6月9日(火)東京・青砥にある青春塾にて、同ジム所属の全日本キックボクシング連盟スーパーフェザー級王者・石川直生が公開練習を行った。
石川は6月21日(日)東京・後楽園ホールで開催される全日本キックボクシング連盟GM・小林聡プロデュース『野良犬電撃作戦2009』のメインイベントで、自らが保持するベルトを賭けて前田尚紀(藤原)と対戦する。 公開練習前に記者との囲み取材に応じた石川。今回は試合の約2週間前での公開練習となったが「試合前のこのくらいの時期の心境はその時々によって違うんですよね。前回と今回はやることがいっぱいあるんですよ、試合に向けてじゃない部分で」という。 ここ2戦はK-1ルールでの試合が続いていた石川だが「前回の試合はK-1ルールの試合ということで、普段はやらなかったような練習もやったんですが、それはK-1ルールで戦うためだけのものじゃない。 キックルールで戦う上での肉付けになっていて、今回もそういう練習は続けています。だから練習時間じゃなくて、量や質が増えた練習になっていると思います。前回の試合でまだまだ自分が強くなることが分かりました」と語り、K-1ルールでの経験をキックボクサーとしても消化している様子。 今回の対戦相手である前田とは過去に2度対戦して1勝1敗。2人にとっては因縁の決着戦でもある。石川は「今回の試合に向けてモチベーションはメチャクチャ高いですよ」と前置きしてこう続けた。 「久々のキックルールでの試合、前田との決着戦、メインイベント、タイトルマッチ……色々なテーマがあって、それぞれに対する気持ちも強いんですけど、それで芯がぶれているわけじゃないんですよ。キャリアを積むというのはこういうことなのかなと思うし、俺もベテランになりましたね。色々なテーマがあることをものすごく楽しんでいる自分もいます」 特に今回の試合が石川にとって1月4日のスアフワンレック戦以来のキックルールになることは意味深い。石川は「5カ月ぶりにキックルールで試合が出来る喜びがどれだけのものなのか。それは口では伝えられないんですよ。それがリングで出るんです。 僕は1月4日の試合の後で『大晦日にキックルールで』という発言をしましたけど、実はそれからキックルールの試合をやっていない。でもそれもプラス思考で考えて、5カ月ぶりにキックルールが出来る喜びや開放感を出したいと思います。 ここ2戦がK-1ルールでしたけど、その間も僕は首相撲もヒジの練習もやってました。だからキックルールの試合だからと言って、自分を(キックルール用に)戻すことが大変だとか、そういうことは全くないです。僕はK-1ルールでもキックボクサーとして戦ってきたし、今までよりもキックボクサーとしての厚みも出ていきます。僕は(K-1ルールでも)キックボクシングをやっているつもりですから」とキックルールへの思いを熱く語った。 「オフェンスばっかりになるところや熱くなるところは自分に似ている部分があると思う。必死に打ち合いをするからお客さんも喜びますよね。プロならもっと綺麗な試合をしろよと思われるかもしれないけど、毎回ハラハラドキドキするような試合になる。自分を見ているみたいです」と前田の印象を話す石川。 石川と前田が最後に対戦したのは2006年1月4日で、あれから約3年5カ月が経った。その間、前田は梶原龍児戦をはじめ、多くの死闘・激闘を繰り広げてきた。しかし石川が最も印象に残っているのは梶原戦ではなく藤原あらし戦だ。 「前田VS梶原戦はお客さんが喜ぶ試合だったと思いますけど、僕はもっとキックボクシングの試合をすれば良かったのになと思った試合だったんです。でも藤原あらし戦は僕がやった時よりも技術を身に付けていて、そして頭も使って戦っていた。とてもバランスがいい試合だったと思います」 激闘派とクレバーな一面を持ち合わせているという部分でも共通点がある石川と前田。ではリング上ではどちらの側面がぶつかり合うのか? 石川は「どっちでしょうね」と笑みを浮かべつつ、「お客さんが喜ぶ試合になることは間違いないですよ。後楽園ホールにいる格闘技の神様が降りてくるような試合になると思います。きっと冷静に戦った方に勝利の女神は微笑むでしょうけど、世紀の凡戦になるようなことはありえないと思います」と名勝負誕生を予想している。 石川は2年連続で小林聡プロデュース興行でメインイベントを任されることになった。昨年はその大会に向けてタイ修行中を行っていた石川の実母が急逝するという訃報があり、今年は公開練習前日にプロデューサーである小林の実父が急逝する訃報が届いた。 「小林さんも辛いとは思いますが、プロである以上は試合をしなきゃいけないし、小林さんも最高のプロデュースをしてくれると思います」と石川。 「俺も去年は母ちゃんに勝利をささげられなかったんで、今年は勝利をささげたいと思うし、前田もこういう状況でも大会をプロデュースしてくれる小林さんに失礼のない試合をしようと思っているはずです。自分は感傷的な空気になるんじゃなくて、ドラマティックな試合や大会になると思っています。 僕がこういうことをおこがましいかもしれませんが、僕は試合のためにタイで修行している時に母ちゃんを亡くしました。でもそれで俺はキックボクサーなんだって意識が強くなったんです。小林さんもこういう時だからこそ、『自分はやっぱりキックに携わっていく人間なんだな』って気持ちが強くなっていると思います。 だから僕も前田のキックボクシングは最高だよという試合をしたいし、小林さんに『キックに一生を捧げて間違いない』と認めてもらえる試合をして『俺はキックの人間なんだな』と感じてもらいたい」と今回の大会に向けての様々な心境を語った。 囲み取材終了後の公開練習では鋭いミドルキック、ヒザ蹴り、ヒジ打ちを繰り出し、石川は試合に向けて調整が順調に進んでいることを存分にアピール。 石川のミットを持った青春塾・竹島伊佐夫会長も「今回はキックルールなんで、ヒジ打ちも許されるし、掴んでの攻撃が注意されることもない。石川は意識的に楽に戦えると思うし、全てが解禁になって伸び伸びと戦えると思います」とキックルールにおける石川のポテンシャルを評している。 勢天株式会社PRESENTS 全日本キックボクシング連盟 小林聡プロデュース「野良犬電撃作戦2009」 2009年6月21日(日)東京・後楽園ホール 開場17:00 開始18:00 ※本戦開始前にオープニングファイトは17:10〜 <全対戦カード> ▼メインイベント(第9試合) 全日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R 石川直生(青春塾/同級王者) VS 前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位/挑戦者) ▼セミファイナル(第8試合) 日本VSタイ 55kg契約 3分5R 藤原あらし(S.V.G./WPMF世界バンタム級2位) VS ガンワンレック・ペッティンディー(タイ/タイ国プロムエタイ協会バンタム級王者) ▼第7試合 日本VSタイ 59kg契約 3分5R 山本元気(DTS/全日本スーパー・フェザー級1位・元全日本フェザー級王者) VS ジャウメーオ・プンパンムアン(タイ/ラジャダムナン・スーパーフェザー級8位) ▼第6試合 日本VSタイ 55kg契約 3分5R 寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級王者) VS ノラシン・ルークバンヤイ(タイ/ルンピニー・フライ級王者) ▼第5試合 スイスVSタイ 68kg契約 3分5R クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/全日本ウェルター級王者) VS ジャオチャラーム・シッカノックジム(タイ/WAKO-PRO世界ミドル級王者) ▼第4試合 60kg契約 サドンデスマッチ 3分3R延長1R 水落洋祐(はまっこムエタイ/全日本フェザー級3位) VS 歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級1位) ▼第3試合 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R 森井洋介(藤原/同級8位) VS 九島 亮(AJ/同級10位) ▼第2試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R 翔太(S.V.G./同級6位) VS 野間一暢(DTS/同級元9位) ▼第1試合 スーパーライト級(63.5kg) サドンデスマッチ 3分3R延長1R 渡部太基(藤原/全日本ライト級10位) VS 大石駿介(OISHI
GYM/J-NETWORKスーパーライト級2位) ▼オープニングファイト第4試合 フェザー級 3分3R 梅原ユウジ(REX JAPAN) VS 小山泰明(建武館) ▼オープニングファイト第3試合 85kg契約 3分3R MANABU(TEAM松富士) VS エド・リョーマ(ブラジル/バンゲリングベイ・スピリット) ▼オープニングファイト第2試合 ウェルター級 3分3R 小山佑介(STRUGGLE) VS 泰斗(GET
OVER) ▼オープニングファイト第1試合 バンタム級 3分3R 榊 克樹(韓道場) VS TARO(月心会) <チケット料金>
SRS席15,000円(完売) RS席10,000円 S席7,000円 A席5,000円
※当日券は各席500円増し。 <チケット販売所> チケットぴあ=TEL:0570−02−9999 イープラス=http://eplus.jp
後楽園ホール=TEL:03−5800−9999 全日本キック=TEL:03−3365−1171 http://www.aj-kick.com
<お問い合わせ>
全日本キック=TEL:03-3365-1171 ●2009年全日本キック興行スケジュール
6月21日(日)後楽園ホール 7月24日(金)後楽園ホール 8月14日(金)後楽園ホール 9月22日(祝)後楽園ホール(※昼開催)
10月30日(金)後楽園ホール 12月11日(金)後楽園ホール
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