3月27日(日)都内のホテルにて、前日の26日に旗揚げ戦を終えた『HERO'S』の一夜明け会見が行われた。会見には前田日明スーパーバイザー、上井文彦・総合プロデューサー、ボブ・サップ、ジェロム・レ・バンナが出席している。
サングラスをして現れたバンナは、珍しく上機嫌で記者との質疑応答にも饒舌に答えた。
ーー昨日の試合の感想を。
「秋山は素晴らしい選手、敵ながらあっぱれ。体重差があったのに彼はやれる事は全てやった。素晴らしい勇気を見せてくれたと思う。大変に尊敬している」
ーー今後はK-1とMMA、どちらに専念しますか?
「今後どういうようなオファーがあるかによるね」
ーー総合格闘技のトレーニングはどのようなものを?
「自分のチームにいる柔道をやっている選手や、私の様々な友人を相手にトレーニングを重ねている。今回は技術面でさらに磨きをかけるトレーニングをしてきたよ」
ーー今後の目標は?
「大きな目標は、もちろんK-1 GPで優勝することだね」
ーー今年はK-1パリ大会がありますが?
「それには出場する。もちろんK-1ルールでね。総合格闘技の試合はフランスでは禁止されているので、出来ないんだよ。危険すぎるという理由でね」
ーーパリでは誰と闘いたいですか?
「シリル・アビディとやりたいと思う」
ーー総合の試合で初勝利を収めた事は、K-1でどのような影響がありますか?
「別に何も影響はないよ」
ーー秋山選手が再戦を望んで来たら?
「もちろん、リベンジマッチをしたいんなら喜んで受ける。彼は偉大な柔道家だしね。日本のファンも喜んでくれるだろう。その時のプロモーターも横にいるしね(と前田を見て笑う)」
ーー総合で闘いたい相手はいますか?
「今の段階でそういう事を言うのは、時期尚早だと思う。まだこの競技では、私は新人だからね。今はこのスタイルに早く慣れたいとと思っている。Cクラスの選手がAクラスを狙っても仕方がないだろう? 次はBクラスをキチッとこなして、Aクラスになれば誰と闘うと言えると思う。打撃なら自分はAクラスにいるからいろんな人と闘ってもいいが、総合ではそういうわけにはいかない」
ーーK-1 GPで優勝するためには何が必要だと思いますか?
「あとはチャンスを掴む事だね。どうやって闘えばいいかは分かっているから」
ーー前田さんは今回のバンナ選手の試合を見てどう思いましたか?
前田「前回よりも良くなっているね。自分らが持っているノウハウを生かせば、K-1でトップの選手だったら今の総合のトップ選手と遜色ない試合が出来るようになるよ。戦略ありきだけど、彼らの特性を生かして戦略を練れば、2〜3ヵ月でヘビー級のトップクラスとやれるようになる」
バンナ「ありがとう」
ーー前田さんがコーチに就くというのはどうですか?
バンナ「それもいいね」
前田「ウェルカム(笑)。試合に勝った時に、前田のおかげで勝てたって言ってくれたら、いつでもいいよ」
バンナ「OK、分かりました(笑)」
ーー前田さん、どうですか?
前田「そうですね。K-1のトップ選手を総合のトップ選手として育ててみたい。興味がある。彼らは今、手探りの状態で行き当たりバッタリで自分たちで練習していると思うんですよ。俺らは何十年もこういう事をやってきて、こうすればいいのに、というのがある。ミルコ、ハントの変身のスピードよりも早く、総合に対応できる選手にする自信はありますよ」
ーーフランスにまで行って、教えますか?
前田「時間があればね。フランスは遠いけど(笑)」
ーーストライカーから転向した場合、ミルコのようなスタイルが理想ですか?
前田「いや、各自に合ったスタイルがあるよ。バンナはちょっと違ったスタイルになるだろうね。自分らからみるともったいないんですよ。打撃から総合に転向しても、経験がないからみんな遠回りしている。ミルコにしても、あんなに時間がかからず出来るはず。ただ、その努力には敬意を表します。未知のものにトライするという姿勢にね」
ーーバンナ選手、どうですか?
バンナ「もちろん、今の話を聞く前から総合格闘技には興味があった。だから定期的にトレーニングしてきたし、前田さんのところでやればさらに磨きがかかるだろうね」
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