▲メインイベントのフェザー級タイトルマッチで初防衛に成功した高谷。顔が激闘を物語る
FEG/リアルエンターテインメント
FIGHT FOR JAPAN
「DREAM JAPAN GP FINAL〜2011バンタム級日本トーナメント決勝戦〜」
2011年7月16日(土)東京・有明コロシアム
開場16:00 開始17:00
▲得意のパンチで終始前に出て攻め続けたチャンピオンの高谷裕之(右)
▼メインイベント(第8試合) DREAMフェザー級タイトルマッチ 1R10分・2R5分・3R5分
○高谷裕之(高谷軍団/王者)
判定2-1
●宮田和幸(Brave/シドニー五輪レスリング63kg級日本代表/挑戦者)
※高谷が初防衛に成功。
昨年の大みそかにビビアーノ・フェルナンデスを破り、第2代DREAMフェザー級(65kg以下)チャンピオンの座に就いた高谷が初防衛戦に臨む。挑戦者はシドニー五輪レスリングフリースタイル63kg級の日本代表選手で、2004年に総合格闘技転向を果たした宮田。
宮田はDJ.taiki、大塚隆史、リオン武、宇野薫などこの階級の日本人実力者たちを次々と撃破し、現在6連勝中と波に乗っている。
迎え撃つ高谷もヨアキム・ハンセン、チェイス・ビービ、フェルナンデスと世界の強豪を相手に3連勝を飾っていたが、4月9日のストライクフォース(アメリカの総合格闘技イベント)でロバート・ベラルタに判定負けを喫した。
破壊的な打撃を誇る高谷か、それともレスリングで優る宮田か? 打撃vs寝技、注目のタイトルマッチとなった。
1R、勢いよくコーナーを飛びだした高谷がパンチで襲い掛かる。一瞬押された宮田はタックルに行くが、高谷はしっかりと脇を締めて両腕を差させない。
宮田は身体を沈めて足にタックルへ行くが、テイクダウン出来ず離れる。パンチの打ち合いから宮田がタックルに行くが、高谷は倒れずコーナーを背にする。再び離れた両者。
宮田が左ミドル、高谷が左右フックから右のパンチを当てる。離れると再び右フックをヒットさせる高谷に宮田が組み付くが、やはり離れる。出会い頭にまたも高谷の右フックがヒット、続いて左のパンチをもらった宮田は引き込むように倒れ、高谷が上になる。
下からの腕十字を狙う宮田だが、高谷のパンチをもらう。下からの蹴り上げを繰り出す宮田。高谷は上をキープして左右の強打。これはブレイクとなる。ローの蹴り合い、右フックの打ち合いから宮田がタックル! パンチを打ちながらマウントを奪うが、高谷がすぐに立ち上がる。バックを奪う宮田。
高谷はコーナーを背にして向き合う。これもブレイクに。宮田が左ハイキック、高谷が左アッパーから右フック、パンチで前に出る高谷に宮田がタックル。高谷は倒されずにコーナーを背にする。
離れる宮田に高谷が左フック。ローと左右フックで前に出る高谷。宮田がタックルに行くと高谷が潰すが、宮田は高谷の右脇を差す。テイクダウン出来ないと見るや、宮田は離れる。
左フックからの右フックでどんどん前に出る高谷と組み付く宮田。コーナーへ押し込むが、またもブレイクに。
宮田は右フックから左ストレート、左ハイキック。高谷が右のパンチを返すと宮田が組み付いてコーナーへ押し込む。宮田はヒザ蹴りを出しながら高谷をテイクダウンしに行くが、高谷は倒れず宮田が離れたところでゴング。
2R、ジャブの突き合いから高谷が連打で前に出ると、宮田がタックル。しかし、高谷はすぐに立ち上がる。コーナーに押し込む宮田に、高谷はコーナーを背にして右フック。ブレイクがかかる。
高谷の左右フックに宮田は左ロー。タックルに行く宮田だが、高谷はロープとコーナーを背にしてブレイクとなる。前に出る高谷に宮田もパンチを返すが、タックルで組み付いても高谷は倒れずコーナーを背にする。ブレイク後、高谷は右ローキックを連発! 宮田の身体が流れる。宮田は下がりながらのジャブと左ロー。
高谷は右インローと右ロー。細かくパンチを出しながら前に出る高谷のプレッシャーに、下がっていく宮田。高谷の右フックをもらうとタックルに入るが、やはり高谷は倒れない。ブレイクになると、高谷はやはりパンチで圧力をかけていく。宮田が組み付いたところで第2R終了のゴング。
3R、左右のフックで前に出る高谷に、宮田はマットに片手を着いて回転しての蹴りというトリッキーな攻撃。それでも高谷はかまわず前に出てパンチを繰り出す。
高谷の左フックに宮田がタックル、高谷はやはり倒れずコーナーを背にし、ブレイクに持ち込む。
高谷の右フックがヒット、ジャブで近付き今度は左フック。宮田は組んで押し込んでいくが、高谷はコーナーを背にして倒れない。またもブレイクになる。左右フックで前に出る高谷は宮田のジャブで右目が腫れる。
左右フックで前に出る高谷と、組んでテイクダウンを奪いに行く宮田。コーナーを背にして倒れない高谷、そしてブレイクという展開が何度も続く。
残り時間僅かで高谷が上を奪ったところで試合終了のゴング。お互いの意地の張り合いのような好勝負は、ジャッジ1名が高谷、2人目が宮田! 注目の3人目は……高谷! 判定2-1のスプリットデシジョンで、高谷が初防衛に成功した。
高谷はマイクを持つと、「今日は大勢集まっていただきありがとうございます。タイトルマッチなので倒したかったんですけれど、倒せなかったです。次は絶対KOするので、また見に来て下さい」と、笑顔でマイクアピールした。なお、高谷は右目負傷のため大会終了後、病院に直行した。
▲組み付こうとする今成正和をジャブ、右ストレート、フットワークでかわし続ける所英男(左)
▼セミファイナル(第7試合) DREAM JAPAN GP バンタム級日本トーナメント決勝戦 1R10分・2R5分
○所 英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
判定3-0
●今成正和(Team-ROKEN/初代DEEPバンタム級王者)
※所がトーナメント優勝。
ついに迎えたDREAM JAPAN GP バンタム級日本トーナメント決勝戦。開幕戦の1回戦と準決勝を勝ち上がり、決勝の舞台に立ったのはかつてZSTのリングで矢野卓見・小谷直之と共に“ZST四兄弟”と呼ばれた今成と所だ。10年近くも練習仲間としてスパーリングを繰り返してきた両者が、日本一の座を懸けて激突する!
1R、両者が飛び蹴りを見舞い、空中で激突! 倒れたのは今成の方で、所が上からパンチを連打する! しかし、今成は落ち着いてパンチをかわすと所の胴体を両足で挟んでのガードポジション。これはブレイクとなる。
今成はジャンプしての二段蹴り、そこへ所が右ストレート! 倒れた今成に所はパンチを見舞うが、両者立ち上がる。前に出る今成に対し、大きく距離をとって回り込む所。今成が入ってくると、所は右ストレートを合わせようとする。
右フックで飛び込む今成、所は右ロー。今成は一気に距離を詰めようと何度も飛び込むが、そのたびに所がステップで離れていく。回り込む所を誘うように、今成はリング中央でどっしりと構えて動かない。その周りをグルグルと回る所。両者に消極的姿勢として注意が与えられる。
飛び蹴りのように飛び付く今成をかわし、マットに落ちた今成にパンチを落としてすぐに離れる所。スタンドに戻ると所がワンツー。再び見合いとなり、所が右ローで今成をスリップダウンさせるが、深追いはしない。
一気に距離を詰めて所に組み付こうとする今成に、ステップですぐに離れる所。今成が入ってくると所はジャブを合わせる。所に抱きつく今成! 所はコーナーまで抱えていき、今成の上を奪う。下になった今成は所の両腕をつかんでパンチを防ぎ、所はつかまれたままコツコツとパンチを打つ。
2R、いきなり飛びヒザ蹴りを放つ所! 今成は間一髪かわす。前に出る今成は蹴りでフェイントをかけ、右フックの相打ちからもう一度右フック。所がパンチを返そうとすると組み付き、下になる。所は強い右のパンチを打ち込んですぐに離れ、ガッツポーズ。
ジャブを突く所はワンツーをヒットさせ、右フックで尻餅をつかせる。前に出る今成が飛び付くようにして所を引き込むが、所はすぐに立ち上がる。スタンドに戻るとジャブを突きながら離れ、今成が入ってくると右のパンチを叩き込む所。
何度も今成が組みに行き、ようやく引き込むと立ち上がろうした所に電光石火のアキレス腱固め! 危険な状態が続いたが、所は腹ばいになって脱出する! 最後は引き込んだ今成の上を所がとった状態でゴング。
所のパンチのクリーンヒットか、今成のアキレス腱固めのキャッチポイントか、難しい判定だったが、判定3-0で所が勝利! 敗れた今成は笑顔で所と握手、勝利を祝福した。
今成はマイクを持つと「今日は完敗しましたが、9月の(世界)トーナメントがあってそれに出させてもらえるようなので、必ず練習し直してやり返したいと思います」と、鋭い目つきで所へのリベンジを宣言。
続いてマイクを持った所は「所です。こういう満員のお客さんの前で試合が出来るのを凄く嬉しく思っています。まだ終わりじゃなくて世界トーナメントがあるので、もう1回、今成さんと決勝戦で戦いたいと思います」と、再戦を希望。そして、「お嫁さん、誕生日おめでとうございます!」と結婚式を挙げたばかりの愛妻に向かって叫んだ。
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