9月19日(日)東京・新木場1stRINGにて、B-FAMILY NEO主催興行『Muay Thai WINDY Super Fight vol.4』のアマチュア大会が開催された。
今大会ではエントリー数116名、参加協力ジムが25団体と、過去最高の賑わいを見せた。
20kg級では、帆士紫苑(TTP GYM)が小宮山怜虎(尚武会)を迎えて初防衛戦を行った。帆士は自身初となるタイトル初防衛戦となる。ゴングが鳴ると、両者勢いよくリング中央へ飛び出し、真っ向から打ち合う展開となる。
後半から、帆士の手数が徐々に増え始め、結果、帆士が判定で小宮山を下して初防衛に成功すると共に、九州へベルトを持ち帰ることにも成功した。
25kg級では、M-1 25kg級王者である安本晴翔(士道館橋本道場)が初参戦。優勝候補として注目を浴びていたが、その期待通りにトーナメントを勝ち上がり、大西陸(パワーオブドリーム)の持つ王座への挑戦権を獲得。安本のセコンドにはM-1 25kg級の防衛戦の時同様、山本佑機、町田光が就く。
互いに序盤は間合いを計りながら互いの出方を探る。安本がワンツーから右ローを繰り出せば、大西も負けじとワンツーを中心に前で出る。中盤には大西の右ローに安本はカウンターの右ストレートをヒット!更に手数を増していく安本。結果、安本が判定で大西を下し、新王者となった。これで安本はM-1 25kg級に続いてWINDYの王座を獲得し、2冠王者となった。
30kg級では、山田貴仁(ワイズ)が王座奪還に向けてトーナメント再挑戦。準決勝では、水白侃秀(K-RIVER)と激闘を繰り広げ、会場を大いに沸かせ、判定で山田が決勝に駒を進めた。
反対側のトーナメントでは、M-1 35kg級の王座を保持する溝口達也(尚武会)が順当に勝ち上がり、山田と空位の王座を争うこととなった。距離を取る山田に対して、常に前に出てインファイトを持ちかける溝口。対照的な二人だが、溝口が手数で圧倒し、M-1に続いてWINDYの王座を獲得し、2冠王者となった。
35kg級では、石井一成(リアルディール)がエントリー。30kg級から35kg級へと階級を上げて初めて臨むこととなった。優勝候補と目されていた石井は、初戦で黒木翔太(尚武会)と対戦。黒木は序盤から手数で石井を上回り、石井を判定で下して準決勝へ。石井が初戦で姿を消すという波乱が起きた。
準決勝では、岩波悠弥(士道館橋本道場)と対戦し、判定で岩波が決勝へ。ここでタイトル挑戦権を獲得したのが、岩尾力(パワーオブドリーム)だった。準決勝では、ヒザでKO勝利を収めた沖縄からの刺客・儀部快斗(真樹ジムオキナワ)と対戦。岩尾はリングを広く使って距離を取りながら、儀部のヒザを封じ、判定で儀部を下して決勝へと駒を進めた。
決勝戦では、岩尾が勝利し、須永大護(K-RIVER)の持つ王座への挑戦権を獲得した。タイトルマッチでは、岩尾のトリッキーな動きが影を潜め、須永と同様に正攻法スタイルで試合に臨んだ。互いに打っては引いてのヒット&アウェーの展開が続くが、わずかに須永が手数で岩尾を上回り、須永が判定で岩尾を下して初防衛に成功した。
40kg級では、“閃光のヒザ”末永勇一(K-RIVER)がエントリー。末永のヒザはジュニアクラスでナンバーワンといっていいほどのうまさと強さを兼ね備えている。それは誰もが認めるところだろう。優勝候補筆頭としてトーナメントに参戦したが、準決勝では、シードの榊原達也(チームSK)と対戦。ここで勝ち上がったのは榊原であった。
その榊原はトーナメント決勝で首相撲とヒザで勝利を重ねてきた福田海斗(キングムエ)と対戦。ここでも福田の首相撲からヒザが冴え渡り、福田がトーナメントを制覇。武井由樹(パワーオブドリーム)の持つ王座へ挑戦することとなった。
タイトルマッチでは、福田が首相撲からヒザを出すと、武居もこれに応じるが、すかさず距離をとってワンツーで突っ込んでいく。だが福田は首相撲からヒザというスタイルを崩さない。結果、判定で福田が勝利し、新王者となった。
45kg級では、準決勝で堀内佑馬と宮本大樹によるパワーオブドリーム同門対決となり、堀内が同門対決を制して決勝へ駒を進めた。60kg級王者であった山浦俊一(フリー)の弟である山浦翔がトーナメントに参戦。初戦で穂波楓(パワーオブドリーム)と対戦するという好カードが実現。本戦で延長となるも、僅差で山浦が勝利。
準決勝も山本岬(はまっこムエタイ)を判定で下して順当に勝ち上がっていった。トーナメント決勝戦は堀内佑馬vs山浦翔となった。
平本蓮(K-RIVER)の持つ王座への挑戦権を獲得したのは山浦だった。平本にとって初の防衛戦となる。山浦がインファイトを仕掛けてくるのを、平本は真っ向から受けて立ち、激しい打ち合いとなる。互いにスタミナが切れることなく、終始手数を落とすことなく戦い抜いていた。結果、判定で平本が山浦を下して初防衛に成功した。
50kg級、55kg級は王座決定戦となり、奥脇一哉(はまっこムエタイ)、中島大樹(リアルディール)がそれぞれ空位となった王座を獲得した。
また、60kg級では、山田敦士(ワイズ)が王座返り咲きに向けて王座決定戦に出場。初代50kg級王者の細貝晃希(祥龍館)と対戦。山田の強打にパワーで圧倒されていく細貝。首相撲や右ローで応戦していくも、山田の止まらぬ猛攻に成すすべなく、判定で山田が細貝を下して王座に返り咲いた。
大会4回目で参加ジムを着々と増やしてきた同大会。これを受け、その背景には「誰にでもチャンスがある」という大会のコンセプトがあったからであろう。初参戦にしてチャンピオンになれる可能性があるというシンデレラストーリーを実現した選手は、過去4大会で何人もいた。今大会でもそうした選手がいたこともまた事実であった。
今大会ではトーナメントで優勝候補と目されていた選手が次々と姿を消すなどの波乱が起きた。これもトーナメントならではの特徴といえる。この光景を目の当たりにし「頑張れば必ずチャンピオンになれる」ということをまざまざと感じさせられたものだった。なお、次回大会は11月7日(日)を予定している。各階級の王者は下記の通り。
B-FAMILY NEO
「Muay Thai WINDY Super Fight vol.4 アマチュア大会」
2010年9月19日(日)東京・新木場1stRING
開始10:00
<各階級王者>
20kg級王者 帆士紫苑(TTP GYM)
25kg級王者 安本晴翔(士道館橋本道場)
30kg級王者 溝口達也(尚武会)
35kg級王者 須永大護(K-RIVER)
40kg級王者 福田海斗(キングムエ)
45kg級王者 平本蓮(K-RIVER)
50kg級王者 奥脇一哉(はまっこムエタイ)
55kg級王者 中島大樹(リアルディール)
60kg級王者 山田敦士(ワイズ)
<表彰ジム>
尚武会
TTP GYM
パワーオブドリーム
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