6月10日(木)P'sLAB東京で近藤有己(パンクラスism)の合同囲み取材が行なわれた。試合の約10日前に対戦相手が決定した近藤だが自分を貫き通す「不動心」は相変わらず。特に気負いといったものは感じられない。そして8月に予定されているヴァンダレイ・シウバ(シュート・ボクセ・アカデミー)戦について話が及ぶと「もうモチベーションはないですよ…」と意外なことを口にした。
――まずは試合に向けての抱負・意気込みをお願いします。
相手に関係なく、前回の試合以上の内容やグレードアップした自分を見せたいと思っています。
――対戦相手のビデオは見ましたか?
桜庭選手とやった試合しか見てないです。新たに見直したりはしてません。
――リッチ選手の印象は?
試合が短かったんで…ただデータを見るとコンスタントに試合をしているんだなと思います。
――対戦相手の決定が遅くなりましたが影響はありますか?
それはあまり珍しいことではないんで、遅くなったからどうというのはないです。気合が入ったわけでもないですし。
――この試合に向けて、力を入れた練習はありますか?
具体的にはないですね。打撃も寝技も全部です。前の試合よりも早くて強いパンチを、切れのある関節技を出したいです。
――シウバ戦への調整試合という見方もあると思いますが
そういう考え方はないです。見に来てくれたお客さんに最高のものを出せたらいいと思いますし、それから先のことは意識していません。
――新必殺技は開発しましたか?
…ないです(笑)。もし決めることが出来たら発表します。ないことはないですよ。
――最初にシウバ戦を要求したのが昨年の大晦日ですよね。あれから半年経ちましたし、一度は対戦が決まっていながら、中止にもなりました。モチベーションを保つのが難しくはないですか?
もうモチベーションはないです。
――どういう意味でしょうか?
試合に対してモチベーションを上げるということがいらないと思うんです。モチベーションを持って試合をすることに価値を感じないんですよね。「モチベーションを持って事を為す」ってことは大したことないんじゃないのかなって。売れる商品を売ってくる営業マンみたいな。モチベーションとは関係なしに最高のものを見せたいだけですよ。シウバ戦が正式に決まればどういう感情になるかは分からないです。ただ感情は自分が作り上げるものじゃなくて、涌き出てくるものだと思います。モチベーションが上がったり下がったりするのは、まだ自分の感情をコントロールできてないことじゃないですかね。
――そういう考え方を持つようになったきっかけは何だったんですか?
今のこの状況ですね。
――一度、対戦が流れたことが影響したんですか?
「影響」じゃなくて「学んだ」ものです。8月に関しても正式な決定じゃないんで、気持ちの高ぶりはないです。
――その心情の変化は近藤選手にとって大きいものですか?
それはこの先の試合の内容で分かると思います。実際にどうなるのかはまだ分かりませんね。
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近藤有己(パンクラスism)×野地竜太(パンクラスMEGATON)
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