タイ発の日本語ムエタイ雑誌『シンラパムエタイ』より、石井宏樹のラジャダムナンスタジアムでの試合レポートが届いた。
「スック・ダウルンチューチャルン」
2010年3月22日(月・現地時間)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼第4試合 ラジャダムナンスタジアム&WMCスーパーライト級(140P)王座決定戦 3分5R
○ヨードクンポン・F.A.グループ(タイ)
判定3-0 ※三者とも49-48
●石井宏樹(藤本)
1R、石井はローキックを軸に積極的に前に出た。石井の出すローキックのほとんどが命中し、ヨードクンポンの表情も硬くなる。石井のローにヨードクンポンはミドルを合わせてきた。
2R、石井はここから距離をつめ、ヒジの距離に接近。石井がヒジを出せば、ヨードクンポンもヒジで返してきた。相打ちの形で強打が交差する。この間も石井はローキックを当てていく。ヨードクンポンの足が赤く滲んできた。
3R、ヨードクンポンは接近する石井の首を掴み組んでのヒザ合戦に持ち込む。このラウンドの中盤、石井はヨードクンポンのテンカオ(遠くからのヒザ)を食らい、若干体制を崩してしまう。
これで効いてしまうような強烈なヒザではなかったが、若干見栄えは悪かった。
4R、3Rの挽回へと石井はパンチを振るって食いついた。これが、2発、3発と回転良くヒットし、ヨードクンポンの頭から汗飛沫が飛び散る。この石井の攻めでヨードクンポンは打ち合う事が危険だと悟ったか、遠く離れた距離からミドル、そしてクリンチしてヒザ蹴りという距離で、無難に勝つ戦法に出たようだ。
最終5R、ヨードクンポンは勝ち逃げモードに徹した。これを追いかけ、4Rの時のようなラッシュに繋げたいが、かわす事に徹したヨードクンポンのスタイルに迫ることは難しかった。
判定はジャッジ3者とも49−48、石井の判定負けとなり、3度目の王座挑戦もタイトル奪取に失敗となった。
写真・文/「シンラパムエタイ」早田寛
|