↑左から、藤原あらし、石川直生、大月晴明、前田尚紀
6月17日(日・現地時間)タイ・バンコクにあるムエタイ二大殿堂のひとつラジャダムナンスタジアムに『ALL
JAPAN KICKBOXING 2007 MUAY THAI CHALLENGE タイ国遠征試合』として選手を送り込む全日本キックボクシング連盟が、5月1日(火)都内ホテルにて記者会見を行った。
会見にはタイ遠征が決定したWPKC世界ムエタイ・ライト級チャンピオン大月晴明(AJKF)、全日本スーパーフェザー級チャンピオン石川直生(青春塾)、同バンタム級チャンピオン藤原あらし(SVG)、同フェザー級2位の前田尚紀(藤原)の4人と、全日本キックボクシング連盟の金田敏男代表、宮田充興行本部長が出席。
まず最初に、宮田本部長より今回の遠征メンバー決定の経緯が説明された。今回は遠征に参加を希望する選手が多く、最大4名と考えて上位選手から選んだ結果、石川、藤原、前田、そして山本真弘か山本元気で決定していたが、昨日に大月と次の試合についての話をしていたところ「ぜひ出場したい」との申し出があり、その意思を受けて急遽、大月の出場が決定したという。これにより、ラジャダムナン決戦は第一部と第二部に分かれるも、“5対5マッチ”の形になった。
金田代表は「全日本キックは連盟として今年の7月でちょうど20年の節目を迎える。その中で原点に戻って、打倒ムエタイへ向けて6月のチャレンジが決まりました。今回のメンバーはたまたま4名とも近い階級であり、闘いの中で打倒ムエタイはもちろん、誰が頂点に立つか鎬を削っていってほしい」と、全日本キックの“エース”を決める闘いでもあるとの位置づけをする。
各選手はそれぞれ、次のように抱負を語っている。
藤原あらし
「今回、選抜メンバーに選ばれました。前回のコムパヤック戦で情けない試合をして、選ばれたのは何かの縁。初めてのラジャの試合で緊張してますが、持ち味を出せれば“あいつもやるようになったじゃないか”と言われる試合が出来ると思います」
石川直生
「今回のタイ遠征はベルトを持ってるとか関係なく、タイでの試合の結果が日本に帰ってきてからの優先順位になると思うので、僕の中ではとてつもなく大きな意味を持っています。だから何が何でも勝たなければいけない。(格闘技界には)いろいろ噂があるけど、ちょっと待てと。今はキックボクシングだろ、全日本キックだろ、という試合をみんなで見せたいと思います」
大月晴明
「自分は去年からずっとタイで試合をやりたいと思っていました。一昨年、一度負けているので自分の持てる力を全部出して1Rから倒しに行く。3月に全然行かない試合をしてしまったが、自分の中でまだ野生はあるので昔のように熱い、人が感動してくれる試合を敵地でやりたい。決着はKOで、という練習をやってきてます」
前田尚紀
「周りがチャンピオンばかりの中で選んでもらってありがたい。選んでもらった恩返しのために、自分のためにも全力で闘いたいと思います」
●記者との質疑応答
ーー遠征でこの選手と闘いたい、という名前を挙げてもらえますか?
藤原「この間の試合でKO負けしているので、選べる立場じゃない。組まれた選手と熱い試合をやりたい」
石川「あんまりムエタイの選手に詳しくないのでよく分からないが、ファイターとやりたい。ガチガチの試合を。あと、タイで切られてみたいですね(笑)。で、切り返したりして。ファイタータイプとやりたい」
大月「自分はラジャで試合がしたいと思っていたし、ラジャに上がってくるような選手はみんな強い。前回のタイでは打ち合いで負けているので、打ち合いに打ち勝って勝ちたいです。蹴りで逃げたり、首相撲の選手よりファイターとやりたい」
前田「ムエタイはみんな強いし、いろんなタイプとやってみたいので首相撲一辺倒でも、打撃の強い選手でもどっちでもやってみたいです」
ーーどういう武器をタイで見せたいですか?
前田「自分の技が通用するのか、いつも通りと言うか自分の技を最大限に出して試してみたいです」
大月「自分の武器はローとパンチ。ローとコンビネーションでパンチで倒したい。あと、ヒジも練習しているので、自分の強くした全ての技で倒したい」
石川「自分のヒジがどこまで通用するのか試してみたい。それとゴールデンウィーク明けには自分の肉体を強くするための練習を計画中。付け焼刃ではないものを試してみたい」
藤原「蹴りだけじゃないんだよ、と。それだけです。頑張ります」
ーー大月選手に質問ですが、今回タイ遠征を希望したのは前回タイで負けていることが悔しいからですか?
大月「悔しいのもありますが、タイに何回も行って仲間が試合してるのを見て、熱くなれる場所だなって。そういう所で生きてる実感を味わいたい。もし潰されてもいい覚悟で闘う。年齢的にもギリギリだし、今しか出来ないという気持ちもある。負けた悔しさ以上に、自分がどれだけやれるか試したい。そしてラジャの次はルンピニーで試合をやりたいですね」
ーーVSムエタイを意識しての練習はいつからやっているんですか?
大月「普段からいろんなタイプの相手に順応できる練習をしています。ムエタイじゃなくても、頭を使った練習をしてます」
ーー石川選手は年頭に『ROAD to 代々木』をテーマに掲げましたが、今このタイミングでタイで闘うというのは計画に入っていましたか?
石川「最初は考えてなかったですね。そう来たか、という感じでした。宮田さんのやる事なすこと全部タイミングがドンピシャなので、今の僕に必要なのはこれなのか、と。ベストはコレだって。ラジャで試合をすることに不安はまったくない。初タイ、初ラジャ、まったく不安はありません。『ROAD
to 代々木』の自分の道には、ベストなタイミングで訪れた通過点です」
ーー金田代表は4人にどういう夢を託しますか?
金田代表「お互いに近い階級なので意識して欲しいですね。闘う相手は敵ですが、一緒に行く選手も敵だという意識で闘って欲しい。そういう気持ちを持ってムエタイにチャレンジして欲しいですね。強い精神力をいかにリングで出せるかが勝負です」
ーー前田選手は藤原会長であったり、小林選手が先輩であったりと何かとムエタイと縁がありますね?(前田自身は2002年に小林聡がムエ・マラソンに出場した際、ルンピニースタジアムで試合経験がある)
前田「練習を始めた時から、(藤原)先生に習い始めた頃から先生とムエタイは切り離せないものと思っていました。自分も最終的にはムエタイと対決するんだと思っていました。やっと自分もムエタイと対決できるんだという喜びが大きいです。前回、判定で負けているので今回こそはやり返したい」
ーー各選手は日本と同じ闘い方をしますか、それともタイ用にしますか?
藤原「この間の試合でムエタイをやっちゃったので、即効アレンジをかけてキックボクサーをタイの人たちに知ってもらいたいと思い改造中です」
石川「僕は手足が長くてそれで闘うスタイルと認識されていますが、自分の中では特にスタイルはないんです。自分の武器を太くして闘うつもり。VSムエタイという気持ちはなく、自分の武器を太く特化して勝ちたい」
大月「ムエタイにムエタイでやってもまず勝つことは出来ない。ムエタイ独特の堅いブロックを強引に壊して、直接叩くしかないと思っています。そういう練習をしています」
前田「日本と同じです。ムエタイ用はありません。ダメージを与えれば倒れるものだと思っています。いつも以上にダメージをダメージを与えるつもりでやろうと思っています」
宮田・興行本部長によれば、対戦相手は各選手のベストな体重でプロモーターに探してもらっているという。「タイなので1ヵ月前を切ってから決まると思います。やるからには強い選手と。せっかくタイへ行って試合をするのだから。向こうに上がる以上、向こうから挙がってきた選手ということになりますね」と、タイの意向を受けて立つ構えだ。
さらに、「大月選手に関しては、アンモー(ラジャダムナンスタジアムのプロモーター)さんが褒めていたので、特に手強い相手が用意されるんじゃないかと思っています」と予想する。
また、今大会は衛星中継でタイ全土にテレビ中継されることが決まっており、いずれかの試合が中継枠に入りそうだとのこと。加えて“チームJAPAN”という形になったことから、5人目のメンバーが決まったところで“外国人初のラジャダムナン王者”藤原敏男・藤原ジム会長に監督を依頼する計画もあるという。
最後に、金田代表は「勝つために行く。全員が勝てるかどうか結果は後からついてくるもの。精神力を一番出した人間が頂点に立つ。おのずと結果は出てきます」と締めくくった。
ALL JAPAN KICKBOXING 2007 MUAY
THAI CHALLENGE
「全日本キックボクシング連盟・タイ国遠征試合」
2007年6月17日(日・現地時間)タイ・ラジャダムナンスタジアム
第一部開始17:00 第二部開始21:00
<出場選手>
大月晴明(AJKF/WPKC世界ムエタイ・ライト級王者)
20勝(17KO)2敗 VSムエタイ戦績1敗
2005年12月19日 オームノーイ ●KO4R チョンレック・ゲォサムリット
石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
20勝(17KO)2敗 VSムエタイ戦績1勝1分
2006年3月19日 後楽園 ○判定 デッドゥワン・ポー.ジャルンチャイ
2007年1月4日 後楽園 △ドロー ワンロップ・ウィラサクレック
藤原あらし(SVG/全日本バンタム級王者)
19勝(12KO)4敗4分 VSムエタイ戦績1勝2敗1分
2004年8月22日 後楽園 △ドロー ダーウサウィン・ギャットラタポン
2005年10月16日 後楽園 ●KO2R ワンロップ・ウィラサクレック
2006年4月21日 後楽園 ○KO3R ラジャサクレック・ソー.ワラピン
2007年4月15日 後楽園 ●KO3R コムパヤック・ウィラサクレック
前田尚紀(藤原/全日本フェザー級2位)
24勝(16KO)10敗 VSムエタイ戦績1勝3敗
2002年12月14日 ルンピニー ●判定 テープニミット・ソー.ヂットパッタナー
2003年8月17日 後楽園 ●判定 レームペット・13リアンリゾート
2004年12月5日 後楽園 ○判定 ラジャサクレック・ソー.ワラピン
2005年10月16日 後楽園 ●KO2R カノンスック・フェアテックス
※最後の5人目は5・11後楽園に出場する山本元気(全日本フェザー級1位/DEION)もしくは山本真弘(全日本フェザー級王者/藤原)のどちらか。両者とも怪我の場合は同日に行われる山本優弥(青春塾)VS湟川満正(AJ)の勝者(全日本ウェルター級王者)となる。
<観戦ツアー>
ツアー資料請求は全日本キック=03-3365-1171 info@aj-kick.com
全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2007
「REARM」
2007年5月11日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:30
オープニングファイト開始17:30
<全対戦カード>
▼ダブルメインイベント第2試合 日本VSタイ 58.5kg契約 3分5R
山本元気(DEION/前全日本フェザー級王者&現フェザー級1位)
VS
セーンチャイ・ジラグリアングライ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム・スーパーバンタム級5位)
▼ダブルメインイベント第1試合 日本VSタイ 58kg契約 3分5R
山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)
VS
モンコントーン・ポンソンクラーム(タイ)
▼セミファイナル 第23代全日本ウェルター級王座決定戦 3分5R延長1R
山本優弥(青春塾/同級1位)
VS
湟川満正(AJ/同級3位)
▼第5試合 第10代全日本ミドル級王座決定トーナメント準決勝 サドンデスマッチ3分3R延長1R
中村高明(藤原/同級1位)
VS
吉武龍太郎(アイアンアックス/同級5位)
▼第4試合 ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
金 統光(藤原/同級2位)
VS
クリストフ・プルボー(スイス/スクランブル渋谷/同級6位)
▼第3試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
鳥野智広(建武館/同級5位)
VS
遠藤智史(AJ/同級7位)
▼第2試合 バンタム級3分3R
菊地 慧(藤原)
VS
柏木吾一(SVG)
▼第1試合 スーパーウェルター級3分3R
横澤浩史(SVG)
VS
武田一也(JMC横浜)
▼オープニングファイト第3試合 ライト級3分3R
田中信二(大村道場)
VS
HIROAKI (峯心会)
▼オープニングファイト第2試合 ライト級3分3R
渡部太基(藤原)
VS
ユウキ(AJ)
▼オープニングファイト第1試合 ライト級3分3R
白濱卓哉(建武館)
VS
森 直樹(峯心会)
<チケット料金>
RS席10,000円 S席7,000円 A席5,500円
※当日券は各席1.000円増し。
<チケット発売場所>
チケットぴあ
イープラス
後楽園ホール
チケット&トラベルT-1
<お問い合わせ>
全日本キック 03-3365-1171
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