DRAGON GYM
「大震災復興チャリティーイベント戦場 7」
2012年6月24日(日)宮城・ドラゴンボクシングスタジアム
開場14:00
2011年3月11日(金)に起きた東日本大震災のチャリティーイベント「戦場」の7回目が6月24日(日)に開催された。このイベントは宮城県に拠点を置くDRAGON GYM(ドラゴンジム)が主催するアマチュア・プロ合同大会。
主催者であるDRAGON GYMの佐藤亮会長は、戦場というイベント名について「3月11日に起きた東日本大震災の後日、被災したDRAGON GYM石巻支部メンバーの家のボランティアをしていて、まるで戦争で爆撃を受けたような悲惨な石巻市を見て思い浮かんだ」と説明する。1回目の大会は2011年5月22日(日)仙台で開催され、大会の収益金は車椅子や畳を購入するために使われるなど被災地に寄付されている。
今大会は、石巻の被災地にDRAGON GYMが設立した日本初のムエタイスタジアム「ドラゴンボクシングスタジアム」で行われ、満員の350人の観客が集まった。
→会場外では、DRAGON GYM石巻支部のボランティア有志が自費で材料を購入して作った「石巻やきそば」を販売。この売り上げは、東日本大震災による震災孤児らを支援する「東日本大震災みやぎこども育英募金」に全額寄付される。寄付金の総額は55,741円となった。
オープニングファイトでは、ドラゴンスタジアム認定王者決定トーナメントが行われ、6階級のキッズ王者が誕生。本戦では全6カードが組まれ、昨年末にNKB(日本キックボクシング=2001年に結成されたキックボクシング機関)から離脱したAPKF(アジア太平洋キックボクシング連盟)のランカー・虎宇輝(こうき)、“ママさんキックボクサー”としてJ-GIRLSで活躍する三堀“SMILE”美弥子(ともにY’ZD GYM)が初参戦、熱い戦いを繰り広げ会場は熱気に包まれた。
大会終了後、佐藤会長は「日本初ムエタイスタジアムでの3回目の興行が終わってホッとしています。今の気持ちを水泳に例えると、自宅に自前のプール(=スタジアム)が出来たことで好きなときに好きなだけ泳げる(=興行を開催できる)ようになりました。今回はいつもとは違う新しい水着に着替え、それが体に馴染んでいないまま泳いでいる感じがしました。というのは、いつもはDRAGON GYMの興行なのでDRAGON GYMの選手が活躍していますが、今回は新しい試みの1つとしてメイン、セミでDRAGON GYM以外の道場やジムの選手を抜擢したところ、頑張って活躍してくれたのでそう感じました」と統括。
今後については「今までと同じく九州だけでなく沖縄、名古屋キックボクシングのアマチュア大会『BRIDGE』と協力体制を築き、DRAGON GYMとの対抗戦をやっていきます。これからもプロだけでなく、アマチュア大会にも力を入れ被災地からチャンピオンを輩出していきたい。これからも地方同士で手を組み独自路線を突き進んでいきます」とコメントした。
なお、次回大会は8月26日(日)同所でアマチュア大会を開催。11月26日(日)同所でDRAGON GYM20周年記念興行を行う。来年にはバンタム級、ライト級、ミドル級の3階級でトーナメントを行い、ドラゴンボクシングスタジアム認定チャンピオンが誕生する。
▼メインイベント(第6試合) ミドル級 3分3R
○シンタロウ(TEAM BAD LUCK)
KO 1R23秒 ※右ハイキック
●丈一郎(神風塾)
“仙台のストリートファイター”のニックネームを持つシンタロウは戦場で2度目のメインイベンターに抜擢。対する丈一郎はマッチョなボディから繰り出すフックを武器に地元・九州ではKOの山を築いている。KO決着必至の激戦を制すのはどちらか。
1R、シンタロウは右ロー、左前蹴り、右ハイ。丈一郎が左フックで前に出ると、シンタロウが首相撲からヒザ。離れ際に右ハイをクリーンヒットさせると、丈一郎は前のめりに倒れそのままレフェリーがストップ! シンタロウが秒殺KO勝利を収めた。
▼セミファイナル(第5試合) ウエイトハンディマッチ 70−75kg 3分3R
○虎宇輝(こうき/Y’ZD GYM/APKFウェルター級3位)
判定3−0
●佐々木道(闘鶏)
APKFのリングで国際戦二連勝中の虎宇輝が初参戦。次期APKFウェルター級チャンピオンの最有力候補として期待を集めている虎宇輝は、戦場のリングでインパクトを残すことが出来るのか。対する佐々木は東北のベテランムエタイ選手。昨年12月にシンタロウにKO負けしているが、熱い試合で観客の心を掴んでいる。
1Rからペースを握ったのは虎宇輝。右ローからパンチにつなぎ、手数で圧倒する。佐々木の右ストレートに、虎宇輝がカウンターで右ストレートをクリーンヒット!
2R以降も、虎宇輝が右ロー、右ストレートとバランスよい攻撃を見せるものの、タフな佐々木はパンチで応戦する。
3Rには、虎宇輝がこつこつと当てていった右ローのダメージで、佐々木は足を引きずる場面も。コーナーに追い込んだ虎宇輝がパンチ連打から三日月蹴り! ひるんだ佐々木に虎宇輝はラッシュを仕掛けたが、佐々木は意地を見せてパンチで前に出る。KO決着は逃がしたが、虎宇輝が判定勝ちを収めた。
▼第4試合 スーパーライト級 グローブハンディマッチ10−8オンス 3分3R
○ダイナマイト柿崎(DRAGON湯沢)
KO 1R1分44秒
●中川誠太郎(神風塾)※デビュー戦
名古屋のホーストカップで勝利した柿崎は、来年に予定されているドラゴンスタジアム認定ライト級王座決定トーナメントの最有力優勝候補である。対する中川は神風塾の期待のホープ。アマチュア全勝全KOのハードパンチャーであり、今回がデビュー戦となる。
1R、オーソドックスの柿崎は、サウスポーの中川に右インロー! 破壊力抜群のこのローの前に中川は足を引きずる。数発放ったところで中川がダウン! 再開後、パンチの中川に対し、柿崎は右インロー。コーナーに詰めて右ハイをクリーンヒットさせ、パンチの連打を見舞うとレフェリーがストップ! 柿崎のKO勝利となった。
▼第3試合 女子50kg契約 2分3R
○三堀“SMILE”美弥子(Y’ZD GYM)
判定3−0
●森田洋子(闘鶏)※デビュー戦
小学5年生の子供を持つママさんキックボクサーの三堀は、J-GIRLS、レベルス、Krushと多くのリングに参戦し、突進ファイトで観客を魅了してきた。対する森田は、戦場アマチュアチャンピオンを決めるトーナメントで準優勝。今回はプロデビュー戦となり、キャリアで上回る三堀を相手にどういう試合を見せるか。
1R、ミドル、パンチを出しながら前に出る三堀に対し、森田は一定の距離を取りながら強烈な右ストレート!
これが何度も三堀の顔面をとらえ、三堀の左目は徐々に腫れていく。距離が詰まれば森田は首相撲で三堀のパンチ連打を止めるなど、三堀は完全に相手に研究されている。それでも前に出続ける三堀は右ストレート、右ミドルと手数は減らない。森田を追い込む場面も作り、三堀が判定勝ちを収めた。
▼第2試合 スーパーライト級 3分3R
○SYU(Y’ZD GYM)※デビュー戦
TKO 2R59秒
●高橋政彦(DRAGON石巻)※デビュー戦
▼第1試合 17kg契約 2分2R
○斉藤日和(DRAGON)
判定3−0
●阿部雅貴(DRAGON湯沢)
★6人のドラゴンスタジアム認定チャンピオンが誕生!オープニングファイトの試合結果はこちら
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