10月10日(火)都内ホテルにて、昨夜9日(月)に開催された『HERO'S2006 ミドル級&ライトヘビー級世界最強王者決定トーナメント決勝戦』の一夜明け会見が行われ、ミドル級王者のJ.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)、前田日明スーパーバイザー、谷川貞治FEG代表が出席した。
ライトヘビー級トーナメントで優勝した秋山成勲(日本/フリー)は、今日朝の『みのもんたの朝ズバッ!』に出演してみのもんたさんに勝利を報告後、ナイキのCM出演のため海外撮影へ旅立ったため欠席。このCMはアジア・オセアニア地区でオンエアーされるもので、多数のアスリートが出演するがアジアからは秋山とテコンドーのチャンピオンが選ばれたという。
谷川プロデューサーは「個人的には宇野選手より秋山選手の方が危ないと思っていたが、メルヴィンに勝って優勝したのは評価できる。秋山選手とは2年前に焼肉を食べながら“プロになろうよ”と口説いていたのを思い出しました。よく短い間にチャンピオンになってくれたと思います。ミドル級でカルバンという強いチャンピオンが生まれたのは、HERO'Sのレベルを高くした」と総評。
前田日明SVは「手に汗握るいい試合が多かった。カルバンは宇野君の上を行く反応の良さ。ハニ・ヤヒーラは寸分のリズムを読んでタックルに入ってくるが、それを冷静に読んでフロントチョークを狙って極めた。カルバンVS宇野君はトレーナーのマック・タカノさんVSケビン山崎の闘いだった。マックさんはアメリカで三本の指に入るスーパートレーナー。カルバン自身の思い切りの良さや素質も多々あるし、今後の躍進を今後も祈りたい」と、ミドル級王者のカルバンを絶賛した。
「カルバンは1回戦で秒殺に近い形で勝って、宇野君は2Rきっちり闘っていたから、カルバンには精神的な余裕もあったし、宇野君の研究が進んでいた。先回りして動いていると感じた。あれは宇野対策の成果じゃないでしょうか。宇野君も1回戦を秒殺で勝てればもっといい試合になったんじゃないかとも思う。だから、カルバンVS宇野君はワンマッチでやったらどうなのかなって思う。今後はカルバンを中心に、元気、KIDらとの絡みが面白くなってくるでしょう」と予測する前田SVだが、「個人的には宮田君がカルバンと手が合うと思う。しっかり準備させてやらせたら面白い。今後、楽しみなカードです」と、同日イアン・シャファーを秒殺して復活勝利を挙げた宮田和幸を王者への挑戦者第一号に推薦している。
カルバン自身は今後闘いたい相手を聞かれ、「自分としてはKIDとやりたい。彼は2005年のチャンピオンだし、彼がまだHERO'Sのチャンピオンだと思っているかどうかは分からないが、その気持ちが少しでもあるならこのベルトを奪いに来るがいい!」と、昨年のトーナメント覇者である山本“KID”徳郁を指名。
「KIDを誰が止めるのか、みんな興味があるだろう? KIDが本当の子供なら止めることは出来ないが、彼は子供じゃないので止められる。KIDは素晴らしい選手なので闘いたい。彼の試合を見て学ぶこともあるし、彼と対戦することが自分としては待ち遠しい」
さらに、カルバンは「K-1MAXにも参戦したい」と表明。「僕はチャレンジするのが大好きなんだ。総合格闘技の中で経験したことを反できるならチャレンジしたい。MAXに参戦しているドラゴや、メルヴィン・マヌーフとも僕はオランダで一緒に練習したことがあるからね。MAXに経験のために出たい」。
カルバンがMAXで闘いたい相手、それはズバリ「魔裟斗だ」。
「魔裟斗を一番尊敬しているので、彼と闘うことが出来ればいいと思う。MAXに上がっても自分は変なプレッシャーを感じずに自分の試合が出来ると思う。日々アドレナリンを出してファイターとして成長していきたいんだ。負けたら、そこで何かを学んで成長すればいい。それに僕のトレーナーはムエタイの世界チャンピオンに5回なったモハメド・オワリだ。いつか魔裟斗にチャレンジしたいね」
カルバンのMAXにチャレンジしたいという気持ちは強く、「K-1MAXのベルトも手に入ったら、これ以上に完璧なことはない。このHERO'Sのベルトを抱きながら眠りたいと思っているが、MAXのベルトも手に入ったらもっと大きなベッドが必要になってくるな」と、史上初のK-1MAXとHERO'Sのダブル制覇を目論む。
ここで、カルバンのトレーナーであるマック・タカノ氏が、谷川プロデューサーより「大晦日にKIDか魔裟斗でどうか、と言われている」と発言。それを聞いたカルバンは「実現できたら1年の締めくくりとして完璧だね。夢がかなうのを現実として感じるよ。正しいことをしてきたから、自分にチャンスが巡ってくるのだと思う」と、大晦日での大一番に意欲を示した。
マック・タカノ氏はカルバンが「K-1ルールでも総合ルールでも、何でも対応するから大丈夫」と言うと、「彼が大丈夫と言ってるなら大丈夫ですよ」と自信を覗かせる。「彼はキックボクシングの試合は経験がないけど、打撃が凄く強い。私が知っている中では、総合格闘技のファイターの中でも一番打撃のポテンシャルがある。BJペンも自分は教えたけれど、彼と同じセンスを持っている」と断言。
カルバンの打撃コーチであるモハメド・オワリは、かつて魔裟斗に敗れており、実現すればその敵討ちとなる。
谷川プロデューサーは「カルバンの意思は尊重する」としながらも、「KIDはレスリングの試合のため60kgに減量しているので、大晦日でカルバンとの対戦は無理でしょう。魔裟斗選手と交渉します」と、魔裟斗VSカルバンに前向きな答え。しかし、「個人的にはカルバンVSブアカーオが面白いと思う」と、今年のK-1
WORLD MAXチャンピオンとHERO'Sチャンピオンによる“王者対決”の構想をぶち上げた。
ただし、カルバンは左手の甲を負傷しており、その具合はレントゲンをとってみないと分からないという。
●その他のカルバンのコメント
「昨日は人生で一番サイコーの日だった。ベルトは自分の力だけじゃなく、アメリカン・トップチーム、家族、マック・タカノ氏、皆さんの力があって手にしたものなのでみんなのものだと思う。ブラジルにいる10歳離れた妹が、自分のことのように喜んでくれた。妹はダイヤモンドのようにかけがいのない大事な存在で、彼女が喜んでくれたことが嬉しい。これからはTVの視聴率に反映するような試合をしていき、一日でも長くこのベルトを巻いていたい」
ーー賞金は何に使いますか?
「初めにブラジルにいる家族のために使いたい。そして、1日でも長く選手として闘いたいので、そのためにお金を使いたいんだ。ドン・フライのように40歳になっても闘える、男らしい選手になりたい。彼は僕にとってアイドル的な存在、憧れの選手なので昨日は会えて嬉しかった。贅沢をするつもりはないね」
TBS/MBS/FEG
「K-1 PREMIUM 2006 Dynamite!!」
2006年12月31日(日)大阪・京セラドーム大阪(旧・大阪ドーム)
開場、開始未定
<放送スケジュール>
12月31日(日)、TBS系列28局ネット(放送時間調整中)
<お問い合わせ>
・大会に関するお問い合わせ
皆EG=03-3796-5060
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