1〜2Rを自分が上手いこと進めたら、3〜5Rは絶対にヒザで来ると思う。首相撲に絶対の自信を持っているでしょうから。ダラダラ行って隙を突いて殴るか。自分もガンガン行って倒せるタイプじゃないですからね。
多分、考え方とか自分とちょっと似ていると思うんですよ。ディフェンシブで攻めるふりだけして、あまり倒そうとしないんで(笑)。そういうヤツって仕留めるのが難しいんです。自分もあまりダウンしないし、KO負けもないので。自分に似ていて自分より優れているものが多くて、首相撲も出来るっていうのは一番勝ちづらい」と、サムランチャイは自分の“バージョンアップ版”だと考えているのが、ネガティブ発言の根本にあるらしい。
実はサムランチャイ、石川が今年5月にタイの96ピーナンジムへ練習に行った時に「一番ミットを持ってくれたのが、ガイスウィットというトレーナーとサムランチャイでした」ということで接点があるという。
「サムランチャイの方がテクニックを色々と教えてくれて、首相撲のコツを教えてくれました。ただ、優弥にアドバイスをしようにもサムランチャに教わっただけで練習は見てないんですよ。見たことといえば、ミットを持っているところとサッカーをやっていたところくらいで。あとはノンオーの首相撲に付き合うくらい。だからどういうタイプかも知らなかった」
しかし、実物を見た石川は山本とは違う雰囲気をサムランチャイから感じ取った。
「こいつの試合を見てみたいなと思うくらい、色気のあるカッコいい男でした。こいつに日本で試合をさせたいなって思いましたね。総合格闘技とかに出ても通用するんじゃないかってくらいの、体術としての首相撲が凄く上手です。体重差はあるけれど、ノンオーでも首相撲をやって勝てないくらい。それに、身長とか体型が優弥と本当に似ているんですよ。だから優弥とやったら面白いだろうな、どういう試合になるんだろうなって思っていた矢先に、会長が持ってきた対戦カードがコレでした。優弥の前で“会長、こいつヤバイっすよ。強いですよ!”って言ってしまいましたね(笑)。でも、見てみたかった対戦です。色気のある日本向けの選手だと思いますし、それこそブアカーオみたいに日本向けの試合をしたら、人気の出る選手になると思います」
山本は「ヒジとヒザに気をつけるくらいで、特別な対策はやってない」とも。
「ナオキックと首相撲をやって、前よりも上手くなっていると言われましたが、相手がこうだからと言って自分を変えるようなことはしません。自分を変えるのは時間がかかるし、一番危ないことでもあるので。子供の頃からずっと首相撲をやってきた人間に、今から1ヵ月間必死に首相撲を練習しても…。全くやらないわけじゃないですけどね。身のこなしとかは自分も小さい頃から動いているので、違う方法で対処します」と対策があるかのような口ぶりだったが、「ま、上手く行かないとは思いますけど、何とかします」とやはり悲観的。
それでも最後には、「日本VSタイ5対5なので、みんな勝てればいいですよね。そう思います」と、ようやく“勝つ”という言葉が聞けた。
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「SWORD FIGHT 2008〜日本VSタイ5対5マッチ〜」
2008年9月19日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30
オープニングファイト開始17:45
<全対戦カード>
▼第8試合 日本VSタイ大将戦 59kg契約 3分5R
石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
VS
ペッエーク・ソー.スワンパクティー(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者)
▼第7試合 日本VSタイ副将戦 58kg契約 3分5R
山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)
VS
コムパヤック・ウィラサクレック(タイ/M-1スーパーバンタム級王者)
▼第6試合 日本VSタイ中堅戦 55kg契約 3分5R
藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
VS
チャートピチット・ソー.ポンチャイ(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定フライ級8位)
▼第5試合 日本VSタイ次鋒戦 68kg契約 3分5R
山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
VS
サムランチャイ・96ピーナン(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーライト級7位
、プロムエタイ協会同級9位 )
▼第4試合 日本VSタイ先鋒戦 63kg契約 3分5R
吉本光志(AJ/IKMF東洋ライト級王者)
VS
カノンスック・ウィラサクレック(タイ/M-1フェザー級王者)
▼第3試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
正巳(勇心館/同級8位)
VS
ソルデティグレ・ヨースケ(UWFスネークピットジャパン)
▼第2試合 58kg契約 サドンデスマッチ 3分3R
岩切博文(月心会/全日本フェザー級6位)
VS
白鳥 剣(新東金/MA日本キックボクシング連盟)
▼第1試合 フェザー級 3分3R
石井振一郎(チャモアペット)
VS
小山泰明(建部館/2007年度全日本学生キックフェザー級王者)
▼オープニングファイト第3試合 スーパー・フェザー級3分3R
中向居尚輝(S.V.G.)
VS
大前力也(WSK/KSS健生館)
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級3分3R
KOTARO(SOUL GARAGE)
VS
伊藤将彦(STRUGGLE)
▼オープニングファイト第1試合 ライト級3分3R
丹藤義則(AJ)
VS
原田直樹(青春塾)
<チケット料金>
SRS席12,000円 RS席8,000円
S席6,000円 A席4,000円
※SRS席は全日本キックのみで販売、当日券は各席500円増し。
<チケット販売所>
チケットぴあ
イープラス
後楽園ホール
全日本キック
<お問い合わせ>
全日本キック=TEL:03−3365−1171
全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「Fighting Base-2」
2008年10月3日(金)東京・新宿FACE
開場17:30 開始18:30
※本戦開始前にオープニングファイト予定
<対戦決定カード>
▼全日本vsM-1 JAPAN大将戦 全日本ミドル級挑戦者決定戦 3分5R延長1R
江口真吾(AJ/同級1位)
VS
貴之ウィラサクレック(WSRフェアテックス/同級2位)
▼全日本vsM-1 JAPAN副将戦 59kg契約 3分5R
大高一郎(STRUGGLE/全日本スーパー・フェザー級2位)
VS
長崎秀哉(WSRフェアテックス/M-1スーパー・フェザー級王者)
▼全日本vsM-1 JAPAN中堅戦 フェザー級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
九島 亮(AJ/同級10位)
VS
銀次(WSRフェアテックス)
▼全日本vsM-1 JAPAN次鋒戦 バンタム級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
水原浩章 (光)
VS
一戸総太(WSRフェアテックス)
▼全日本vsM-1 JAPAN先鋒戦 女子ミニ・フライ級 サドンデスマッチ3分3R延長1R
林田昌子(藤原/J-Girlsミニ・フライ級3位)
VS
ちはる(WSRフェアテックス)
<チケット料金>
RS席8,000円 S席6,000円 A席4,000円
スタンディング3,000円
※当日券は各500円増し。入場の際にドリンク代別途500円が必要。
<チケット販売所>
チケットぴあ
全日本キック
<お問い合わせ>
全日本キック=TEL:03-3365-1171
●2008年度スケジュール
9月19日(金)後楽園ホール
10月17日(金)後楽園ホール
11月8日(土)後楽園ホール
12月5日(金)後楽園ホール ※藤原まつり2008
※ほか特別大会、新宿FACE大会が追加予定
|