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【全日本キック】7・23 サトルヴァシコバ&正巳、試合直前インタビュー

2006/07/22



 7月23日(日)東京・後楽園ホールにて開催される全日本キックボクシング連盟主催『Spear of Destiny』のダブルメインイベントで、全日本スーパー・フェザー級タイトルに挑戦する正巳、全日本ライト級タイトル初防衛戦を行うサトルヴァシコバの試合直前インタビュー、そして所属する「勇心館」の飯尾館長のコメントが連盟を通じて発表された。詳細は以下の通り。

●サトルヴァシコバ

――今回は全日本ライト級タイトルの初防衛戦になります。いつもの試合と心境に違いはありますか?

 やっぱりありますねぇ。負けらんないなっていうか、ドキドキしてます。あ、ドキドキするのはいつもなんですけど。燃えるものもありますし、怖さもあって

――昨年は海外でWFCA王座を奪取して、今年は1月に全日本王座を獲得、さらに3月にはタイの現役ランカーと引き分けたじゃないですか。かなり自信につながってるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

 そういうふうに言われると成長してる感じがするんですけどねぇ。どうなんでしょう(笑)

――3月のシンバード戦は、成長を感じさせられましたよ。タイのランカーと真っ向勝負してドローですから

 あの試合は最初に相手を怒らせちゃって、凄いビビリました(笑)。自分ではよく分かんないんですけど、(飯尾)館長が少し褒めてくれたんで、よかったのかなって。めったに褒めてくれない人なんで。ボクは一戦一戦大事に、技術はないんで気持ちだけは負けないつもりでやってきたってだけなんですけど。ただ運はあるなって気はするんですよ。2個ベルト持ってるってことは、そういうことだと思うんですよねぇ。

――特に全日本ライト級のベルトは、一度取り逃がしているだけに思い入れも強いんじゃないですか?

 それはありますねぇ。ほんっと今年取らないと、3回目はないなと思ってたんで。だから、防衛したいって気持ちも強いんですよ。

――対戦相手は増田博正選手ですが、以前から知り合いだったそうですね。

 そうなんですよ。以前、ボクの兄貴と同じジムにいたことがあって、新空手時代からの知り合いですね。ちょっとやりにくいなぁっていうのはあるんですけど、試合になったらそんなこと言ってられないので。胸をかりるつもりでぶつかっていきたいと思います。

――「胸を借りる」って感覚なんですね。

 やっぱり増田さんなんで……。ボクがデビューする前からプロで活躍されてた方ですから。全然もう、レベルが違うって感じで試合するなんて想像してなかったです。

――とはいえ、今回はヴァシコバ選手がチャンピオン。挑戦を受ける側ですよね?

 なですけどぉ……。やっぱり"目上感"というか、あの人は強いんだってイメージがねぇ、どうしても。憧れてきた部分もありますし

――戦績を比較すると、吉本(光志)選手に対して増田選手は負け、ヴァシコバ選手は勝ってるじゃないですか。そういう部分は意識しませんか?

 いや〜、全然意識できないですねぇ。タイプも違いますし、噛み合わせとしては有利じゃないですよ。

――増田選手の、特にどういう部分に強さを感じますか?

 キャリアと気持ちの強さですね。あと技術的にもボクより上ですし。それとやっぱり昔のイメージですねぇ。

――やっぱり昔のイメージって大きいんですね。

 そうですねぇ。ボク、"怖い病"なんで、試合が決まってからずっと"怖い怖い"って。ただ、試合ではそんなこと言ってられないので、リングに上がったらそういう気持ちはなくそうと。試合では怖さを消すんで、今だけは怖がっててもいいかなって(笑)

――増田選手は雑誌のインタビューで「勝ちパターンは三つある」と言っています。予想はつきますか?

 なんとなくですけど、はい。そこには注意するんですけど、それ以上に大事にしてるのは3分5R、15分間常にアゴを狙って、相手の意識を断ち切ろうとするってことですね。狙っていけば、いつか当たるだろうと。増田選手は強いんですけど、ボクにも強運っていう武器があるんで。

――最大の武器は左ストレートよりも運ですか(笑)

 ボクが勝手に思ってるだけなんで、周りは"あいつ運ねぇな"って思ってるかもしれないですけど(笑)。試合になったら神様が降りてくると信じてます。あとは応援してくれるみんなのパワーを借りて、最後は自分が勝つと思ってますね。それがあるから、左ストレートも当たるんだって。ボク、思い込みが激しいんで、自分で自分を洗脳して(笑)。

――防衛に成功した後のプランも何か考えてるんですか?

 ちょっと、K-1 MAXに出たいって感じがあるんですよねぇ。減量するたびにリバウンドも凄いんで、70kgまでいけるんじゃないかと思いますし。

――MAXに出たいと思ったのはいつ頃なんですか?

 けっこう前からですねぇ。(飯尾館長に)いつ頃でしたっけ?(飯尾:「自分のことなんだから覚えてるだろ(笑)」)。……凄い前、ライト級に上げた頃からですね。

――ライト級最強決定トーナメントに出たのが2年前ですから、その頃からMAXを意識してたと。

 そうなんですよ。ライト級トーナメントの時は嬉しかったですねぇ。階級上げられるし、大きい舞台だしで"うわ〜!"って。怖がりなんですけど、目立ちたがりでもあるんで(笑)。MAXに出て、全日本キックと勇心館の名前を大きくしていきたいなっていう気持ちもありますし。

――MAXでやってみたい相手は?

 やっぱり魔裟斗選手と、あとレミギウス(・モリカビュチス)選手ですねぇ。ああいうワーッってくる選手と。

――怖がりの割には怖い選手とやりたがるという(笑)

 怖そうなんですけど、なんか面白そうなんですよねぇ。ビビッたら、自分も怖いからガッといくじゃないですか。それがいいんじゃないかと思うんですよ。

――MAXに出たいという意思を言えるようになったのも、やはりタイトルを取ったからというのはありますか?

 それはありますね。それもあるんでタイトルは守りたいですし、見てる人に"70kgでもいけるんじゃないか"って思わせるような試合をしたいと思ってます。

●正巳

――突然のタイトルマッチ抜擢となりましたが、現在の心境はいかがですか?

 こんなチャンスをもらえて、嬉しいですね。この世界にいるからには上を目指したいんで。

――当初は山本真弘選手と対戦する予定が変更になり、さらにメインのタイトルマッチにまた変更。体重も違いますし、慌てたりはしなかったですか?

 もともと真弘選手とやるつもりで練習してきたんで大丈夫だとは思うんですけど……。正直、嬉しいのとビビッてるのと両方ありますね。タイトルマッチなんて"まだまだ"と思ってたんで。

――その辺、切り替えはうなくできてますか?

 もう、決まったからにはやるだけですね。

――正巳選手がキックを始めたのって、いつ頃だったんですか?

 6年くらい前ですね。もともと格闘技は好きだったんですけど。勇心館が別の場所にあった頃に、親に"近くにジムあるから行ってみれば"って言われまして。

――親の紹介って珍しいですね(笑)

 じゃあ行ってみようかなって(笑)。やるからにはプロになろうと思ってたんですけど、最初は小林さん(ヴァシコバ)とかを見て"これはちょっと……"と思いましたね。

――かなり凄い世界だぞと。

 それからずっと、小林さんが目標ですね。いつか抜けるようにって。まだ全然、背中も触れてないんですけど。

――今、全日本キックのフェザー級には"4強"と呼ばれる選手がいますよね。これまで、彼らをどういう気持ちで見てきましたか?

 正直、自分とはレベルが違うなと思ってました。他の団体のトップと比べてもずば抜けてるなって。でも、自分の力を試す意味でもやってみたいなっていうのも思ってましたね。いつか超えたいなって。

――そして今回、その"4強"の一人である石川選手と対戦することになりましたよね。しかもタイトルマッチで。

 決まったのが一週間前なので、正直なにもやってないです(キッパリ)。

――石川対策をですか。

 はい。時間的なこともあるし、今さら対策立てても変わらないなって。今の自分の力を出すしかないですね。

――正巳選手は戦績を見てみると、早い回でのKOが多いですよね。

 勢いだけでやってるってことです(笑)。いけるかなと思っていって、結果たまたま倒せちゃってたっていう。

――今回も、早い回から仕掛けますか。

 そうですね。向こうも来ると思うんで、こっちも最初からいくしかないですね。自分がいかなかったとしても、向こうは来ると思うんですよ。そしたら何もせずに斬られて終わっちゃうだけなんで。最初から倒しにいって、うまいこと当たればいいなっていう(笑)。

――もし勝ってチャンピオンになったら、9月のタイ遠征の候補になるかもしれないですよね。

 無理です!(キッパリ)。

――そこは力強く(笑)。

 まだまだ、そこまでは考えられないですよ。今はもう、目の前の試合に集中して。

――これまで、全日本キックでは前田憲作選手が代打出場でタイトルを取ったこともあるんですが、その辺は意識しますか?

 ホントですか!? じゃあちょっと僕も(笑)。

――いい流れが生まれましたね(笑)。

 でも自分にとっては、いきなりタイトルマッチをやらせてもらうこと自体がいい流れだと思ってるんですよ。その流れに乗っていきたいですね。

――このマッチメイク変更は、自分に流れが来てる証拠だと。

 そうですね。そう思ってやります。

――それから、今回はずっと背中を追いかけてきたヴァシコバ選手と2人でタイトルマッチに挑むわけですよね。

 それがもう、嬉しいんですよね。しかも自分が後の試合っていう。

――"今回は僕がメインですから"と(笑)。

 いやいやいや、そんなこと言ったらスパーでボコボコにされちゃいますから(笑)。でも嬉しいですね。小林さんが防衛して、その後で僕がベルト取って、館長に喜んでもらえたらいいなと思います。2人で揃ってベルト巻きたいですね。

●勇心館・飯尾康晴館長
「正巳の場合は、まあダメもとというかね(苦笑)。タイトルマッチであろうとなかろうと、試合はやる予定だったわけだし、人間のやることだから100%はないですからね。1%でも可能性があるんだったら断る理由はないだろうと。向こうの方がレベルが高いのは分かってるけども、いい経験になると思いますしね。それは本人も同じ気持ちで。

 ただ、もちろんやる以上は勝つ気でいきますよ。正巳はけっこうパンチのパワーがあるから、向こうが横綱相撲じゃなしに倒しにきてくれれば、こっちにもチャンスが出てくるんじゃないかなと。格が違っても、いざ打ち合いになったらその瞬間は気持ちの勝負。そこに勝機も生まれるんじゃないですか。そのいい例が小林(ヴァシコバ)が小林聡とやった時ですよ。

 その小林は、悪い言い方をすれば万が一負けてもいいというか、"もう一つベルトを持ってるんだから、負けてもチャンピオンじゃなくなるわけじゃない"というくらいの気持ちでいいと思いますよ。あまり気負わずに、持ち味である反応のよさが出せれば、おのずといい試合になるでしょう。彼は怖がりで慎重なんだけども、それ故に倒せるというタイプ。怖いから先にダウンを取って、貯金を作りたがるんですよ。いってみればセコい(笑)。長いこと付き合ってますけど、ニコニコしながらも図太いというか、実は自分中心。

 増田のことは前から知ってて怖い怖いって言ってますけど、内心はどうか分からないですよ。逆に自分の方が格下だと思えば、思い切っていけるんじゃないですか。技術は向こうが上だけど、パワーでは小林が上。倒せる武器があるというのは、今回も彼の大きな強みになるでしょうね」


全日本キックボクシング連盟
「Spear of Destiny(運命の槍)」

2006年7月23日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30
※17:45よりオープニングファイト

<全対戦カード>

▼ダブルメインイベント第2試合 全日本スーパー・フェザー級タイトルマッチ 3分5R
石川直生(青春塾/王者)
VS
正巳(勇心館/挑戦者・全日本フェザー級5位)

▼ダブルメインイベント第1試合 全日本ライト級タイトルマッチ 3分5R
サトルヴァシコバ(勇心館/王者)
VS
増田博正(スクランブル渋谷/挑戦者・同級2位)

▼セミファイナル 全日本キック対J-NETWORK王者対決 67kg契約 3分5R
大 輝(JMC横浜/全日本ウェルター級王者)
VS
喜入 衆(ソーチタラダ渋谷/J-NETWORKスーパーライト級王者)

▼第4試合 57.5kg契約 サドンデスマッチ3分3R延長1R
岩切博史(月心会/全日本フェザー級7位)
VS
栗原 豊(光ジム/全日本ライト級9位)

▼第3試合 ヘビー級 サドンデスマッチ3分3R延長1R ※ヒジ禁止ルール
山宮恵一郎(GRABAKA/全日本ヘビー級6位)
VS
ジミー明成(パンクラスチーム玉海力)

▼第2試合 ライト級 3分3R
長谷川誠(青春塾)
VS
畑尾龍宏(REX JAPAN)

▼第1試合 スーパーウェルター級 3分3R
横澤浩史(SVG)
VS
大蔵“PHOENIX1号”(PHOENIX)

▼オープニングファイト第2試合 フェザー級 3分3R
尾田兼次(SVG)
VS
土師幸廣(朝久道場)

▼オープニングファイト第1試合 スーパーウェルター級 3分3R
小笠原克樹(青春塾)
VS
星野大介(総合格闘技津田沼道場)

<チケット料金>
RS席7,000円 S席5,000円 A席4,000円
※当日券は各種1,000円増し

<チケット販売所>
チケットぴあ
全日本キック=03-3365-1171 http://www.aj-kick.com
後楽園ホール=03-5800-9999

<お問い合わせ>
全日本キック=03-3365-1171

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