7月8日(水)東京・三軒茶屋にあるシルバーウルフジムで魔裟斗(シルバーウルフ)が公開練習を行った。魔裟斗は7月13日(月)東京・日本武道館で開催されるFEG『K-1
WORLD MAX 2009 World Championship Tournament FINAL8』で川尻達也(T-BLOOD)と対戦する。
この日もいつものように練習を見せる前に囲み取材に応じた魔裟斗は現在の体調を聞かれると「普通ですね。いつも通りですよ」と静かに答える。川尻戦に向けては「時間は今までで一番短いけどキツかった。
ロードワークを入れても1日2時間くらい。でも今までにないくらい試合間隔が空いたんで、間隔を取り戻すために3カ月みっちりやりました」と内容の濃い練習が出来たという。
基本的な練習のメニューは走り込みやスパーリングといったジムワークなど、これまでと変わらないものだが、今回は2003年以来となるパワー系のウエイトトレーニングに着手。「ウエイトをやってパワーをつけるというのは、今年に決めた目標。最初からそう決めていました」という。
「何でウエイトをやったかと言うと、強くなりたかったから。あとは今だから(ウエイトを)やれる、そういうトレーニングの順序があるんですよ。去年までは3年間かけて、肉体改造をやってきました。それで今年はウエイトが出来る状況なんですよね。
ウエイトをやってからは一発のパワーがついたし、パンチ力・キック力は上がっていると思います。当たり負けもしないし、結構パワーありますよ」とウエイトトレーニングの目的・成果について語る魔裟斗。
「今年の大晦日にはマイク・タイソンになる」と発言している魔裟斗にとって、ウエイトトレーニングはそのための一環でもあるが「パンチ力やキック力が上がったけど、狙うと大振りになっちゃう。
スパーリングをやっている最中には色々と変わってくるんですよね。パワーもいいけど、自分の一番いいところはどこかなって。そうやって色々と考えるんですよね。
パワーはつけるけど自分の持ち味は消しちゃいけない」と単純なパワーアップだけには留まっていない様子。
「世界王者になることと川尻戦。モチベーションはまた別なんですけど、どっちが苦しいかって言ったら今年の方が苦しいです。今回は練習が苦しくて泣いちゃいそうになりました(苦笑)。ぶっちゃけるともうこの試合で辞めたいくらい、練習が苦しくて。早く楽になりたいですよ」とこの試合に向けてのハードな練習を振り返った。
公開記者会見に始まり、魔裟斗は川尻と激しく舌戦を繰り広げた。しかし魔裟斗は川尻陣営の発言については「ムカつくから聞かないようにしてます。ああいうのを見ると寝れなくちゃうんですよ。
若い頃はそういうのも見てたんですけど、見ちゃうと眠れなくなるというのを経験したんで。試合が終わってからまとめて見ようかなって思います。(川尻が)吼えるのはいいんじゃないですか。俺はドンと構えていればいい。その方が面白い」と完全にスルー。
魔裟斗は「記者会見の時はムカついてましたけど、俺のやるべきことはイライラすることや悪口を言うことじゃない。それが仕事じゃなくて、相手の試合を見て対策を練ることが仕事。(K-1×MMAという図式については?)今、それを言われて少し考えました。川尻が勝ったらMAXは終わる? じゃあ負けられないですね。(「川尻に負けたら大晦日はない」という発言は?)負けることを考えてリングには上がらないです」と“大人の対応”で受け流している。
川尻の印象については「試合の映像は見たい時に見て、週1・2回。組んだら力が強いと思います。カルバンもそうだったけど一発一発を振ってくるから、それには気をつけないといけない。ああいうタイプは練習でもそうだけど1Rが強くてそれから失速する。向こうも1R勝負で来るでしょう」と魔裟斗。
川尻が約10kg減量して試合時には80kg近くまで体重を戻すという総合格闘技式の調整方法には「あれは本当なんですか? そんな7,8kgも体重を戻して試合が出来るの? 俺はよくないと思いますよ。スピードもキレも遅くなるし。俺は戻しても3.5kg。それが俺のベスト体重だし、俺は77kgでは試合できないですよ」と反論した。
記者会見では「本当に打ち合ってくれるの?」と川尻に問いただした魔裟斗。川尻はその場で「もちろん足止めてノーガードで打ち合いましょう」と応戦し、先日の記者会見でも「ノーガードで打ち合う? それを期待してますよ」と改めて魔裟斗との打ち合いを要求している。
魔裟斗はこれらのやりとりを踏まえて「向こうは打ち合って一発当てるしかないでしょうね。打ち合う勇気? 俺にもハートがありますから。ただ熱さの中でも冷静さがないと去年みたいに倒されちゃうんですよね。だから熱いだけじゃ駄目」と発言し、「ローキックは蹴りますか?」と質問されると「みなさん知っていると思いますけど、俺は相手が嫌がることをやるのが好きなんですよ」とニヤリ。
「やっぱり面白い試合をして勝ちたい。ファンは俺が勝つところを見たいでしょ。だからどんな試合をしようか考え中です」「パンチだけが打ち合いじゃないですからね。俺はK-1のチャンピオンだから」と試合プランについての明言は避けた。
囲み取材が終わり、3分2Rのマススパーリングを行った魔裟斗。突進してくるスパーリングパートナーと真っ向から打ち合ったかと思えば、前蹴りや左ミドルで突進をストップしてヒザ蹴り、そして右ローキック。さらに川尻が2005年にPRIDE武士道で五味隆典と対戦した時、五味に受けた右のボディブローを繰り出すなど、戦いの幅を見せるようなスパーリングを行った。
囲み取材でも笑顔を見せ、スパーリング中にも相手に「お前が川尻だからな」と声をかけるなど非常にリラックスしていた魔裟斗。しかし「リラックスしているように見える?俺も役者になったな(笑)。実はピリピリしてますよ」と口にし、静かに川尻戦に向けての闘志を燃やしていた。
FEG
「K-1 WORLD MAX 2009
World Championship
Tournament FINAL8」
2009年7月13日(月)東京・日本武道館
開場17:00 開始18:00
<決定対戦カード>
▼スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
魔裟斗(シルバーウルフ/2003・2008世界王者)
VS
川尻達也(T-BLOOD/第8代修斗世界ウェルター級王者)
▼世界トーナメントFINAL8 3分3R延長1R
ドラゴ(アルメニア/ショータイム)
VS
山本優弥(全日本キックボクシング連盟/青春塾/2009年日本準優勝)
▼世界トーナメントFINAL8 3分3R延長1R
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア/サトリ・グラディエートリイウム・ネメシス)
VS
アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ/2002年世界王者)
▼世界トーナメントFINAL8 3分3R延長1R
アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテンオデッサ)
VS
アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ/2005&2007年世界王者)
▼世界トーナメントFINAL8 3分3R延長1R
ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム/2004&2006年世界王者)
VS
ニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケン(オランダ/ゴールデングローリージム)
▼世界トーナメント リザーブファイト K-1ルール 3分3R延長1R
佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー)
VS
ユーリー・メス(オランダ/イッツショータイム)
▼世界トーナメント リザーブファイト K-1ルール 3分3R延長1R
城戸康裕(谷山)
VS
リーロイ・ケスナー(オランダ/チーム・アファファ)
▼スーパーファイト K-1ルール 62kg契約 3分3R延長1R
山本“KID”徳郁(KRAZY BEE)
VS
チョン・ジェヒ(韓国/Busan Taesan/韓国ムエタイジュニアライト級王者)
▼スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
日菜太(湘南格闘クラブ)
VS
ジャバル“チンギスハン”アスケロフ(UAE/WMC・キャンプ・ラマイ)
▼スーパーファイト K-1ルール 60kg契約 3分3R延長1R
渡辺一久(フリー)
VS
山本 篤(KRAZY BEE)
▼スーパーファイト K-1ルール 62kg契約 3分3R延長1R
HIROYA(フリー)
VS
キコ・ロペス(アメリカ/チームクエスト/ボブ・チャネイ ムエタイ)
▼オープニングファイト K-1ルール 3分3R
横山 剛(CRAZY WOLF)
VS
ノ・ジェギル(韓国/KHAN)
<チケット料金>
SRS席 25,000円/SS席 15,000円/S席 10,000円/A席 6,000円
魔裟斗応援シート 15,000円(特典付き)
<チケット発売場所>
チケットぴあ 0570−02−9999
ローソンチケット 0570−084−003(Lコード:33000)
CNプレイガイド 0570−08−9999
キョードー東京 03−3498−9999
イープラス=http://eplus.jp
※0570から始まる番号は一部の携帯電話、PHS、CATVからの電話接続は不可
<お問い合わせ>
チケットに関するお問い合わせ
キョードー東京 03−3498−9999
大会に関するお問い合わせ
FEG 03−3796−5060
FEG
「K-1 WORLD MAX 2009
World Championship Tournament FINAL」
2009年10月上旬 神奈川・横浜アリーナ
開場・開始時間未定
▼世界トーナメント準決勝 3分3R延長1R
ドラゴVS山本優弥の勝者
VS
ジョルジオ・ペトロシアンVSアルバート・クラウスの勝者
▼世界トーナメント準決勝 3分3R延長1R
アルトゥール・キシェンコVSアンディ・サワーの勝者
VS
ブアカーオ・ポー.プラムックVSニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケンの勝者
▼世界トーナメント決勝戦 3分3R延長2R
準決勝の勝者
VS
準決勝の勝者
●K-1
WORLD MAX2009年間日程
7月13日(月)東京・日本武道館 FINAL8
10月上旬 横浜アリーナ FINAL
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