12月5日(日)都内の会見場にて『K-1 WORLD GP2004 決勝戦』一夜明け会見が行われ、見事二連覇を達成したレミー・ボンヤスキーと谷川プロデューサーが出席。ボンヤスキーは12Rも闘ったとは思えないほど、さわやかな笑顔と颯爽とした身のこなしで登場した。
●記者との一問一答
ーー昨晩はよく眠れましたか?
「非常に疲れて、あちこちが痛かった。そのためか、よく眠れました」
ーー改めて昨日の大会を振り返ってください。
「優勝できて本当に嬉しい。3試合とも厳しい試合だった。3選手ともタフで、精神的にもタフだった。去年に続いてベルトを巻けたのが嬉しい。来年も巻けるように頑張りたいと思います」
ーー12R闘って優勝した選手は初めてですし、武蔵選手の13Rというのも記録なんですが、どの試合が一番きつかったですか?
「それはやはり、決勝の武蔵戦ですね。技術で言えば1回戦のホースト。左肩を痛めるほどでしたから。ボタにもボディをもらってアバラを痛めて決勝に進んだので、5R闘ったのは精神的に高めないといけなかったので、大変でしたよ」
ーーピンピンしてますが、ダメージはないんですか?
「ダメージはあるけれど、朝はちゃんと髪をとかしてジェルで整えてきたから、しっかりしているように見えるんでしょう(笑)。でも、肩、アバラはまだ痛めている。精神的には優勝できてホッとしているが、体のあちこちが痛い」
ーーオランダの息子さんには報告したんですか?
「もちろん。家族や子供たちには伝えたし、応援してくれた全ての人たちにも連絡をしたよ。みんな、喜んでくれた。きっと帰国したら、空港で待ち構えてくれると思う。お母さんは喜んで泣いていて、身体を気遣ってくれましたね。本当はダメージを受けて大丈夫ではなかったんだけど、あえて嘘をついて大丈夫だよ、と伝えました(笑)」
ーー日本では有名ですが、オランダでの知名度はどうなんでしょう?
「日本に関してはファンから写真やサインを求められて、とても嬉しい。オランダではまだそこまで追いついてはいないね。でも、最近はテレビ放映もされているので、K-1が認知され始めている。自分が優勝した事で、オランダでのK-1の人気が高まるように、貢献していきたいと思う」
ーー例えば、オランダで凱旋試合をやってみたいとかは?
「もちろん、やってみたい。オランダだけではなく、世界各国でK-1をやるのなら参戦したいね。K-1の知名度や人気を、大きく広げていきたいと思う」
ーーこれから、やりたい相手はいますか?
「特にこれといった相手はないが、連覇したので追われる立場になったと思う。K-1に掲示された選手と、ベストを尽くして闘いたい」
ーーこれで二連覇達成ですが、何連覇までいきたいですか?
「ホーストが4回、アーツが3回なので、どれだけ闘えるかわからないが、10回優勝を目指す。2回でホーストの半分まで来たので、あと2回はそんなに難しくはないと思う。いつの時代も、記録を塗り替える事は大事」
ーーどのような王者像を思い描いていますか?
「みんなのチャンピオンでいたい。人を尊敬できる人でいたいし、チャンピオンとしてK-1を代表していく人間になりたい。一人でも多くの人にK-1を知ってもらいたいし、サインや撮影を求められたら心より受けたい。そして、スターとして輝いていきたいと思います」
ーー大晦日はどうされますか?
「それは、谷川プロデューサーの顔色を窺いながら答えないといけないね(笑)。現在のところは予定していない。今はかなりダメージを受けたので、治療して体調を整え、ゆっくりと休みたい。オファーがあれば、考慮して出るかもしれないけれど」
ーー長時間の試合のほかに、塗り替えたい記録は他にもありますか?
「難しい質問だ。何かあるかい?」
ーー例えば、アーツは3試合の合計6分23秒の最短時間で優勝していますが。
「頑張ってその記録を塗り替えるよ。去年はその記録を塗り替えるチャンスがあったけど、武蔵選手とフルラウンド闘った事で出来なかった。今後、目指します。あと、ホーストの7連勝という記録もあるが、いま6連勝なのでその記録も破りたいと思っている。記録を破れば伝説になるし、いつでも破っていきたい」
ーーホーストは判定についてクレームをつけていますが、再戦する気持ちはありますか?
「もちろん、彼が望むなら受けて立つ。ホースト自身、引退へ向けて理由作りをしたいと思っているだろうから、チャンスがあればやる。ただ、結果に関してはホーストの意に反したものになるでしょうね」
●谷川プロデューサーの談話
強い心のチャンピオンが誕生した
来年はレミーを中心に面白くなる
「昨日は400名の記者に取材していただき、テレビの視聴率は明日になりますが、接戦に継ぐ接戦で面白かったと思います。出場した選手は全員ベストコンディションで臨みました。アーツはアクシデントで、ここ数年来ないほどのベストでした。
判定に関してはいくつか負けた選手が不満を言っていますが、角田競技統括プロデューサーと全試合のVTRを見て検討したい。
決勝はフルラウンドになって、K-1の12年の中でも珍しかった。技術以上に精神力の闘いだったと思います。決勝は肉体的なダメージはレミーのほうがあったと思いますが、精神力で武蔵選手を二枚も三枚も上回っていましたね。強い心のチャンピオンが誕生したと思います。プレッシャーをはねのけて勝った、偉大なチャンピオンが誕生しました。
レミーはまだ若いので、ホーストの記録を抜く長期政権を築いて欲しいし、レミーをみんなが狙う事で新しい時代になって欲しいと思います。レミーにはK-1の顔として、絶対王者として頑張って欲しい。まだ対戦していない選手がたくさんいるので、夢のカードがいっぱいある。来年のK-1はレミーを中心に面白くなると思います。
オランダ大会については、ワールドGPシリーズはパリ以外ではやっていないので、ぜひやってみたい。オランダにはいろんなプロモーターがいて、敷居が高いんですが、いいパートナーといいビジネスが出来ればと思う。オランダには選手がいっぱいいるので、日本以上に会場は盛り上がると思います」
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