バルボーザは強さの仕組みが分からない(今成)
やってることは脇差パスとクロックチョークだけなのに(TAISHO)
――二人が知り合ったのはいつ頃なんですか?
TAISHO 今成さんが『ZST』に出る前ですね。僕のHPの掲示板に、今成さんの名前で「ブラジルに修行に行きたい」という書き込みがあったんですよ。初めは偽者だなと思ったんですけど、書いてあったメールアドレスに連絡したら本物で(笑)。
今成 本当、いきなり連絡したんですよ。うちのチームの代官山(剣Z)さんがTAISHOさんと試合したことがあって、縁があったと言えば、あったんですけどね。
――とりあえずブラジル修行に行こうと思って、連絡したんですか?
今成 いや、最初からバルボーザの所に行きたいと思っていました。
TAISHO 僕が「ブラジルに行きたい人をサポートします」と宣伝していたんです。当時はまだサンパウロに行く人も少なかったですから。
――今回、東京でバルボーザ・ジャパンの道場を出すことになったキッカケは何だったんですか?
TAISHO ブラジル修行の後も、僕が道場を開いた時に名古屋まで来てもらったり、交流は続いていて、今回、今成さんの方から、道場を立ち上げるという話をお聞きしたんです。バルボーザは今成さんのことを凄く評価していてますし、向こうの道場では足関節をやると"イマナリ"って呼ばれてるらしくて。同じバルボーザから帯をもらった兄弟弟子ですし、互いにバルボーザ柔術を広めたいという気持ちなんで、僕の管理下という形ではなく「バルボーザ・ジャパン」の名前を付けてもらうことになりました。
――バルボーザ柔術の特色というのはどこにあると思いますか?
今成 僕もイマイチ掴めてないんですけど、やっぱり脇差しパスガードじゃないですか。
TAISHO そうですね。バルボーザがホイラー・グレイシーからパスした技なんで。僕はブラジルに行く前に、ビデオで何度も脇差しパスガードを研究したんですけど、結局パワーだろって思っていたんです。でも実際にバルボーザにかけられると、全然動けなくなるんですよ。エビさえ出来なくなるんです。しかも体の大きな相手にも同じことやりますからね。やってることも脇差パスガード、クロックチョークだけなんですけどね。
今成 本当、達人です。技の仕組みが分からないんですよ。強さが底に見えなくて、あとこれくらいやれば追いつくなって気がしないんです。
――バルボーザの柔術は動きも地味で、見ている人間には強さが伝わりにくいじゃないですか?
今成 でも実際に肌を合わせた人間は絶対分かると思いますよ。「ああもう勝てねえ」って。何をしたらいいか分からなくなりましからね。対策の立てようもないんですよ。
TAISHO ホイラーがまだバリバリで、レオジーニョを倒した次の試合で勝ってますからね。飛んだり跳ねたりする前に、ツボを押さえられてしまって、動けなくなるんですよね。
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