6月20日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『PRIDE GP 2004 2nd ROUND』で吉田秀彦(吉田道場)と総合デビューを果たすマーク・ハント(リバプール・キックボクシングジム)の囲みインタビューが行われた。
今日早朝に来日したハントは取材場所に置いてあって卓球台で軽く汗を流すなどリラックスした様子。記者陣がカメラを向けると強烈なスマッシュを披露してくれた。
総合デビューに向けてハントはこの2ヶ月の間、1日4時間、柔術とレスリングの猛練習を積んできた。その中でハントが最も力を入れたものがタックルを切る動作と寝技のディフェンスだ。「普段からやっている練習と変わりなくやれるだろうね」と自信を持っている。
元コーチのハピ氏が現在、吉田の打撃コーチを務めていることについては冗談交じりに「この裏切り者!チャンスがあれば小突いてやるよ(笑)」と一言。「これまではスピードが弱点だったけど、今はトレーニングによって早いパンチが打てるようになってるんだ。ハピが知ってる弱点は俺にとってもう弱点じゃないよ」と全く不安はない。
しかし、対戦カード発表記者会見で吉田が「殴られたらキレて殴り返すかも」と発言したことを知らされたハントは表情が一転。鼻で笑うように「パンチ一発で眠らせてあげたいね」と、K-1王者としてのプライドを垣間見せた。吉田のビデオはシウバ戦以外は見てないというハントだが、相手の動きに惑わされずに自分の動きを出せれば勝てるというのがK-1時代からのハント流のやり方だ。
開始当初こそリラックスしていたハントだったが、記者からの質問が続くと、明らかにご機嫌斜めの様子。完全に姿勢を崩して頻繁に態勢を変えるなど、まるで駄々っ子のような行動を取る。サンドバックを前にしての写真撮影でも、パンチは打たずにサンドバックに抱きついたり、ピースサインやマッスルポーズを連発。「初めての経験だから正直言って緊張しているよ」というハントだが、一連の行動を見る限り、ハントはあくまで自然体のままだ。
――対戦相手が吉田選手に決まってどういった心境ですか?
タフな試合になるだろうね。でもその分ちゃんと練習してきたよ。
――具体的にはどんな練習に時間を割いたのですか?
柔術とレスリングの練習を一日4時間。
――その中での何を重点的にトレーニングしたのですか?
ディフェンスだね。タックルを切る動作や寝技のディフェンスだよ。
――吉田選手は柔道着を着て来ると予想されますが、対策は出来ていますか?
特にレスリングを中心にやったんだ。相手が道着を着ている着てないに関わらず、ちゃんと準備は出来ている。
――実際に総合格闘技の練習を始めたのはいつ頃からですか?
最初は「PRIDEからオファーを受けてから」と言っていたけど、実際にはその前からやっていたよ。
――具体的にはいつ頃なんですか?
覚えてないよ(苦笑)。
――総合の練習を実際にやってみてどうですか?
立ち技のみよりハードだね。特にグラウンドで新しいことがたくさんあった。だから色んなことを吸収できたと思う。柔術のコーチを3人も付けて練習してきたからね。
――ステファン・レコの試合はご覧になりましたか?
見たけど、いい試合だったね。オガワの寝技に長けていたと思う。
――同じような展開になっても対応できる自信はありますか?
今、練習していることと変わりなくやれるだろうね。
――以前ハント選手のコーチを務めていたハピ氏が、現在、吉田選手の打撃コーチをしていることについてはどう思っていますか?
この裏切り者!チャンスがあれば小突いてやろうかな(笑)。
――やりにくさは感じませんか?
今まではスピードが弱点だったと思う。でもトレーニングによって、さらに早いパンチが打てるようになったんだ。だからその弱点はもう今の弱点じゃないよ。
――吉田選手が「殴られたらキレて殴り返すかも」と発言していましたが
一発で眠らせてあげたいね。それかあんまり殴りすぎて、俺の拳の骨が折れるかも(笑)。
――どこが吉田選手の弱点だと考えていますか?
実はあまりビデオを見てないんだ。弱点はないと思うよ。
――K-1時代から相手選手のビデオは見ない方なんですか?
全く見てないわけじゃないけど、ヴァンダレイ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー)戦は見た。ただそれほど相手のことは研究しない。自分の動きを追求することに時間を割くんだ。相手よりも自分だよ。
――体重は今何kgですか?
123,4kgかな。
――日本ではK-1で稼いだお金をすべて使い果たしてしまったという噂があるんですが、実際はどうなんでしょうか?
…ノーコメント(笑)。
≫過去のPRIDEファイターのスパーリング映像
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジリアン・トップ・チーム)
『武士道 其の壱』 グレイシーチーム
ホイス・グレイシー(ホイス・グレイシー柔術アカデミー)
高瀬大樹(フリー)、長南亮(フリー)、中村和裕(吉田道場)
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